多くの人が幸せになりたいと思っていますが、世の中、総じてあまりうまくいっているようには思えません。
街中では多くの人が、なんとなく不機嫌な感じ、笑顔の少なさ、余裕なくせかせかしている様子です。
日々、仕事に、家庭に、やるべきことがたくさんあって、まるで追い立てられるような感じで、あっという間に1日が終わってしまう。
自然の美しさに心を奪われ、時間を忘れてゆったりのんびり過ごしたのは、いったいいつのことだったやら。。
そもそも幸せになることって、そんなにむずかしいことなのでしょうか?
社会や周りの状況が厳しいものだとしたら、個人のできることには限界があって、みんなが幸せになることなどかなわないのでしょうか?
いいえ、どちらも私はそう思いません。
『サラとソロモン』という物語があります。
エスター・ヒックスがチャネリングする集合意識エイブラハムからの情報をもとに書かれた本です。
日本では、2005年の第一次引き寄せブームの時に出版されました。
少女サラが、賢いふくろうのソロモンから幸せに生きる知恵を教わる物語です。
当時私は数ある引き寄せの本と思い、物語ということもあってさっと読んで済ませてしまったのですが、なぜか惹かれるものがあり数年に一度は読み返していました。
そして、最近あるきっかけでまた読んでみて、この本の内容がとても深遠で、単なる引き寄せというより、むしろ幸せになるための絶対的な法則であることに気付きました。
わかっているつもりなんだけど、自分の身に起きるとつい囚われてしまう罠に気づかせてくれ、読むたび発見のあるとても奥が深い本です。
この記事ではそんな『サラとソロモン』から学んだ幸せに生きる知恵をまとめてみました。
1.多くの人が知らずに実践している不幸の方程式
冒頭に書いたように、幸せになることは必ずしも簡単でないと思われがちです。
なにがあっても幸せに生きる方法を説明する前に、なぜ幸せを望みながら不幸になってしまうのか、そのカラクリについて説明したいと思います。
(1)前提となる思い・思い込み
まず、不幸の方程式が成り立つには、前提となる思い(思い込み)があります。
ほとんどの人は、「よい人間になりたい」と考えています。そして、「正しくありたい」と思っています。
親から、よい人間、正しい人間になりなさいと言われた人もいるでしょう。
そうしたら、成功する、人から愛される、幸せになれると思っているのかもしれません。
でも、これ自体は問題なさそうに思えますよね。
同時に、ほとんどの人は「自分の周りの状況が整ったら幸せになれる」と考えています。
これも今の世の中では、「当たり前」の考え方です。
そうやって、よい人間になり、周りの状況をよくするために一生懸命に生きています。
(2)不幸の鉄板ストーリー
多くの人は、このように2つの考え方に基づいて、何がよいことなのかを決めるため、周りを見渡して、他の人々の生き方を観察しています。
そして、周囲の状況を眺めて、その状況の中に良いことだと思えることと、悪いことだと思えることの両方を見ています。
けれど、その時、ほとんどの人は自分がどう感じているかについて意識していません。
その代わりに、自分がいい人間になりたいという気持ちから、悪いことを探し出しては、もっぱらそれを遠ざけようとしています。
相手を変えようとしたり、自分により相応しい人や場所を探そうとしたりしているということです。
その時、「自分が注意を向けて感じているものと同じ波動になる」という法則が働きます。【波動共鳴の法則】
この法則によって、自分が望んでいないものと、自分が、同じ状態になってしまうのです。
その状態を、本では「苦しみの鎖につながる」と表現しています。
また、これは自分だけでなく、社会をよくしたいという思いを持つ人にも当てはまるでしょう。
そういう人は、社会に存在する不正や、とても許されないようなひどいことに目がいきがちだからです。
「苦しみの鎖」につながった人は、外側の状況次第で感情をかき立てられ振り回され、自分を無力に感じるので、がっかりし、不幸せな状態になってしまうのです。
2.幸せにシフトチェンジするための5ステップ
こうしてみると、幸せになりたいという気持ちがまさに不幸の原因となっているわけです。
なんとも皮肉なものですよね。
しかし、それから脱出するシンプルな方法があります。以下に、5つのステップで説明しますね。(書中では①を1ステップと数えず、4ステップとしています)
①自分が感じていることに意識を向ける
まず、どんな時でも自分が感じていることに意識を向けます。
感情に飲み込まれているとき、また、それ以外でも、多くの人は自分が感じていることをちゃんと意識していません。
無意識的に感じていることの雰囲気に流されるまま、思考したり、言葉を発したり、行動しているのです。
そうではなく、うれしいのか、悲しいのか、怒っているのか、観察している対象に心を奪われることなく、ちゃんと意識します。
②自分が欲しくないものが何かを認める
望んでいないものを見ているとき、あなたはどんな気持ちがするでしょうか。
弱いものいじめの現場を見たとき、乱暴な運転の自転車にぶつかられそうになったとき。
いやーな気持ちになりますよね。
そのネガティブな気持ちが、自分がそれを望んでいないことを教えてくれます。
「あぁ自分はこれを望んでいないんだな」と確認する感じです。
③自分が欲しいものが何かを決める
望んでいないことが確認できたら、今度は、自分が望んでいるものが何かをはっきりさせます。
簡単にいえば、病気がいやだったら健康、貧しいのがいやなら豊かさを望んでいることがわかりますね。
漠然とした望みや願いでなく、自分が望まないものとして注意を向けている(エネルギーを注いでいる)ものの対極であることが重要なのです。
④自分の欲しいものがどんな感じがするかという実感を見つけること
望んでいるものを決めるというのは、単に自分はこれが欲しいと考えたり、あるいは願ったりするだけでは不十分です。
自分の感じ方を変えるまでは、実際に何も変えたことにならないからです。
言い換えれば、自分の状態が、自分が望んでいるものと同じ波動になることが必要です。
簡単にいうと、(望んでいるものが実現したら感じるような)いい気持ちになるということです。
そのために、自分が望んでいるものについて考えたり話したり、手に入れたつもりになったり、過去にそれを持っていたときのことを思い出す、などするとよいでしょう。
⑤欲しいものが手に入る
そうすることで、自分を望まないものにつなぎ止めていた、「苦しみの鎖」から抜け出ることができます。
そして、新しい自分の波動に応じたものが引き寄せられるのです。【引き寄せの法則】
これがいわゆる「引き寄せの法則」ということですが、肝心なのはまずいい気持ちになること、気持ちが先行することですね。
3.「そうはいっても」という反論はもっともです
とはいえ、目の前に現実の問題(に見えていること)があるのに、それを放置して、いい気持ちになんかなれない、と思うかもしれません。
また、引き寄せの法則が流行った時にやってみたけどうまくいかなかった、今さらと思う人もいるでしょう。
さらには、なるほどそうかもと思ってやってはみるけど、実際やってみてもいい気持ちになるのがむずかしいと思うかもしれません。
望みがかなったようにと言われても、現実はそうなっていないわけだし、腹が立つ相手はそのまままだし。
というわけで、行き詰まってしまうことが多いのかもしれません。
どれも気持ちはわかります。
けれど、今やっているやり方が鉄板の不幸のストーリーなのは、上で述べたとおりです。
うまくいっていない方法で同じことをしていたら、同じ結果になるのはあきらかでしょう。
もちろん違うやり方(引き寄せの法則)をしても、すぐにはうまくいかないかもしれません。
しかし、それはさんざん試したけど、うまくいかない今までの方法とは違います。
理解不足やちょっとしたやり方の違いなどで、結果に結びついていないのかもしれません。
(望む方向に)感じ方を変えるということは、今まで囚われていた思考の枠を飛び越えて波動を高めることに他なりません。
ということで、引き続き後編では、この考え方が有効であり妥当な考えである根拠と、より詳しい実践方法について書いてみます。
4.まとめ
前編では、誰もがはまりがちな不幸になってしまう方程式を説明し、幸せにシフトチェンジする5ステップを説明しました。
実行するのはなかなかと思う人もいると思いますが、同じことをしていては幸せは遠のくばかりということもまた真実ではないでしょうか。
後編では、ソロモンの考え方の背景を説明し、具体例を交えて、実践する上でのポイントを述べてみたいと思います。
この方法はとてもパワフルで、自分の力を取り戻し、自由な感覚をもたらしてくれる手法です。
ただし、コツがわからないとつまずいてしまい、あきらめてしまいがちでもあります。
後編の具体例も参考にコツコツ取り組んでみてください。
以上