職場等で、いつも会話が噛み合わなくて悩んだりする事はありませんか?
例えば、自分が一生懸命説明しているのに相手が全く理解してくれなくて、「何であの人は分かってくれないんだろう」なんて思ったりする事はないでしょうか?
他にも、相手が理解できるように話の構成を考えていても、いざ会話が始まるとなぜか話がこじれてしまう事はあったりしないでしょうか?
もし、毎回同じ様な失敗パターンを繰り返してしまう場合、会話のやり方とは別に原因が潜んでいるかもしれません。
会話が噛み合わない原因は何か、そして、どうすれば会話が噛み合うか、解説します。
1.会話がかみ合わない原因とは?
会話が噛み合わない原因の主なものに「インナーチャイルド」があります。
あまり耳馴染のない言葉かもしれません。
「インナーチャイルド」とは幼い頃から大人になるまでに負った心の傷です。
一般的に、以下のような出来事がインナーチャイルドを作るとされています。
・両親に褒められた事がない
・いつも両親に怒られてばかりだった
・両親が言い争う姿を見て育った
・両親からの暴力
・欲しいものを買ってもらえずいつも我慢していた
・両親から無視された
・両親が過保護で好きなようにさせてもらえなかった
特に、両親との関係で傷ついた出来事や想いが満たされなかった出来事がインナーチャイルドとなる事が多いとされます。
ただし、本人が傷ついた、満たされなかったと感じた出来事がインナーチャイルドとなるため個人差があります。
インナーチャイルドの特徴として、いつまで経っても心の奥底に眠ったまま解消されない事が挙げられます。
人は辛い出来事ほど忘れようとします。
それと同じで、深い心の傷を負ったショックを感じなくて済むように、その出来事を封印してしまいます。
ですが、心の傷は癒されずに残ったままなので、これが私たちの人生に大きな影響を与えます。
2.インナーチャイルドがあると会話がかみ合わなくなるのはどうして?
では、「インナーチャイルド」があるとどうして会話が噛み合わなくなるのでしょうか?
それは、他人からの愛情や承認で心の傷を埋めようとするからです。
また、封印していた心の傷が掘り起こされたり、心の傷が広がるのを避けるようになります。
そうなると、他人に好かれるような行動をとるようになります。
そして、他人に拒絶される事を必死に避けようとします。
その結果、以下のような行動が増え、会話が噛み合わなくなるのです。
- 人の顔色を気にする
- 都合のいい事ばかり話す
- 自分の非を認めない
- 自分を否定されたくないがために屁理屈を言う
- 話をすり替えてしまう
- 自分に都合の悪い会話をシャットアウトする
- 人の話を聞かない
- 広い視野で物事を考えられない
- 人の話が理解できない
一番の問題点は、これらの行動を本人が自覚のないまま無意識に行ってしまう事です。
感情的になったり、反応的になったりして冷静に物事を考える事ができない状態になります。
当の本人はこの事に気付いていないため、「私は間違っていない」という前提で会話が進みます。
平常時であれば相手の意見を聞き入れたり、自分が間違っていれば非を認めたり、と難なくできる事でも、この状態になるとできなくなってしまうのです。
そのため、さらに会話が噛み合わなくなってしまいます。
これが、「毎回同じ様な失敗パターンをを繰り返してしまう」理由です。
3.噛み合わない会話をしていないか気付くにはどうしたら良い?
ここまで、会話が噛み合わない原因について触れてきました。
自分自身が噛み合わない会話をしていないか気になる人も多いかもしれません。
最近の会話を振り返ってチェックしてみましょう。
もし、次のいずれかに当てはまった場合、気付かない内に噛み合わない会話をしているかもしれません。
- 相手の言動に身構えてしまう
- 緊張や不安を感じてしまう
- 人と会話をするのが怖い
- 意見を言うのを躊躇してしまう
- 頭が真っ白になる
- パニックになる
- 相手の話を上の空で聞く時がある
- 何も感じなくなる
- 相手の話に集中できない
- 後で何であんな事を言ったんだろうと感じる事がある
自分の状態を知る事が解決への第一歩になります。
4.インナーチャイルドを解消するには?
会話が噛み合わない原因となっているインナーチャイルドを解消するにはどうしたら良いのでしょうか?
おおまかには次の手順でインナーチャイルドを解消する事ができます。
- インナーチャイルドに気付く
- その当時負った心の傷やその当時感じた感情を受け入れて感じる
- 心の傷を肯定する
とは言っても、先程も述べた通りインナーチャイルドは記憶の奥底に封じ込められているため、そこに気付くのはなかなか難しいと言えます。
また、過去に傷ついた辛い経験を思い出す必要があるので、それを受け止める心の余裕やメンタル的な強さが必要です。
それでは、インナーチャイルドを解消する方法、インナーチャイルドに気付く方法を見て行きましょう。
①白光瞑想
瞑想を行うと内面のクリアリングが進むためインナーチャイルドを解消する事ができます。
特に白光瞑想が優れている点は、無理なく自然に改善するところです。
また、今回紹介している他の方法と比べて抵抗が起きにくいと言えます。
方法は椅子に座って目をつぶり、下丹田(へそ下9cmのところ)に白い光の球を置き続けるだけです。
インナーチャイルドの解消を目指すのであれば毎日30分以上続けるのが理想的です。
ただし、ある程度の効果が出るのに何年も掛かるので、他の方法と組み合わせたり、気長にやる事が大切です。
②感情を感じる
インナーチャイルドを解消する上で感情を解消する事を避けて通れません。
また、感情が生まれる背景にはインナーチャイルドの存在があります。
そのため、目に見えている感情を感じ切って解消する事により、その奥にあるインナーチャイルドが見えやすくなる効果があります。
方法は単純で感情を感じるだけです。
最初は「怒り」や「悲しみ」がやりやすいかもしれません。
例えば、腹が立ってきたり、カッとなってしまった時にその状態をキープします。
もし、普段腹が立つ事が少ない場合は過去に腹が立った出来事を思い出して、その時に怒っていた状態を再現します。
そして、怒りを感じている部分があれば感じ続けてみましょう。
例えば、頭に血が上っている感じとか、筋肉が硬直している感じとか、腹の中が煮えたぎっている感じとかです。
その状態を続けていると次第に怒りが抜けて収まってきます。
最後まで怒りを感じきると完了です。
常日頃から無意識的に感情を感じない様にしていると、感情を感じる事が難しいかもしれません。
そんなときは、感情を感じても良いと自分に許可を出したり、感情を受け入れるところから始めましょう。
③過去の辛い出来事を思い出す
過去に起きた辛い出来事にはインナーチャイルドが関わっています。
これらの出来事を思い出す事で、インナーチャイルドに気付きやすくなる効果があります。
特に幼少期における両親との関わりがインナーチャイルドに多大な影響を与えているため、幼少期の辛い出来事が思い出せるとインナーチャイルドに気付く手がかりとなります。
ただし、幼少期の辛い出来事は思い出せない事も多いため、最近感じた辛い出来事から徐々に思い出すのが良いでしょう。
辛い出来事が思い出せたら、何が辛かったのか原因を探ります。
何が辛かったのか、なぜ辛かったのか自分に問いかけましょう。
答えが見つかったら、そこからさらに問いかけてみましょう。
もし、原因を探っている時に感情が出てきた場合はその感情も感じましょう。
ある程度原因が分かってきたら、過去に同じような経験がなかったか思い返してみましょう。
そこで、原体験が思い出されたら、それがインナーチャイルドを生み出した出来事です。
その時の想いを受け入れて肯定できるようになるとインナーチャイルドが解消されます。
5.まとめ
会話が噛み合わない原因が無意識にあること、その背景にインナーチャイルドが関わっていること、そしてインナーチャイルドを解消する方法を解説しました。
ですが、無意識が引き起こす現象だけに、ピンとこない人もいるかもしれません。
もし気になった方は、日常を過ごしてみて時々振り返ってみましょう。
肩肘張らずに自然体で会話ができると、とても楽になりますよ。