今回は「新しい自分になる、自分を変える方法」について書きます。
多くの人は今の自分ではない新しい自分になりたいと望んでいるのではないでしょうか。
しかし実際には、変わりたいけれど変われない。変わり方が分からない。とも思っています。
新しい自分になることで、人生が変わり、幸せになれる。という希望は持っていても、変わらない現状と変わらない日々にモヤモヤしている。
そんな状態ではないでしょうか?
人は「役割」の中に生きている
人はそれぞれの人生において「役割」の中で生きています。
今回は「役割」を抜け出すことで、新しい自分になれる方法をお伝えします。
「役割」と言われても、よく分からないかもしれません。
例をあげると
- 男とは、女とはこうあるべき。
- 大人はこうあるべき。
- 日本人はこうあるべき。
- 大阪人はこうあるべき。
- 新社会人はこうあるべき。
- アルバイトはこうあるべき。
- 店員はこうあるべき。
- 社会人はこうあるべき。
- 母はこうあるべき。
- 女性はこうあるべき。
- 父はこうあるべき。
- 男性はこうあるべき。
というようにそれぞれの決まった枠の中に『あるべき』という「決まり」のようなものが存在しています。
例えば、40歳、小学生の子供を持つ女性を考えてみます。
朝起きて、朝ご飯を作り、お弁当を作り、夫と子供を送り出して、掃除・洗濯を済ませたら買い物に出て、ママ友とランチ、帰りに夕飯の買い物。夕飯の支度をしながら子供の宿題を見る。。。
日常生活の中での彼女の役割はある程度決まっているのではないでしょうか?
このように一定のスケジュールの中に「役割」が組み込まれています。
また「存在」そのものに役割を持たせている場合もあります。
父親は一家の大黒柱であるから稼がなければならない。
周りの人とうまく過ごすには協調性のある良い子でなければならない。
というように存在自体に「役割」を見出しています。
このように
一人一人が、ある決まった役割の中に生きています。
実はこの「役割」があることにより、人は安心を手に入れています。
不自由という自由
「役割」の中で生きていると聞くと、とても不自由な印象を受けるかもしれません。なにかに「縛られて生きている、自由が奪われている」と思われるかもしれませんが、束縛があることで人は安心や心地よさを得ています。
「役割」の中で生きていれば、周りから批判されることが少なくなり、生きるということについて深く考える必要が無くなります。
例えば母親という役割であれば
あの家のお母さんは「いつもしっかりされていて、こどもさんたちも落ち着いて良いご家庭ですね」という印象を世間や社会に与えることで「いいお母さん」としての自分を『肯定』することが簡単になります。
世間の評価が高いお母さんである。という自分肯定ができるのです。
このように
人はある一定の枠にはめられた「不自由」を得ることで、心理的に「自由」を得ているのです。
しかし、これは本当の意味での「自由」とは程遠いものです。「自分らしく生きる」ということからは遠のいた幻想の中の「自由」なのです。
役割の中に生きるデメリット
「役割」の中に生きることは、「役割」をいかに上手くこなすかということが重要です。
世間や社会からどのような評価を得られるかがポイントになります。
「評価」は自分で決める必要がありません。
お母さんらしく、お父さんらしく、子供らしくあればいいのであって、そこに「自分らしく」は必要ありません。
「役割」としての自分の評価を上げる程に「それが本当の自分である」という錯覚を起こし始めます。
家庭や社会での「お母さんらしくある自分」が本当の自分という自己評価を与えてしまい、だんだんとそこから抜け出せなくなってしまうのです。
よくある例として、子離れ親離れがあります。
こどもが自立するまでは「お母さん」として一生懸命やってきたのに、子供が自立して家を出ていってしまうと自分の居場所が無くなったような喪失感を感じる。それはご自身が持っていた「役割」が強制的に必要とされなくなってしまったからです。
男性であれば退職後に一気に老け込んでしまうという方もいらっしゃいます。仕事をしている現役時代は、家族を養うためにとにかく働くことが自分の役割だと思っていたのが、退職と同時に自分の存在価値を見失ってしまうのです。
役割を手放すメリット
先ほどの事例のように、年齢を重ねることで自分が描いていた自分像「役割」が幻想であったことに気づく人もいますが、そこまで待つ必要はありません。
せっかくですのでこの記事を読んでいただいている『今』のタイミングで「役割」を手放してみてはどうでしょうか?
「役割」を手放すということは、本質的な自分として生きるという意味です。
多くの人は本当の自分を知りません。
それは今まで書いてきたように「役割」の中で生きることを教育されているので、「役割」の中に生きている自分が本当の自分であるかのように錯覚しているからです。
「役割」を手放すことは簡単ではありませんが、その分だけ得られるメリットは大きいです。
自分の意識を変えるだけで自分を変えることができるからです。
手放す恐怖と抵抗
「役割」を手放すというのは、文章として読むだけなら簡単なことですが、実際にやるとなると難しく感じ、恐怖を感じるかもしれません。
それは今まで築き上げてきた「自分像」を失ってしまうと思う自分がいるからです。
「お母さん」という役割の中に生きていた人が「お母さん」の役割を手放す。となると「わたしの存在ってどうなるの?」と不安と恐怖がやってきます。
誰でも、本当の自分だと思っていた自分像を失うことに恐怖を感じます。恐怖の中身は人それぞれです。
・嫌われてしまうのではないか
・仲間外れにされないか
・何もできなくなるのではないか
・誰も認めてくれないのではないか
・怒られるのではないか
・生きていけるのか
・すべてを失うのではないか
「役割」を手放すステップ
恐怖心や抵抗が出てくることは正常です。誰もが自分が変わることを恐いと感じています。
そこで「役割」を手放すためのステップをご紹介します。
それは、「小さく」変えることです。
人によっては人生の転機のように大きく変わるタイミングや大きく変えることを求められることもあります。
しかし、あなたの人生を少しでも良い方向に「自分らしく生きる」という方向性に変えたいのであれば、まずは「小さく」少しずつ変えることにチャレンジしてみてはどうでしょうか?
「お母さん」という役割の中にいる人がいきなり「お母さんをやめる」ということをすれば当然ながら周りに与える影響は大きくなります。
しかし、「お母さん」という役割の中身を分割し、その中の1つ2つを手放してみることは意外と簡単かもしれません。
例えば、家族の中では「朝、一番に起きなければならない」という役割を持っていたとします。
それを「自分が起きたくなってから起きる」に変えてみます。
そうすると想定できる結果がある程度は想像がつくのではないでしょうか?
・誰も起きないでみんな遅刻する
・誰かがいつの間にか先に起きている
・誰かが起こしてくれる 等
そして、実際に役割を手放して「自分の気持ちに素直に従う」ということを実行してみます。
すると、不思議なことに先ほど想定したこととは全く異なる想定外のことが起こることがあります。
その結果から、本当に自分らしい生き方に近づけたような感覚を得られるかもしれません。
手放すことで得られること
まずは小さくでも良いので自分が持っている「役割」を手放してみましょう。
手放すことで「本当の自分」と出会うことができます。そしてその変化に気づいてあげることが大切です。
何かを選ぶときに今までの自分とは違う選択をするかもしれません。
今までは当然のように「黒」を選んでいたのが、「赤」を無意識に選ぶようになるかもしれません。
「役割」としての自分が選んでいるのではなく、本来の自分と繋がった自分が選択しているのであれば、それは大きな変化です。
トラウマが「役割」を固定化
自分が作り上げた「役割」に気づいて、手放すことで「新しい自分になれる」ということをお伝えしてきました。
問題は「役割」の存在にさえ気がつくことができない。ということです。
この記事を読んでいただいている方なら、ご自身に向けられている意識が高い方たちですので「役割」の中に生きている。と言われても納得感があることでしょう。
ところが今まで生きてきた中で築き上げられてきた「トラウマ」がきつい人ほど「役割」としての自分の存在が強固なものとなっています。
「役割を手放すなんてとんでもない!」と自分を変えることが非常に困難になっています。
変わることの無い強固な自己意識を持つことで人生がうまくいく人もいます。
しかし、変えられない自分に苦しみ「変わりたいのに変われない」とうまく前に進めない人もいます。
トラウマを解消する
そこで、最も根本的で簡単なのが「トラウマを解消」するという方法です。
自分の人生における「役割」を固定化し身動きが取れなくなってしまっている状態を緩めることができます。
「トラウマを解消する」ということについては、わたしは専門外ですので他の方のコラムを参照してください。
トラウマを解消できれば、今まで築き上げてきた自分の役割が必要ではなかった、囚われであったことに気づきやすくなります。
その「気づき」を得られることで、今回ご紹介した「役割を手放す」ということへのアプローチが容易になり、「新しい自分になる」ための第一歩が踏み出しやすくなります。
すべては自分が決めている
人は「役割」の中に生きているということを書いてきましたが、その与えられたように感じる「役割」は過去の自分が決めています。
それは、家庭、世間、社会に合わせるため、評価を得るために決めたのかもしれません。
自分自身に「役割」を持たせることで安全な存在を自分に与えてきました。「役割」を与えることで自分を変えてきたのです。
ということは「役割」を手放し、終えることも自分で決めることができます。
人の評価を気にする必要はありません。
自分らしい生き方を「役割を手放す」ことで始めてみてはどうでしょうか?