コンビニやカフェ、レンタルショップやガソリンスタンド等で買い物をするとレジでクーポン券やクーポンコードが付いたレシートが発行されることがあります。
「次回、ご来店いただくと20ポイントのクーポンが出ております。」
「次回のご利用でポイント5倍です。」
といったクーポンがレシートと一緒に渡された経験はありませんか?
受け取ったクーポン。あなたはいつでも使えるようにと、財布の中に残す派?それともすぐに捨ててしまう派?
お金の流れが良くなるのはどちらでしょうか?私の考えを書いていきます。
私はすぐに捨てる派です
わたし個人としては、受け取ったクーポン付きレシートやクーポン券はほとんどその場で捨ててしまいます。
人によっては、財布に取っておくという方もいらっしゃるかもしれません。
どちらが正しいとか、間違っているということはありませんが、どちらがお金の流れを良くしてくれるのか?という視点で考えると、わたしは貯めこまないですぐに捨てる方がいいのではないかと考えています。
溜め込むことのデメリット
このコラムを読んでおられる方はそうでない可能性が高いと思いますが、人によっては「財布がパンパン」という方がいらっしゃいます。
溢れだすほどの一万円札で財布がパンパンなのではなく、ポイントカードやレシート、クーポン券、年末には宝くじまで入っていて財布がパンパンという状態です。
財布は許容量を超えた収納状態になっていますので、当然ながら財布の寿命は縮まります。パンパンに膨れた財布を使っている人が、ある時に財布の中身を全部抜いてみると「財布がへなっ」となっている、なんてことはよくあります。
財布を買い替えて中身を入れ替えるときには、「こんなにも入っていたのか」と驚くことでしょう。
溜め込むことのデメリットの1つ目は、
「財布の寿命を縮める」ということです。単純ですね。財布の買い替えサイクルが短くなりますから必要以上の財布購入費が必要となります。
そしてもう一つのデメリットは「お金が出ていきやすい」ということです。
お金が出ていきやすい財布
先ほど書いたような「財布がパンパン」という方はいらっしゃらないかもしれませんが、財布の中にレシートやクーポン券等を貯めこんでいくことで、次に入ってくるお金の居場所が占拠されてしまっていると考えられます。
あなたの財布のスペースが100とした場合、
お金が50、カードが30、レシートクーポンが20というように、財布の中の専有面積を100%使い切っていたとします。
◆カード
固定的な存在あることが多いですので、カードの入れ替わりが激しいという方は少ないでしょう。
◆レシートやクーポン
整理しないと減っていきません。
◆現金
結果的に、簡単に出入りすることができるのは「お金」ということになります。
お金を使うことで、財布の場所が空きます。空いた場所には次のお金が入ってきます。
これは、お金の流れ、循環という意味では良いようなイメージを持たれるかもしれませんが、この場合のお金の流れは「消費や浪費」である可能性が高くなります。
無意識に財布の場所を空けて、新しいお金が入ってくるようにお金を使う。ということが習慣になってしまっている可能性があるからです。
クーポンを捨てるのはお金を大切にしていない?
「次回、ご来店いただくと20ポイントのクーポン。」
「次回のご利用でポイント5倍です。」
こういったクーポンを使わずに捨ててしまうことは、お金を大切にしていない。と考えられるかもしれません。
確かにそういった考え方もできますが、クーポンやポイントが持っている本来の目的を知っておくことも大切です。
クーポンやポイントは消費刺激ツール
現在、多くの会社からポイントサービスが提供されています。
- Tポイント
- 楽天ポイント
- nanacoポイント
- Pontaポイント
- dポイント
- クレジットカードのポイント
- 各店舗(ショップ)のポイント
- その他。。。
コンビニ、携帯電話会社、ネットサービス、クレジットカード等あらゆるところでポイントが提供されています。
それらには共通する一つの目的があります。
それは「次回、購入の動機付け」です。
お店やネットで商品やサービスを購入するとポイントが貯まります。貯まったポイントは現金のようにどこでも使える訳ではありません。対象のお店やサービスで利用することになります。
商品やサービスを購入してもらい、次も同じ店舗や同じグループ内で購入してもらうための一つの動機づけとしてポイントサービスを提供しているのです。
本来は必要としない消費も刺激される
ポイントの目的は「次回、購入の動機付け」ですので、ポイントを利用している人には貯まったポイントは「利用しないと損」という意識が働きます。
ポイントを利用することで、ポイント利用分は代金が割り引かれ商品やサービスをより安く購入することができます。
しかし、「損になるから購入する」という動機から購入するのと、「自分が必要だから購入する」では、購入意図が大きく異なっているのが分かると思います。
ポイントやクーポンを利用することで、より安く、お得に購入できるというメリットがある反面、本質的には必要としていない購入、消費、浪費をしてしまうというデメリットを持っているのです。
取り敢えず「牛丼」
わたしも以前、レジでもらったクーポンを財布に溜め込んでいました。
例えば、ランチで利用した牛丼屋さん。「次回のご利用で50ポイント」のクーポンを大切に財布の中に入れていたのです。
私自身、牛丼屋さんはお昼の時間が無い時の最終手段的な選択です。ところが、クーポンを持っていると、「期限までに使わないともったいない」という意識が働き、ランチのお店を探すときには「クーポンが使える牛丼チェーン」をいつの間にか探しています。食べたくもないのに「とりあえず牛丼」という選び方をしてしまいました。
しかも、牛丼を安く食べられた訳ではなく、次回の買い物で使えるポイントを50円分獲得したということになります。
しかも、獲得したポイントは期限付き。今度は期限内に50円以上の買い物をどこかでしないともったいない。という意識に切り替わります。
これらの一連の流れから、ポイント提供会社のマーケティングの流れに見事に乗せられている自分の存在に気づきました。
ポイントは仮想通貨の一つ
現在、ビットコイン等の仮想通貨が流行していますが、ポイントも仮想通貨の一つです。
ポイントを使って、特定の商品やサービスを購入したりすることができますので、利用先は限定されていますが、一定の範囲内においては貨幣と同等の価値基準を持つと言えます。
しかし、現金と大きく違うのは期限と価値に対する担保です。
ポイントには利用期間を限定した期限があるものがあります。期限を過ぎると使えなくなり、消滅するポイントがあります。
貨幣の場合は基本的には期限が来ても価値が消滅するということはありません。
また、ポイントを運営する会社が「ポイント制度は終了します」と宣告すれば、ポイントの価値は消滅します。
現在の所、大手のポイントサービスでそのようなことは起こっていませんが、運営会社の経営状態によっては起こる可能性があります。
日本円の場合、日本銀行が「日本円は終了です」という可能性がゼロではないですが、今のところその可能性は低いと言えます。
ポイントは絶対的ではない
ポイントやクーポンは使い方によっては非常に有用なものであり、支出を抑え、収入を増やすというお金の流れを生み出す手助けもしてくれることでしょう。
しかし、その存在は「絶対的ではない」ということです。もちろん、日本円が絶対的かと言えば、決してそうではありませんが、不確実性が高いのはどちらか?ということです。
一企業または企業の集合体が運営するポイントサービスか、日本銀行が運営する日本銀行券か?
さらに、ポイントの存在目的が「次回、購入の動機付け」であるということを知っておくことは重要です。
例えば、毎日の生活の中で同じコンビニエンスストアを使っている場合は、ポイントをより多く貯めることは有用な手段でしょう。
私の場合は基本的に固定的な購入先が無く、「自分が買いたい店で買う」というスタイルですので、ポイントに依存すると自分の中の購入の選択に支障をきたします。
どのようなライフスタイルがご自身に合っているのか?を考えることが大切です。
一度財布を空にしてみる
「いつも財布がパンパンでいっぱい。」という人は、一度財布を空にしてみるというのがおススメの方法です。
財布の中身をすべて取り出してみると、何年も使っていなかったようなものが出てくるかもしれません。
初回購入時に作って以来、一度も使っていないポイントカードがあるかもしれません。
期限がとっくに切れたクーポン付きレシートが出てくるかもしれません。
どこで買ったか忘れたお守りが出てくるかもしれません。
一度、財布の中身をリセットして、自分にとって本当に必要なものだけを意識して選ぶ。それだけで、財布に対する意識が変わり、結果的にはお金の流れが変わる可能性があります。
自分の意識できる範囲に
財布の中身の整理としておススメなのが「自分が意識できる範囲」に状態を常に整えておくということです。
あなた自身が分かっている範囲の状態に財布の中身を維持するのです。
最も役に立つのは財布を紛失したときです。
財布の中に現金がいくらあり、何枚のクレジットカード・キャッシュカードがあり、入れていた身分証明書は何か?ということがいつでも分かる状態にあれば、紛失や盗難に遭ったとしてもすぐに対応することが可能です。
また、自分が意識できる範囲に財布の状態を維持することで必要以上の消費や浪費が減ります。
無駄遣いをしてしまう一つの要因として、「自分の財布の中身が分かっていない」ということにあります。
財布の中がたくさんのモノや情報で溢れていると、財布の中身が分かりにくくなり、結果的に無駄遣いが増えてしまう。ということです。
財布の中身をスッキリさせる
レジでもらうクーポンやレシートを有効に活用するのも一つの方法です。
ですが、それらを一度手放して「本当に必要か?」と一つ一つについて考えてみることで、ご自身の中でのお金に対する意識が変えてみてはどうでしょうか?
財布の中身がスッキリすれば、必要以上に縛られることが無くなり、あなたのお金の流れが変わるきっかけになるかもしれません。