自分がどんな気質で、何に向いているのか、どんな長所や短所があるのか分からない
そんな風に思うことはありますか。
私は自分のことがよくわからずにいました。
友達に自分のイメージを聞いても、自分自身をそういうキャラだと決めてしまうだけのような気がしてちょっと違和感がありました。自分のことがわからないというより、本来の自分はどこかへ行ってしまったような気分でもありました。
そんな私が自分のことがわかってきて気がついた、自分のことがわからなくなる7つの原因を書いてみます。
同じように感じている方の解決のヒントになったらいいなと思います。
無感覚になっているから
今感じていることを積み重ねて自分がどんな人かわかっていきます。それがわからないと自分がどんな人かは知りようがありません。だから自分のことがわからないのは今感じていることが感じられない、無感覚な状態になっているのかもしれません。
以前の私は嬉しいことも悲しいこともあって、たまには腹が立つこともあったし、表面的には充実していました。毎日あちこち行ったり、やることがあったりしたので刺激的な毎日でした。だから無感覚になっている自覚はありませんでした。でも今になって思い返すと日頃、自分の感じていることを受け止めているわけでもなくて、感覚を閉じていたと思います。
自分のことがよく分からない人は無感覚になっている自覚はなくても、本当はもっといろんな感覚があって、そこにまだ出会ったことのない自分が隠れているのかもしれません。
自分を抑圧しているから
無感覚になっている人は抑圧傾向があります。
私は気がつかないうちにいろんなことを抑圧していました。抑圧しているつもりは全くなかったのですが「こういう人でいよう」「これはやるべき」みたいな感覚がありました。そうするのが当たり前で、あえてやっている感じでもありませんでした。自分は向上心のある人なんだなーくらいにとらえていました。
無意識にあるべき自分を演じていないか考えてみると抑圧や無感覚な状態に気が付けるかもしれません。
実は感情が溜まっているから
無感覚になる原因の一つは未消化の感情です。
未消化の感情とは過去に感じるのが辛くて感じるのをやめてしまった感情です。こう聞くと何かショックなことがあったとか、大きな出来事を想像するかもしれません。でも、日々の些細なことでもそれは起こり得ます。人って案外感情を感じないようにして逃げてしまう生き物だからです。
未消化の感情は、過去の出来事を思い出して嫌な気持ちになったり、イライラしたり、ネガティブな感覚を作り出します。だから未消化の感情が増えてくると、なるべく感情を感じないようにして対応するようになります。それにいつも耳を傾けていたら大変だからです。
無感覚になると未消化の感情から目をそらすことができますが、それ以外の感情もわからなくなってしまいます。
本来の自分じゃない自分を生きている
溜まった感情はパターンを作ります。
例えば、特定の人にイライラしやすい、落ち込みやすい状況があるなど一定のパターンです。このパターンを性格だととらえる人も多いかもしれません。でも本当は未消化の感情が作り出したパターンなので本来の自分というわけではありません。
本来の自分とは違う、溜まった感情が作り出した反応を自分の性格だと思って違和感を感じている可能性もあります。
親が過干渉だったから
自分のことがわからなくなる原因に過干渉な親があげられます。親の価値観に知らず知らずのうちに合わせてしまうことは多いものです。
子どもって親の言っていることを真似して政治家の悪口を言ったり、それっぽく意見を言ったりしますよね。過干渉だとそれがいろんなところで起きます。親の考えや価値観を自分のものだと勘違いしてしまうのです。
私の母は結構な過干渉でした。私は自分の価値観や考え方を形成する前に母の価値観に合わせることを覚えたので、母の価値観を自分の価値観だと勘違いしてしまいました。母がいいと言うものを私もいいと感じたし、母が嫌いなものは私も嫌いだと感じました。母が嫌いなものを好きだとは言いづらかったです。その結果、本来の自分はどこかへ行ってしまいました。
人に合わせてしまうから
私は母によく怒られていたので、それを避けるために母に合わせるようになりました。母親との関係で人との関わり方を学ぶものですが、私は人と合わせることで人と関わる方法を覚えてしまいました。それ以外はどうしたらいいかよくわかりませんでした。人に合わせることをずっと続けるうちに自分のことがよく分からなくなってしまいました。
人に合わせる癖があると、他者から言われたセルフイメージに振り回されてしまうこともあります。母から見ると私はマイペースだったらしくて、それゆえに「自分を持っている」と言われることが多かったです。周りからは自分を持っていると言われるのに実際には人に合わせてしまう自分がいて、噛み合わなくてしんどかった記憶があります。
自分を説明しようとするから
自分のことがよくわからない、と言う人は多いですが、話をしていると一言で説明しようとする人が少なくありません。就職活動の影響でしょうか。実際には人は流動的で多面的です。人と話すのが好きだけどひとりの時間も大切にしたい、アウトドアは好きだけどインドアも好き、同じ対象でも好きな時と嫌いな時があるなど移り変わっていくものだし、たくさんの顔を持っているものです。それを一言で説明しようとするのに無理があります。
私は何も考えない自分と計画的に動く自分、アクティブに動き回りたい自分とのんびりしたい自分、人が好きな自分と人が怖い自分など真逆の面が自分の中に共存しています。一言でまとめることはどちらかの気質をなかったことにしてしまうことになるので自分が欠けているような感覚になります。こんな面もあるし、こんな面もある、と考えていくと自分のことが立体的にわかってくるかもしれません。
自分を知るためにできること
ここからは自分のことを知るためのアイデアをご紹介します。
何もしない時間を持つ
溜まった感情や親からもらった価値観で自分らしくないパターンを身につけていた場合、何もしない時間を持つことをおすすめします。何かしようとすると自分らしくないパターンを繰り返してしまい、本来の自分が分からなくなるからです。ゆっくりお風呂に入ったり、自然の中でのんびりするのもリラックスできていいかもしれません。何もしない時間をとって、その中でやってみたいと思いつくことがあれば気ままに行動にうつしてみてください。
1日10分、やりたいことをする
1日10分、その時の気分に合ったことをするのもおすすめです。あまり深く考えず感覚的に決めるのが重要です。あったかい飲み物が飲みたいとか、片付けがしたいとかちょっとしたことで大丈夫です。慣れてきたら、その10分を充実させるためにどうするといいか考えてみてください。好きなカップを見つけるとか、使いやすい掃除道具を見つけるとか、自分が心地よく10分を過ごすためのアイデアを出してみる感じです。
1日10分続けているうちに自分の大切にしたいことや好みがわかってきて、いろんな自分が集まってきます。それは全部、今まで知りたいと思っていた本来の自分の一部です。大切にとっておいてください。
答えは自分の中にある
自分のことがわかるというのは、今したいこと、好きなこと、嫌なことなど自分の感じていることがわかることです。言葉にするとシンプルで、とても簡単そうなんだけど私には難しくて、もどかしく、時に虚しく感じていました。誰かに自分のことを説明してほしい気分でした。動物占いとかよく読んでいて、納得できるものがあると安心したものです。性格診断なんかもよくやっていました。でも、私の全てを説明してくれるものはありませんでした。
結局、自分がどんな人かどうかは自分の中にしか答えはないのだと思います。今感じていることが素直にわかればわかるほど、言葉で説明できなくても自分のことはわかっていくものだと感じています。まずは小さなところから試してみてください。