子どもを感情のままに怒ってしまう、という人はかなりいるように思います。
怒りのコントロールに関するWeb情報、本や講座などがよく目に入ってくるのも必要とする人が多いからでしょう。
核家族化が進み、子どもと母親との関係がますます密になっている現在、それも仕方ないのかもしれません。
しかし、子どもが自己肯定感が高いままで幸せに育つためには、感情のままに怒ることはできる限り避けた方がよいと思われます。
そうはいっても、トライしたことある方はおわかりでしょうが、感情的に怒ることをやめることは、実はとても難しいのです。
そこで、今回は、「子どもを感情的に怒ってしまう」から根本的に抜け出す方法をお伝えしたいと思います。
子どもを感情的に怒るメリット・デメリット
本題に入る前に、子どもを感情的に怒るメリット・デメリットを見ていきましょう。
子どもを感情的に怒るメリットなんてあるの?と疑問に思われる方もいるかもしれません。
しかし、やめようと思ってもやめられない行動がある場合、その行動をするメリットを無意識に感じているから、という説があります。
例えば、痩せようと思ってもチョコレートを食べることをやめられない場合、チョコレートを食べることで感じる幸福感にメリットを感じているとも言えます。
子どもを感情的に怒ること対し、無意識にでも、デメリットよりも大きなメリットを感じていたら、そこから抜け出そうと本気で思えないかもしれません。
そこで、子どもを感情的に怒ることに対するあなたなりのメリット・デメリットを書き出してみましょう。
思いつかない場合は、実感がなくても構わないので、メリット・デメリットを同じ数だけ出してみてください。
子どもを感情的に怒るメリットの例:
① 感情的に怒ることで、たまった感情を吐き出せる
② 感情的に怒ると、子どもが言うことを聞いてくれる
③ 感情的に怒ると、子どもが委縮するので、優越感に浸れる
子どもを感情的に怒るデメリットの例:
① 感情的に怒ると、後で後悔して、落ち込む
② 感情的に怒ると、子どもがびくびくして、人の顔色を伺うようになる
③ 感情的に怒ると、子どもの自己肯定感が下がる
感情的に怒ることに対するデメリットの方が大きく感じたら、感情的に怒ることを止めよう、と心から決めてください。
決意の深さの分だけ、一歩を踏み出しやすくなります。
感情を抑えても意味がない?
さて、感情的に怒ることをやめようと思うときに、多くの人がやりがちなのが、怒りの感情を抑えようとすることでしょう。
イラッときても、イラっとなった出来事を考えないようにしたり、他のことで気を紛らわせようとしたりします。
丁寧な言葉遣いを選ぶなど、イライラが行動に影響しないように気を付けるかもしれません。
しかし、その裏では、抑えた怒りの感情はどんどん膨らんでいきます。
そして、膨らんだ怒りの感情は、ほんの些細なことからでも風船のように爆発し、コントロールが効かなくなるのです。
感情を抑えても、感情のままに怒ることから根本的に抜け出すことはできません。
どうして怒りの感情が出てくるの?
怒りの感情なんてなくしてしまいたい!なんでなくならないの?、と考えることもあるでしょう。
怒りにまかせた行動により失敗したことが幾度もあるなら、そう考えるのも当然です。
怒りにまかせて子どもに怒鳴った後、泣きじゃくって寝てしまった子どもの寝顔を見ながら、(もう二度と怒らないからね)と固く誓ったこともあったかもしれません。
でも、やっぱり怒りの感情はいつの間にか日常に忍び寄ってきます。
怒りは、安全が脅かされたときに身を守るために出てくる反撃態勢とも言えます。
小さい子どもは自分の欲求が満たされなかったときに、自分が否定された、として怒りの感情を爆発させることはよくあります。
しかし、怒っててもすぐ忘れる、など、怒りの感情は短時間で離れていくことが多いです。
なぜなら、小さな子どもほど感情の流れがスムーズだからです。
しかし大抵の場合、幼いころから親や身近な人から怒りの感情を出すことを嫌がられます。
すると怒りの感情の流れはどんどん滞っていき、怒りの感情のエネルギーは心の中に蓄積していきます。
更に、親や身近な人の怒りの感情の表現の仕方、怒りの感情に影響を受けた行動の仕方を無意識に学んでいきます。
子どもに感情的に怒ってしまう時、怒りの感情はないところから突然出てくるのではなく、もともと心の中に蓄積しているものが大きく揺れるのです。
むしろ、蓄積した怒りの感情は、定期的に表に出る機会をうかがっているとも言えるでしょう。
まるで、マグマのように。
行動や言動に影響が出るほど大きく感情が揺れるプロセスを理解しよう
怒りの感情が出てくるのは、もともと心の中にある蓄積した怒りの感情エネルギーが揺れるから、と説明しました。
ではこの怒りの感情を揺らすものは何なのでしょうか。
誰でも、怒りが出てきやすいパターンがあるものです。
特に子育て中は、子どもが自分の言うことをきかないときに怒りが出やすいかもしれません。
言うことをきかない中でも、特に時間を守らない時に出やすいとか、食事中に出やすいとかもあるかもしれません。
親が自分に対し感情的に怒っていたことと同じようなことで、自分の子どもに怒ってしまうパターンも多いでしょう。。
親に怒りを買わないように、自分はしないように気を付けていたことを子どもがしていると、怒りが出てくるパターンもありがちです。
自分の親との関係性で生じた感情と心の傷は、インナーチャイルドとなって心の奥深くに刻み込まれます。
そして人生全般において怒りの感情を揺らす要因となり、怒りが出てきやすいパターンを方向付けるのです。
子育ては自分の子ども時代を容易に彷彿させるので、インナーチャイルドが頻繁に刺激されます。
刺激されたインナーチャイルドは蓄積した怒りの感情エネルギーを大きく揺らします。
インナーチャイルドが刺激されて感情を揺らす場合、感情が根底から揺れるので、行動や言動が暴走してしまうような影響が出やすくなります。
「子どもを感情的に怒ってしまう」ことから根本的に抜け出す方法とは
「子どもを感情的に怒ってしまう」ことから根本的に抜け出すには、最低限、蓄積した怒りの感情エネルギーとインナーチャイルドを取り扱う必要があります。
蓄積した感情エネルギーとインナーチャイルドは適切な手段をとればクリアリングすることができます。
ここでは、一歩を踏み出す、ということで、まず「気づく」ということから始めていきましょう。
怒りの感情エネルギーに気づく
コントロール不能なくらい感情的になることがあるなら、蓄積した怒りの感情エネルギーは相当大きいと考えてよいでしょう。
この怒りのエネルギーは、自分で「イライラしてるな」と気づく前から、揺れている場合がほとんどです。
小さい感情の揺れのうちから気づいていけば、コントロール不能なまでの揺れにはなりにくいのです。
ということで、「今の自分の怒りの感情はどのくらい揺れている?」と常にチェックするようにしてみてください。
もう一歩進むと、もし怒りの感情が揺れているとしたら、「今の怒りはどんな感じ?」と怒りの感覚に意識を向けてみましょう。
怒りの感情エネルギーは体のどの辺にある感じがするのか?
最初は怒りの感情エネルギーの感覚をつかもうとするのは難しいかもしれません。
以下の問いを参考に、自分に問いかけてみるとつかみやすいと思います。
今の怒りの感情エネルギーに温度があるとすれば熱いのか、冷たいのか、人肌くらいなのか?
色があるとすれば何色か?
質感は?モヤモヤしてるとか、ドロドロしてるとか?
重さはある?
もう二歩進むと、もし怒りの感情エネルギーの感覚を捉えられたら、その感覚をずっと感じ続けます。
すると、蓄積した怒りの感情エネルギーが少しずつキレイになっていきます。
インナーチャイルドに気づく
インナーチャイルドは、子どもに対して怒りが出てくるパターンの裏にあることが多いです。
まずこんな時によく子どもを感情的に怒ってしまう、というパターンを見つけましょう。
そして、自分が小さいころに、同じようなパターンで親に怒られていなかったか、もしくは、怒られないように気を付けていなかったか、意識を向けてください。
もし何か思い当たることがあったら、小さいころの自分はその時どんな気持ちがしていたのか、何を感じていたのか、寄り添ってあげるように思い出してみてください。
うまくいくと、インナーチャイルドが癒されるでしょう。
効率的に進んでいくには専門家のサポートがおススメ
蓄積した怒りの感情エネルギーもインナーチャイルドも目に見えないもので、影響を受けているのが当たり前になっているため、自分一人で根本解消まで取り扱おうとすると非常に難しいのが現状です。
また子どもが手元にいるうちになんとかしたいと思われるなら、スピード感も重要です。
おススメは、専門家のサポートを受けること。
私自身は約12年前から、親子関係の悩みに寄り添うセッションをしてきました。
感情やインナーチャイルドを取り扱うサポートをさせていただいているので興味ある方はお問い合わせください。
まとめ
子どもを感情的に怒ることをやめることは難しいかもしれません。
本気でやめようと決意できた時、自分の人生が変わるくらいの気づきや学びが得られるでしょう。
親は子どものためになら、本気で頑張ろうと思えることも多いものです。
そういう意味では、子どもは親をサポートするために生まれてくるのかもしれません。
怒りの感情エネルギーが落ち着いてくると、怒りを誰かのせいにすることが減ってきます。
すると、家庭が平和になってきます。
世の中がそんな平和な家庭ばかりなら、争いも起きなくなるのでしょう。
世界平和のためにも、感情的に怒ってしまうことから抜け出す一歩を勇気をもって踏み出してみてください。