平成28年の国税庁が発表している日本の平均年収は約420万円となっています。という事は年収が1桁あがる、つまり1,000万円を超えると平均からみればかなり余裕ある生活ができそうではないでしょうか?当然、貯金だってかなりできそうですよね。
しかし、平均年収以上、特にちょっと超えている程度ではなく、かなり超えている人の中でも一定数の人は預金としての資産がない人がいるといわれています。そして、そんな人の中にはそれが悩みや不安の一つになっているようです。自分の資産状態に不安を感じ何らかの打開策を求めてファイナンシャルプランナーに相談に行くなんていう記事をよくみかけますし、私も仕事柄、表現は異なるものの趣旨としては同様の相談を受ける事があります。どうして、貯金できないのでしょうか。何かおかしいですよね。
平均年収以上に至った経緯
平均年収以上となっているという事は安直な仮定ですが、今の日本では一定の学歴があったため年収の高い職業につくことができた、あるいは家庭環境からそのような地位につくといったパターンがあるでしょうか。前者の場合、一定の学歴には、一定の学習成績が伴い、そこには一定の努力もあったことでしょう。
しかし、学習する時期の私たちは“子供”で、じっと机の前に座ってさほど興味のない事を覚えたり、理解しようとするよりも遊びたいものですよね。でも勉強していい成績をとろうとする、その努力には何等かの方向づけをする要因があったはずです。
・本当は勉強したくないけれど親からの期待に応えるため
・いい成績でないと将来困ると親から言われ仕方なく
・友達に負けたくない
・馬鹿にされないように
・家庭の経済状態があまり良くないから自分はこうなりたくない
表現としては色々あるでしょう。しかし、つまりは何らかの不安や恐怖、不快な状態を避けたい、優越感を得たい、誰かを喜ばせたいといったネガティブな感覚や他人の目を意識した感覚が強い原動力になっているように思います。
勿論、このような原動力が悪いわけではないですし、自主的に、ポジティブな原動力で学習している子供もいるでしょう。しかし、ここではネガティブな原動力のグループに仮定を絞ってみたいと思います。
収入は増えても原動力の源は変わらない
ではそういった人が働きはじめた場合、原動力は変わるのでしょうか?私はそう簡単には原動力は変わらないと思います。人の行動パターンはそんなに簡単には変わらないとは思いませんか?変えたくても変えられないのはよくあることですよね。
不安や恐怖を避けたい、優越感を感じたい、誰かを喜ばせたいという衝動はそう簡単には消えないものです。また、自分の原動力の性質を自覚している人はあまりいないでしょう。
なぜならそれくらい無意識的にこのパターンに沿った行動をしているのでまさか自分の原動力がそんなところにあるなんて想像もつかないのではないでしょうか。場合によっては、この点に気づいてしまうと今までの人生や今の生活が崩壊するのではと無意識の防衛本能が働き、気づかないようにしていることもあるでしょう。
湧き出る原動力の行方
不安や恐怖をさけたい、家族を喜ばせたい、優越感を感じたい、だからもっと働く。仕事に原動力(不安等)を注ぐ人は多いかもしれません。
しかし、これにはこれでまたストレスがかかります。さらに別の不安が押し寄せてくる場合もあるでしょう。
そうなってくると、原動力(不安等)を使って働いても頑張っても、不安等はさらに増殖していくことになります。そう、ある意味、限りがないのです。
しかし、原動力(不安等)の向かう先は限られてきて、仕事をするにも時間や肉体的な限りがあります。 結果、不安を消化するために、ストレス解消という名のもと、洋服や車を買ったり、旅行や外食に行ったり、ギャンブルやお酒といったことにお金を使っていくケースが増えてくるのです。
一番簡単に原動力たる不安を注ぎ、その原動力(不安等)になっているものを娯楽などに転換して、実態から目を逸らすことができるのがこの浪費なのです。浪費に原動力(不安等)がむいていくと、ある程度の収入があるにも関わらず、ストレス解消のために支出が増えていっていっこうに貯金がたまらないわけです。
原動力(不安等)が大きい人ほど、収入もその結果高いこともあるので、さらにお金をあるだけ使ってしまうというサイクルに入っていくのです。かなりの収入があるのに、貯金がないというパターンです。不安が浪費にむかわなければ、自分の体や心を蝕むことになる人もおおいのかもしれません。その意味では、むやみやたらと浪費をやめようというのも問題だなと思います。
実効性の薄い対処法
悪者扱いされている浪費ですが、よく言われる浪費を止める方法は以下のようなものがあるのでしょうか。ちょっとネットを検索すると貯金方法、節約方法、たくさんのテクニックが公開されていますね。
・収支の管理をし、一定の範囲内で支出するようコントロール
・計画を立てる
・自制心をもって無駄遣いをやめる
・付き合いを減らして交際費を抑える
・ストレス解消も程度と頻度を決めて支出する
・使ってもいい現金しか財布にいれない
・クレジットカードは持たない
・銀行口座と貯蓄用と生活費用でわける
確かにどれもその通り、実行できたら浪費は減って貯金はできるようになるでしょう。しかし、できないから困っているわけです。
おそらく一定の年収があり、お金に関する知識もあり情報収集もできるような状態にあったとしても、わかっているけど支出をやめられない、わかっているけど決めた通りに実行できないから貯金ができない事態になっているのです。そうなってくると、決めたこともできない自分を否定的に感じ、自己肯定感を自ら下げてさらに不安を呼び起こすというスパイラルにはまってしまうのです。
対処法が有効にならないから困っている
浪費をやめるためのたくさんの現実的なテクニックやマインドセットの方法など試してみても続かない場合は以下のようなタイプの人です。
・十分な資金をためるまで欲しいものを我慢できない
・今しかできない、今しか買えないと焦る
・頑張った自分へのご褒美が多すぎる
・極端に浪費を抑圧して、しばらくすると爆発してしまう
・先の事を考えられない
・まあいいかと楽天的になる
・メンタルが弱い、決めたことを守れない
・ケチだと思われたくない
・見栄を張りたい
いかがでしょうか?いずれも、結局は、もとの不安や恐怖感などの原動力にリンクされていくのです。このようなタイプに当てはまる人は、その根っこの部分に、何かしらの不安、恐怖があったり、自己肯定感が低かったり、優越感を感じたいという欲求があるのです。
ここをまずは認識し、受け入れられないと状況を改善するのは難しいでしょう。しかし、受けいれる、認めるといってもこれもハードルの高いことなのです。そういった要素が自分にあるという事実から目を背けるために、頑張って、見ないようにしてきたのに今になって直視し、認めましょうと言われても難しい面がありますよね。
対処法が有効にならないのはなぜか?
不安や恐怖などの感覚や感情の出発点は、バーストラウマやインナーチャイルドにあるといわれています。出生から高校生くらいまでの間に感じた、未解消の思いや心の傷と説明されるものです。
つまり、本人のコントロールしがたい領域での原因が浪費をやめるための対処法を無効にするよう影響しているのです。本人のコントロールが全くできないわけではありません。
しかし、バーストラウマやインナーチャイルドが影響していると本人の何等かの努力や働きかけが結果として現われにくかったり、思ったような結果になりにくいのです。つまり、いくら頑張って節約しよう、計画をたててその通り実行しようとしても思ったようにできにくくなるのです。
ここでのバーストラウマやインナーチャイルドは、不安や恐怖を見なくてすむように本人を誘導しようとするので、節約や浪費をやめる事が進み、不安や恐怖を直視しないといけないような状況は避けたいわけです。完全に今思っている方向と心の望む方向が不一致なわけです。
まとめ
では、浪費をやめるための現実的な対処法を有効なものへと変化させるにはどうしたらいいのでしょうか。簡単に言えば、自分自身をよく見つめることで解決していけばいいのです。
しかし、これでは先に書いたことと同じで、見つめられない、見つめ方がわからないから困っているわけです。その場合は、根本原因になっているバーストラウマやインナーチャイルドを軽減する方法をとりいれてみましょう。
表面的なコントロールは実効性がないので、小手先のアプローチではない方法がいいのではないでしょうか。バーストラウマやインナーチャイルドは自分自身で軽減するための方法も書籍化されていますし、専門家によるサポートを取り入れる事も意味があるでしょう。
もちろん、バーストラウマやインナーチャイルドを解消したらすべての問題がいっきに解決するわけではありません。しかし。バーストラウマやインナーチャイルドを軽減することで、みなさんの努力が結果として現れやすくなり、望むような現実に近づきやすくなるのではないでしょうか。
ここでいうところの貯金ができない何だかおかしな状態から少しづつ抜け出せるきっかけになるでしょう。