以前の記事で
「小麦抜き(グルテンフリー)」生活を始めました
という記事を書きました。
「グルテンフリー」というのは、グルテンを含む食品、加工品、料理を食べない。という食生活を日常の中で実践することですが、「グルテン」を摂取しないというのでは分かりにくいので、私の場合はシンプルに「小麦粉を使ったものは食べない」ということを食生活に取り入れています。
より良い身体の状態、自分にとってより最適な身体の状態を目指したいという希望からグルテンフリーを始めたきっかけを以前の記事では書きました。
今回は2018年5月から始めたグルテンフリー生活を継続してちょうど1年を迎えることができましたので、わたし自身の成果と変化について書いてみたいと思います。
- グルテンフリーに興味はあるけどできるのかな?
- グルテンフリーをやったら実際にはどうなるの?
- 小麦粉を使わないで食べるものはあるの?
そんな疑問にお応えできる記事になればと思っています。
そもそもグルテンとは?
Wikipedia(ウィキペディア)でグルテンを調べると
グルテン (gluten) あるいは麩質(ふしつ)は、小麦、ライ麦などの穀物の胚乳から生成されるタンパク質の一種でグルテニンとグリアジンが水を吸収して網目状につながったもの。麺類やパンなど、小麦加工品を作る上で弾性や柔軟性を決定し、膨張を助ける重要な要素となっている。
またグルテンは食物アレルギーの原因となるタンパク質でもある。日本では小麦の使用は食品表示義務があるが、グルテンの有無には法的表示義務はない。
という解説があります。
パンやうどんを食べると得られる「もちもち感」(食感)はグルテンの代表的な特長とも言えます。小麦に含まれるたんぱく質を水でこねることでグルテンが作られ、パンやうどんの粘りや弾力になっています。
グルテンフリーと小麦アレルギー
グルテンフリーは小麦アレルギーとは異なります。
小麦アレルギーの場合は小麦を食べることで発疹がある等、症状は個々で様々にあるでしょうが、アレルギー症状が出るので医師の指導の下に治療をされていることでしょう。
グルテンフリーは日常的にイライラしやすい、肩凝りや腰痛、疲労を感じている。そんな方がグルテンの入った食品を摂取しないことで症状を改善させるための取り組みです。
私の個人的な経験と感覚ですが、グルテンフリーしているからと言って劇的な効果や効能があるかと言えば、そうでもありません。
人によって得られる効果は様々だとは思います。
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グルテンフリーが最も手軽で魅力的なのは、実践するにあたりお金がかからないということです。
場合によっては、日常的に使うお金の節約にもなります。
グルテンフリーの実践は単純に「小麦粉を使った食品を食べない」というだけで実践できます。ですので、基本的には自分自身が「食べるモノに意識を向ける」ということで実践できるのがグルテンフリーの特長です。
なにかサプリメントを買って飲む。特殊な道具や食品を買う。そんな必要はありません。
単純に小麦粉を使った食品を買わず、食べない。それだけで実践できてしまうので、非常に手軽で簡単に日常に取り入れることができるのではないでしょうか。
ただ、現代社会においてはあまりにも小麦粉を使った食品が多いのがグルテンフリー実践の際の問題点としてあげられます。
効果を確認するには2週間
人によって効果を実感できる期間は異なると思いますが、おススメは「まずは2週間」です。
2週間だけは小麦粉を一切絶つ生活をしてみてください。2週間実践してみれば体調の変化、身体的変化、そして何よりもお腹の調子が大きく変わる可能性が高い期間です。
また、2週間続けることできれば自然とご自身の習慣にも変化が訪れます。
例えば今までは「朝ご飯は絶対にパン」と思っていた人が、パンを食べない2週間を過ごしてみます。すると、
「朝ご飯は絶対にパン」と思い込んでいたな。
というように、自分自身の意識に変化が生じていることに気づくことができるようになるでしょう。
1年間グルテンフリーを実践したわたしの変化
私自身は、グルテンフリーを実践してからちょうど1年が経過しました。
今振り返ってみると一年前まで習慣的に続けていた食生活にまったく現実味を感じない、別世界のことにようにさえ思ってしまいます。
1年前までのわたしの食生活は、今振り返ってみると「小麦粉」を中心に構成されていました。
<朝食>ほぼ必ず「パン」。朝食用のパンが無いと不安になり必ず買って帰る
<昼食>主に麺類。うどんやラーメン、パスタなどのランチセット
<夕食>日によって様々。朝から3食続けて小麦粉を使った食事のことも
3食すべての食事において小麦粉を抜いた食事を貫き通すということは、今までの食習慣から考えると非常にハードルが高いように思っていましたが、やってみると意外と簡単です。
食事の中心は「米粉」
日本には「お米」という非常に優れた食材、そして和食という食文化があります。どちらも小麦粉を使わずに調理ができるレパートリーを多く持っていますので、グルテンフリーを実践するには力強いサポートになってくれる存在でした。
特に私が多用したのが「米粉」です。
「米粉」というのはその名称通り「お米の粉」で、見た目は小麦粉とほとんど変わりません。Amazonで調べてみてもたくさんの種類の米粉が販売されているのが分かります。
価格は小麦粉と比較すると多少は高くはなっていますが、特別高いというわけではなく一袋「300円/500g」程度で買えるものが多くなっています。
米粉を使えば、米粉のパンケーキ、食パン、蒸しパンといったパン類。
天ぷらや唐揚げのような揚げ物。
お好み焼きの材料としても小麦粉の代用に使うことができます。
このように自宅で料理をする分には小麦粉の代用品を使って調理をしたり、小麦粉を使わない料理を手軽に作ることができますが、外食となるとそう簡単にはいきません。
困るのは外食の選択肢が少ないこと
私はグルテンフリーを始めた頃くらいから大型のショッピングモールの中の店舗で仕事をするようになりました。(今は辞めています)
飲食店が多数あるショッピングモールでしたが、小麦粉を使っていない料理を提供しているお店はほとんどありませんでした。
であれば、お弁当を作って持って行けばよかったのですが、お弁当をゆっくりと食べる場所もなかったので、いつも少ない選択肢の中から同じようなメニューばかりを食べていました。
また、いつも一人で外食をする。という方であれば問題は無いかもしれませんが、私は仕事上、誰かと一緒にランチを食べる。という機会が非常に多くありました。
「ランチ、どこ食べに行く?」という質問に対して「どこでもいいですよ」と答えてしまうと、グルテンフリーを継続できないお店に連れて行かれてしまいます。
実際、日本の外食では小麦粉を使わない料理を提供しているお店。というのは非常に少ない印象を持ちます。
例えばランチに、うどん・そば、ラーメンといった麺類のお店。イタリアン、お好み焼き、天ぷらといった粉ものを中心とした料理のお店に連れて行かれてしまうと、メニューの選択肢がほぼ無くなってしまいます。食べるモノが無い。という状態です。
そうなると、一緒に行った人たちと気まずい思いをしなければならないために、本意ではないけれど無理をして小麦粉を使ったメニューを食べる。ということになり、グルテンフリーを続けたくても続けられない。という事態になってしまいます。
また、無理をして小麦粉を使った料理を食べると後ほど書きますが、私自身は身体に重い負担がかかってくるようになりました。
自分の意思を伝える
私がグルテンフリーを続けることでもっとも良かったなと思うのは自分の意志を誰であろうとしっかりと伝えることができるようになったことです。
「ランチ、どこ食べに行く?」と聞かれた時に「小麦粉を使っていない料理が食べられる店に」というように、自分の好みや意志をしっかりと伝えられるようになりました。
逆に言うと、自分がグルテンフリーを実践していることを伝えないと、先ほどのようにメニューの選択肢が無い店に連れて行かれてしまいます。
今までは、自分自身にランチを選択する際の基準や意志が無かったので聞かれたとしても「どこでも良いですよ、お任せします」と伝えていました。
また、自分の意志を相手に伝えないで相手に任せる、周りに合わせる方がモノゴトがスムーズに進むと思い込んでいたようなところもありました。
キャラ立ちするグルテンフリー
実際にグルテンフリーを実践し、実践していることを相手に伝えることで私というキャラクターに一つの特長、個性が生まれます。
「この人は、グルテンフリーの人」という特長です。
海外では実践者も多く一般化しているのかもしれませんが、今の日本では、まだまだ特異なキャラクターなのではないでしょうか?
- 彼とご飯に行くときは、小麦粉を使っていないお店に連れて行ってやらないといけない
- 差し入れ、お土産を渡すときは、小麦粉を使っていないお菓子を選ばないなといけない
というように、グルテンフリーを中心にして一つの個性や特長が生まれ、相手に印象付けられます。わたしの感覚ではかなり印象度の高い個性として確立されているように思います。
グルテンフリーで変わったこと
グルテンフリーを実践することで、先ほど書いたような人間関係に大きな変化がありましたが、最後に私自身の変化についても書いておきたいと思います。
一つは何よりも体調が良くなったということです。
今まで体調が悪い時には、便秘と下痢を繰り返すような体質で、疲れやすい、夜の寝つきが悪い、落ち着かないといったことが多々ありました。
お腹の調子はグルテンフリーを始めた頃からすぐに変化を感じることができました。
精神的な安定も手に入れられたように思います。例えば瞑想をしていても、以前は30分の瞑想も苦痛に感じて継続することができなかったのですが、今では毎日の1時間瞑想も落ち着いてできるようになっています。
しかしながら、良くなったことというのは自分では実感しにくいものです。
例えば健康な人は健康であることの認識が難しく、体調を崩したときに初めて健康のありがたさを感じたりします。
私の場合も、誤って小麦粉を使った食品を食べてしまったときに体調が悪化し、初めてグルテンフリーによって変化した自分の身体を感じることができました。
小麦粉を使った料理・食品を食べてしまうと
グルテンフリーを実践して10ヶ月くらい経過した頃です。ランチに韓国料理を食べに行きました。石焼ビビンバの定食を頼んだのですが、少し暗めの照明の店ということもあってか、私は無意識に定食についていた「チヂミ」を一切れ食べてしまったのです。
食べてから「これは。。。もしかして」と思った時には既に遅く、チヂミはお腹の中へと入った後のことでした。
果たしてチヂミが悪かったのか、それともお店の韓国料理自体が合わなかったのか、原因は分かりませんが自宅への帰り道で歩くのも辛くなるような腹痛になり、冷や汗をかきながらなんとか自宅まで辿り着いたという有り様でした。そして、自宅に帰ると身体の中のものを一気に押し出すような下痢に襲われ、ある意味では体内の浄化が行われましたが、非常に苦しく辛い思いをしたことが思い出されます。
また、別の機会では、朝食を食べた後の午前中に「ぼーっ」として風邪をひいたときのような症状で頭が働かない日が続きました。
後から振り返ってみるとグルテンフリーと思い込んで食べていたシリアルに小麦粉が使われていたことが分かり、そのシリアルを食べることを止めると症状は無くなりました。
花粉症の症状が改善
私自身にとって何よりも大きな変化を感じることができたのは、グルテンフリー開始から8ヶ月くらいが経過した2019年2月頃からのことです。
私は20年以上にわたって「花粉症」の症状に毎年悩まされていました。天気予報に花粉症の飛散予報が出始める時期には、くしゃみ・鼻水・目のかゆみ・頭痛が出始め、耳鼻咽喉科で薬をもらって服薬を継続しないと症状が治まらない状態でした。
薬を飲まずに新幹線に乗っていると電車が駅について通路のドアが開くたびにくしゃみが止まらなくなる。
お風呂に入ると、目のかゆみが抑えきれないくらいで目を真っ赤にして過ごしていたものです。
ところが今年は花粉症の症状がほとんど出ることなく、いつの間にか花粉症の季節が終わっていました。
朝方に多少のくしゃみはありましたが、止まらないほどということは無く、当然ながら病院へ行くこともありません。
服薬をしなくても、マスクをしなくても毎日を過ごせるようになっていたのです。
この時初めて「日々の積み重ねってスゴイことなんだな~」と実感しました。
グルテンフリーが実際のところ、どのくらい花粉症に影響を与えていたのかは分かりませんが、私個人の実感としては花粉症の症状改善に大きな貢献をしてくれているのは確かです。
食べることの楽しみの多くが無くなりますが
グルテンフリーを実践していくことで多くの人に言われるのが「食べる楽しみのほとんどが無くなる」ということです。
小麦粉を使った食品や料理で思い浮かぶのは
- ラーメン、うどん、パスタ等の麺類
- 唐揚げ、コロッケ、天ぷら等の揚げ物類
- お好み焼き、焼きそば等の粉もの
- パン、パンケーキ、ピザ等のパン類
- ケーキ、クッキー等のお菓子類
とにかくいろんなところに小麦粉は使われています。
これらを全部やめるとなると、自分が生きている楽しみのほとんどを奪われたような気持ちにもなるかもしれません。
しかし、私自身はこれらを人生から失ったとしても、それ以上に得られるものがあるという確信をこの一年間で得ることができました。
長い人生の中のたった1年の実践ではありますが、これからもずっと続けていくことができればなと思っています。