「もう知らないからね!」嫌なのに、親と同じような怒鳴り方をしてしまうはなぜ?

「お母さん、もう知らないからね!」
「おいてくよ!」
「どうしてそんなに悪い子なの?!」

子どもに対してイライラがつのると、つい怒鳴ってしまう。

そしてその時の態度や言動が、子どもの頃の自分の親とそっくり、、、

なんてことはありませんか。

そんな自分がいやで、もう怒鳴らないようにしよう、あんなこと言わないようにしよう、と決意するのに、気づけばまた、同じことを繰り返してしまう。

どうして、嫌だ!やめたい!と思っているのに、親と同じような怒り方を繰り返してしまうのでしょうか。

そしてどうしたら、その繰り返しから抜け出していけるのでしょうか。

探っていきたいと思います。

この記事の目次

親と同じような怒鳴り方をしてしまうのはなぜ

親と同じような怒鳴り方をしてしまうのはなぜ

子どもは近くにいる人を真似ながらこの世界で生きるすべを学習していきます。

英語を話す両親なら、自然と英語を話すようになるでしょうし、日本語を話す両親なら、日本語を話すでしょう。

日本語でも、親が関西弁なら関西弁、東北弁なら東北弁で子どもはしゃべるようになるでしょう。

「いただきます」など、こういったシチュエーションではこういう言葉を使う、という学習も山ほどあるでしょう。

同じように、親から怒られたときに、何度も繰り返し同じ言葉を同じ声量やトーンで言われてたり、同じ態度をとられたりしたら、怒るときにはこういうことをするものだ、と心の奥深くに自動的にインプットされていきます。

上の子が下の子に向けて、自分とそっくりな態度や言葉で怒鳴っている、なんてことがよく見かけられるのも、学習したことをそのままアウトプットしているだけなのです。

3つ子の魂百までというように、小さいころに身に着けたことは、心の奥深くにインプットされます。

特に、人は感情的になって発する言葉は、言いやすい、単純な言葉だったりするので、余計子どもの心に印象深くインプットされるものと思われます。

嫌なのに・・・と感じるのはなぜ?

嫌なのに・・・と感じるのはなぜ?

次はなぜ親と同じ言葉や態度で怒鳴ってしまうのが嫌なのか、を考えてみましょう。

一番の理由は、自分に怒鳴られている子どもを見て、同じように怒られていた子どもだったころの自分の気持ちが、よみがえるからではないのか、と予想します。

親に怒鳴られた小さいころの自分はどんな気持ちだったでしょうか。

嬉しかったり、楽しかったり、ポジティブな気持ちではなかったと思います。

きっと、悲しかったり、怖かったり、不安だったりしたのではないでしょうか。

親は自分を愛してないのではないか、嫌いになったのではないか、このまま見捨てられてしまうのではないだろうか、などと、思っている以上の大きなダメージを受けていた可能性もあります。

怒鳴ってしまって後悔するとき、自分が怒鳴ってしまったことにより子どもが受ける心の傷をリアルにイメージしていませんか。

それは自分が受けた心の傷の痛みが、目の前の子どもを通して見せられているからかもしれません。

また、自分の親みたいな親に絶対なりたくない、と思っていたのに、なっている自分に対して嫌悪感を感じるということもあるでしょう。

なぜ自分の親みたいな親になりたくないのか、探っていったときに、やはり、親から受けたと思っている心の傷が関係していると思われます。

心の傷のことをここではインナーチャイルドと呼ぶことにします。

やめようと思ってもやめられないのはなぜ?

やめようと思ってもやめられないのはなぜ?

親と同じような言葉で怒鳴りつけたら子どもの心の傷となってしまう、そう思っていても、怒鳴ることをやめられないのはなぜでしょう。

そういう人は、怒りを感じることはいけないこと、としている人の可能性が高いです。

怒りを感じてはいけないと普段は抑圧している分、怒りのエネルギーは蓄積されていきます。

怒りのボルテージが抑圧の限界を超えたとき、言動や態度が理性的にコントロールできなくなり、心に深くインプットされている自分の親から怒鳴って言われていた言葉が、自動的に口からほとばしってしまう。

そんなからくりが潜んでいるように思います。

また怒りのボルテージが急激に高まるのには、インナーチャイルドも関係します。

例えば、子どもが大声で泣きわめく、という出来事に対し、怒りがコントロールできなくなる、という人は、その時の子どもの感情や言動・態度によって、インナーチャイルドが刺激されている可能性が高いです。

人によってさまざまなインナーチャイルドがあることが考えられますし、また同じ人でも一つの出来事でたくさんのインナーチャイルドが刺激されることもよくあります。

自分が大声で泣きわめいたときに、親から怒鳴られたことで、どうせ私のことなんて大切じゃないんだ、と怒りとともに刻み込まれた心の傷があったとします。

そして目の前の子が泣きわめくことにより、この心の傷が刺激されると、怒りの波立ちが高まります。

また自分が大声で泣きわめいたときに、親から怒鳴られたことで、見捨てられるかもしれない、と怖れとともに刻み込まれた心の傷があったとします。

この心の傷が刺激されると、怖れの感情が高まり、目の前で同じように子どもが泣いていたとしたら、なんとかして泣き止ませないと見捨てられてしまうとパニックになるかもしれません。

またそんな怖れを抱かせる子どもに対し、さらに怒りが湧いてくるということもあります。

このように、言動や態度のコントロールを失うような感情の高ぶりの裏には、様々な要因が隠れています。

またその要因同士が複雑に絡み合っているので、やめようと思ってもやめられないのは当然とも言えるかもしれません。

ではどうしたらやめられる?3つの提案

ではどうしたらやめられる?3つの提案

次から3つの提案をしますが、前述したように色々な要因が複雑に絡み合っているので、それをすぐスッキリさせることは非常に難しいです。

インナーチャイルドや感情の蓄積が少ない方なら可能かもしれませんが、そういう人はそもそも、言動や態度がコントロール不能になるくらいの感情は湧いてこず、穏やかに幸せに暮らしていると思われます。

もし、すぐなんとかしたいのに!という焦りが大きい方は、理想を高く持ちすぎる可能性があるかもしれません。

そういう方は、「理想の母親像に押しつぶされそうな方へ~理想の母親とインナーチャイルドの関係~」の中にある【理想の母親像を手放す5ステップ】をやっていただけるとよいかと思います。

① 怒鳴りそうになったらその場から離れる

怒鳴りそうになったらその場から離れる

これは対処療法的で根本的な解決法ではありませんが、非常に効果的です。

というのも、子どもに対してコントロール不能なほどの怒りが湧いてきているとき、自分がいる空間には怒りのエネルギーで充満しています。

イライラしている人がそばにいると、自分もイライラしてくることはないでしょうか?

それは空間に発散された感情のエネルギーに影響を受けたからです。

子どもも感情的になっているようなら、感情のやりとりのループも形成されています。

その場にい続けることは、冷静になることを難しくさせます。

なので、感情的に怒ることをやめたいとき、手っ取り早い方法は、今いる場所から離れることです。

離れて移動する先の場所が、静かなスッキリした場所であればなお、よいでしょう。

離れた場所で、深呼吸しながら湧いてくる感情をエネルギーとして感じるようにしてみてください。

すると徐々に感情と距離がとれて、落ち着いてくると思います。

② 感情を感じる

感情を感じる

怒りを感じてはいけないと普段は抑圧している分、怒りのエネルギーは蓄積されていくと書きましたが、蓄積されたエネルギーが爆発して理性を失い、嫌なはずの親と同じ怒鳴り方で子どもに怒ってしまう、ということにつながります。

なので、普段から、自分はどんな感情を今感じているのか、意識を向けるようにしてみてください。

日常の小さなイライラのうちに対処できていたら、大きな爆発にはつながらないかもしれません。

赤ちゃんが今何を感じているのか、感じてあげようとするように、自分の感情に寄り添って感じてあげてください。

それだけで、感情は落ち着いてきたりします。

怒鳴るのなんてもうしょっちゅう!という方は、怒鳴る前の感情の高ぶりに気づいて、それを感じてあげるようにしてください。

最初のうちは、感情をエネルギーとしてとらえて、体で感じるようにしてみるとやりやすいかもしれません。

今、感情のエネルギーは体のどこにある?頭?胸?お腹?

その質感は?固い?柔らかい?ゴツゴツしてる?ちくちく?

色はある?温度は?動きは?

そんなふうに、イメージしていくと感情そのものを感じやすくなっていきます。

慣れないうちは難しいかもしれませんが、やり続けるうちに感覚がつかめてくると思います。

③ インナーチャイルドを癒す

インナーチャイルドを癒す

嫌なのに親と同じように怒鳴ってしまう、という裏にはたくさんのインナーチャイルドが影響していると思われます。

一人で冷静でいるときに、怒鳴ってしまったときに出てきていた自分の声を書き出してみましょう。

私はこんなに一生懸命なのに全然わかってもらえない(誰に?)

私はわがまま言えなかったのに、子どもはあんなにわがまま言っていてずるい(なぜわがままを言えなかったの?)

あー、こんな自分だったらがっかりされる(誰に?どうして?)

さらに、( )内のようにつっこみを入れながら、自己理解を深めていってください。

適切に自分のインナーチャイルドを理解できると、軽いインナーチャイルドはそれだけで癒されることがあります。

インナーチャイルドは自力での扱いが難しいうえ、感情の蓄積があると、適切に捉えられないのが特徴なので、まずは焦らず、気長にやってみましょう。

ただ、嫌だけどやめられない、というようなケースには深いインナーチャイルドが関わっていることがほとんどです。

早く癒していきたい、と言う場合には専門家のサポートを受けるのがよいでしょう。

一歩ずつ進んでいこう

一歩ずつ進んでいこう

ここまでお読みいただき、いかがでしたか?

親と同じように怒鳴っては、自分が嫌になり落ち込んで、を繰り返す。そんなループの中にいる方のサポートになればいいな、という思いでこのコラムを書きました。

そういうループにい続けてしまうのは、いろんな要因が絡んでいることを書いてきましたが、一気に全部解決することは無理なので、一歩ずつ着実に進んでいきましょう。

親が自分の内面と向き合う姿勢は、子どもにも影響していきます。

感情を誰のせいにするのでもなく、自分で丁寧に扱っていく、そんな親に育てられた子どもが大きくなった未来は、きっと平和で豊かだと思いませんか。

そんな未来に向けて、まず自分から。

私も子どもを通して自分の内面と向き合う一人です。

もし必要なら私がサポートしますので、お声かけくださいね。

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この記事を書いた人

母と子の心が通い合う日常をサポートする自由人

自らの健康を獲得するために薬剤師になり、古今東西の自然療法も網羅的に勉強した経験から、心の状態を整えることの重要性を学び、それを実践している。
その過程において幼少期から確執のあった両親との関係改善が進むことで、何をやっても満たされない気持ちがなくなり、今ここにある幸せを味わえるようになる。
この体験を多くの人にシェアすることをライフワークとしている。

提供しているもの:バーストラウマとインナーチャイルドを取り扱うヒーリング、感情カウンセリング

2003年に沖縄移住。家族3人暮らし。

HP:https://yagamieiko.com

BLOG:https://ameblo.jp/healing8

Instagram:https://www.instagram.com/yagamieiko/?hl=ja

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