みなさんは、やる気を上手に管理できていますでしょうか?
資格試験の勉強でも毎日の仕事でも長続きさせるためにはやる気を持続させることが大切だという事は誰もが理解しているところでしょう。
ですが、一度やる気がしなくなってしまうと、もう一度やる気を出そうと思ってもなかなか出ないことが多いのではないでしょうか。
また、やる気がしない状態が続くと、そんな自分自身に対してネガティブな想いが膨らんでしまいがちです。
そうなると、ますます気力が沸かなくなり、くすぶった状態が長く続いてしまいます。
今回は、そんなやる気のしないスパイラルに嵌まってしまった時にどうやって抜け出したらよいかをご紹介します。
1.なぜやる気がしないのか?
やる気がしないのはどうしてでしょうか?
最初にその理由を見ていきましょう。
1-1.やりたくない気持ちが強い
一番分かりやすいところでは「やりたくないから」という理由が挙げられます。
やりたいと思い立った時点で、やりたい気持ちも生まれているのでしょうが、それ以上にやりたくない気持ちが強いため全く行動に移せないと言えます。
特に、頭では「やりたい」と思っているのに、なかなか行動に至らない場合は、心の奥にある「やりたくない」気持ちに目が向いていない可能性が高いでしょう。
1-2.メリットがない
人は多少やりたくない気持ちがあったとしても、やったら莫大なメリットが得られるなら、もしくはもっと厄介な状況になるのなら、たとえ面倒くさくても行動します。
例えば、確定申告を思い浮かべてみてください。
マイホームを持っていたり、ふるさと納税をしていたりすると、申請するだけで税金が控除されたりするのですが、会社員の場合は年末調整という形で会社が代理で行うため無縁の場合がほとんどかもしれません。
そのため、いざ申告書を作成しようとしても面倒に感じる人が多いでしょう。
また、最近はパソコンを操作して申告書を作成するため、パソコンへの苦手意識があると尚更敬遠したくなるかもしれません。
ですが、それをやればメリットになる事がわかっているのなら、どんなに面倒であっても人は行動します。
もしあなたが行動できなかったのであれば、やった事で得られるメリットよりも「面倒くさい」という気持ちのほうが勝っていたという事になります。
つまり、あなた自身があなたがやろうとしている事に対して、さほどメリットを感じていない可能性がある訳です。
1-3.緊急性がない
人は切羽詰まった状況に追い込まれると嫌が応にも動きます。
ですが、いつまでも先延ばしできる状況にあると、言い訳をしてなかなか動こうとしません。
例えば、高校受験を思い浮かべてみてください。
高校3年生になると必死に勉強している人は多いでしょうが、高校に入学したての頃から大学受験に向けて必死に勉強している人はごく僅かでしょう。
まだまだ時間があるから平気、と緊急性を感じていない訳です。
ですが、高校3年生の秋頃になると、受験本番まで時間が残されていない焦りから誰もが必死に勉強します。
あなたがやりたいことに対して、いつまでにやらないといけないのか、それが明確になっている事が重要です。
もし、「いつか叶ったらいい」という楽観的な希望しか持っていないなら、その願いが叶う事は永遠にないでしょう。
2.やる気がしなくても人は行動する
やる気がしない理由をまとめると、最たる理由は「やりたくないから」ではあるものの、そこに「メリット」や「緊急性」があれば乗り越えられると言えます。
例えば、あなたが会社員で現在の仕事に不満を抱えていて転職を思い至ったと仮定します。
ですが、給与が良ければなかなか転職活動に踏み切れないかもしれません。
現在の仕事への不満よりもその仕事から得られる給与の方にメリットを感じていたり、また転職により仕事への不満は解消できても給与が下がってしまうリスクがあるためです。
ですが、今の仕事への不満が膨らみ、辛くて辛くてしょうがないと感じるまで追い込まれてしまうと、たとえ給与が下がってでも構わないから今すぐ仕事から離れたいと感じるようになるでしょう。
そうなれば、今までメリットに感じられていた給与がメリットでなくなるため、すぐにでも転職活動を開始するでしょう。
そこには、辛くて辛くてしょうがない状況を脱したい、というメリットと、今すぐに仕事から離れたい、という緊急性の両方が満たされています。
では、「メリット」と「緊急性」が満たされているかを確認するにはどうすれば良いのでしょうか?
3.メリットと緊急性の有無を確かめる質問
あなたがやりたい事に対して、「いっそのこと辞めてしまったらどうなるか?」を想像してみましょう。
もし、辞めてしまっても何も心が痛まないのであれば、そこにメリットを感じておらず、また、いつまでも達成されなくても問題ない事を意味します。
そういう場合は、そもそも目標設定が誤っているのですから、やる気がしなくて当然です。
自分自身がどうしたいのかを見つめ直す事が先決でしょう。
ですが、辞めてしまってはまずいと感じるのであれば、目標を達成したいというあなたの意志が存在する事になります。
その場合、辞めてしまっては何がどうまずいのかをじっくり考えて紙に書き出しましょう。
次に、書き出した内容についていつまでに達成されないとまずいのかを書き出しましょう。
上手く書き出せたでしょうか?
書き出せた内容について実感が感じられればOKです。
辞めてしまってはまずい理由、いつまでに達成されないとまずいのか、この両方が揃っていれば人は自ずと行動します。
問題となるのは片方しかない場合です。
それぞれのケースでどう対処すれば良いのか見ていきましょう。
4.緊急性はあるけれど、達成するメリットがない場合
緊急性はあるけれど、メリットが感じられない場合はデメリットを疑ってみるところから取り組んでみましょう。
例えば、年末の大掃除は誰しもやらないといけないと分かりつつも面倒に感じている事が大半でしょう。
ですが、実際にやってみると、スッキリ感や達成感を得られたりします。
このように、面倒だと感じている事が実は思い込みだったりしないか疑ってみる訳です。
まずはあなたが達成したい事に対して、面倒だと思う理由を挙げていきます。
大掃除の例であれば、
・疲れる
・他にもやりたい事があるのに、貴重な休日がなくなってしまう
・汚れを見るとげんなりする
・いつまでたっても終わりが見えない
等の理由があったとします。
次に、あなたが面倒だと感じている事のメリットを探しましょう。
大掃除の例であれば、
・疲れる ⇒ 疲れた分ビールが美味しく飲める
・他にもやりたい事があるのに、貴重な休日がなくなってしまう ⇒ 使える時間が減った分時間を大事に扱うようになる
・汚れを見るとげんなりする ⇒ 汚れをキレイにする事で心もスッキリする
・いつまでたっても終わりが見えない ⇒ 自分自身が納得するまで完璧を目指せる
等、何でも良いのであなたがメリットと感じる事を挙げていきます。
面倒だと感じている事の中にもメリットが感じられると、面倒ではなくなっていくため行動に移しやすくなります。
5.緊急性はないけれど、達成するメリットがある場合
このケースがもっともありがちなパターンと言えるでしょう。
この場合、「やる気がしない」という気持ちを乗り越える他ありません。
その方法は2つです。
5-1.なぜ「やりたい」のかを捉えなおす
あなたがやりたい事に対して「なぜそれをやりたいのか」今一度考えてみましょう。
例えば、資格試験を目標にしているのであれば、なぜ資格試験に合格したいのか、資格試験に合格した後あなたはどうなっていたいのかについて、現時点での答えを出しましょう。
やりたいと感じたきっかけが明確になっている人も、その答えが現時点でも実感を感じられるものになっているのか、一度白紙に戻してゼロから考え直してみましょう。
人は一度「やりたい」と思い至って始めた事でも、時間が経つごとに決意が薄まっていきます。
それは、決意した瞬間が「やる気」のピークになるからです。
一度ピークを迎えた「やる気」は下がるしかありません。
そのため、いかに決意した状態を保つかが重要になります。
「やる気がしない」という事は決意が形骸化されて「やる気」が底を突いた状態を指します。
「やる気」を取り戻すには、もう一度決意し直して「やる気」を再燃させるしかありません。
5-2.「やる気がしない」理由を深堀りする
「やる気がしない」状態を乗り越えるには、「やる気がしない」気持ちに蓋をせず、感じきる事が重要です。
ですが、そもそも「やる気がしない」気持ちがかなり漠然としている人がほとんどだと思います。
例えるなら、モヤのようにはっきりとは見えないけれど、なんとなく存在している感じです。
「やる気がしない」気持ちがある、ということは、その裏にはどうしても避けたい何かがあります。
それが何なのかを探っていかない事には「やる気がしない」状態を根幹から変える事はできません。
とはいえ、何を避けたいのかを探るのは容易ではありません。
それはあなたが見たくない事を直視しないといけないからです。
見たくないからこそ、見られたくないからこそ、モヤの様にぼんやりと存在させて、核心に触れないようごまかしているのです。
さらに厄介な事に「やる気がしない」状況にあると、人は毎日を無為に過ごしてしまいます。
ふと気づいたら1日が終わっていた、というパターンです。
逃げたいという気持ちから無意識で行動するため、自分自身の意思が発揮されず、あっという間に1日が終わるのです。
そこから脱出するためには、無意識で行動している事に気づいて一旦立ち止まる必要があります。
スケジュールをやりくりして立ち止まるための時間を確保しましょう。
次に時間が確保できたら、なぜ「やる気がしない」のかを探りましょう。
その際、確保した時間は「やる気がしない」理由を探る以外には使わないよう注意しましょう。
「やる気がしない」理由が出てきたらそれに「なぜ」と問いかけ続けます。
例えば、就職活動しないといけないけど「やる気がしない」と感じている場合、なぜ就職活動をやる気がないのか自分自身に問いかけます。
そこで、「失敗するのが怖いから」という理由が出たのなら、さらに「なぜ失敗が怖いのか?」と問いかけます。
もし、なかなか答えが出ないようであれば「どんな失敗なのか?」「失敗してしまったらどうなるのか?」「失敗を怖れることで何を避けたいのか?」等、別の角度から問いかけましょう。
それを繰り返していき「やる気がしない」気持ちの根幹にある想いを探ります。
途中、怒りや悲しみや恐れなど、様々な感情も沸いて出てくると思います。
それらに蓋をせず、できるだけ感じて受け入れていきましょう。
「やる気がしない」気持ちの根幹にある想いや感情が受け入れられたら、「やる気がしない」気持ちも自然と霧散していきます。
無意識に流されず、「やりたくない」気持ちに向き合う事が重要になります。
6.最後に
やる気のしないスパイラルに嵌まってしまった時の対処法をご紹介してきました。
やる気のしないスパイラルに嵌ってしまうと、最悪な人生を歩んでしまったと一見悲観しがちです。
しかし、これは生き方を見直すチャンスでもあります。
あなたが無理をし続けたり、見たくないものを避け続けてきたツケが廻ってきたために起きた現象だからです。
これ以上はその無理に体が耐えられないというメッセージでもあります。
それにきちんと向き合って乗り越えることができれば、あなたの人生の推進力になってくれます。