子どもは可愛いし、大事だから優しくしてあげたいし楽しく一緒に遊んであげたい。
だから本当はできるだけ怒りたくない。
頭ではいつもそう思っているのに
しつこかったり、我がままばっかり言われるとついイライラして
気づいたら「いい加減にしなさい!!」って、つい怒鳴って怒ってしまう…
こんなの良くないってわかってるから怒らないよう我慢してるのにでもやめられない。
『なんで?どうして?私がダメな母親だから??』
こう思っては、自分を責める声で頭の中がいつもいっぱいになって、気持ちが苦しくなる。
本当にどうしたらいいんだろう、、、誰か助けてほしい!
こんなふうに一人で思い悩んではいませんか?
私もかつて同じような状況を経験し、何年も思い悩んでいました。
このコラムでは私自身の体験談を交えながら、子供に怒鳴るのをやめたくてもやめられない本当の理由と、やめられるようになるためのヒントをお伝えしていきます。
私の体験談
私自身も『子供に怒鳴って怒ってしまうことをやめたくてもやめられない 』ことに何年も思い悩んできた経験があります。
子どもは可愛いし愛情もある。だから、できれば楽しく笑って穏やかにいつも過ごしたい。頭ではいつもそう思ってはいるけれど、現実は全く逆で、毎日家事と育児に追われていて常にピリピリ。
子供に対してイライラしてもできるだけ怒らないように我慢する。けれど、イライラする頻度が増えてくると必ずどこかでドッカーンっと爆発。
「もう、何度言わせるの!」
「いい加減にしなさい!」
と感情まかせに怒鳴って怒ってしまう。
そして、我に返った後は『またやってしまった…どうしていつも自分はこうなんだろう、、、』そう自分を責めては罪悪感や自己嫌悪に襲われて落ち込む。
このパターンを何年も繰り返していました。
『本当は子供に愛情がないんじゃないか?』
『本当は大事に思ってないんじゃないか?』
『母親失格なんじゃないか?』
こんな声が頭の中を何度もめぐり、いつも気持ちが葛藤して本当に苦しかったです。
子供に怒鳴るのをやめたくてもやめられないのはなぜか?
私の経験から言えば、怒鳴ってしまうのは決して子供に愛情がないからでも、大事に思っていないからでも、自分がダメな母親だからでも、本当の理由はそのどれでもないということです。
例え、子供に愛情があっても、大事に思っていたとしても、良い母親であったとしても、時には怒鳴って怒ってしまうことはあると思います。
だから、怒鳴って怒ってしまう自分のことを母親失格だとあまり責めないで欲しいのです。
この問題を解決するのに本当に大切なことは、「やめられない自分が悪い」という部分にフォーカスするのではなく、「やめようと思っていてもやめられなくしている原因が他に何かある」という視点を持つことです。
では、なぜ、子供に怒鳴るのをやめたくてもやめられないのか?
本当の理由は、”心のメカニズム”によるものです。
”怒鳴る”という行動を生み出す”心のメカニズム”の構造
簡単に説明すると、心の中に”怒鳴る”という行動にうつさせるような火種”がたくさんあります。
その火種というのは、概ね、幼少期に心の傷となるようなトラウマであることが多いです。
そこに何らかの刺激が加わると<自動的に発火して火種に火がついてしまう=怒鳴るという行動をとってしまう>そんな感じのイメージです。
先ほど「何らかの刺激が加わると」という言葉で説明しましたが、これは、発火を誘発する”怒りポイント”という存在になります。
要約すると、この”怒りポイント”に刺激が入ることで、心の中にある火種が自動的に発火して、結果的に怒鳴ってしまうという行動に繋がるのです。
”怒鳴る”火種となる幼少期の心の傷(トラウマ)とは?
「インナーチャイルド」という言葉を聞かれたことはあるでしょうか?
インナーチャイルドとは、乳児期から成人になるまでの間に作られた心の傷(トラウマ)のことを言います。
特にベースとなる心の傷は、主に乳幼児期の両親との関係性や当時の家庭環境の中で作り出されることが多くあります。
例えば、
・親から褒められたり・認められたりすることがほとんどなかった。
・常に親のいうことを聞くことを強要され、聞かなければ否定された
・常に良い成績をとることを求められた/親が教育に厳しかった
など、日常的に自分の存在を否定されているような印象を受ける言動・行為・振る舞いなどです。
上記のような内容で、過去の自分の親との関係性の中で、何か思い当たる節はありませんか?
もし思い当たるような節があれば、潜在的にそれが心の傷となり、”怒鳴る”火種になっているかもしれません。
怒鳴るのをやめられるようになるために
怒鳴るのをやめられるようになるには、まず”怒鳴る”行動に繋がってしまう火種を発火させてしまう”怒りポイント”どんなものなのか?少しずつ気づいていく必要があります。
わたし自身、怒鳴るのをやめられるようになっていく過程の中で自分自身を観察しながら見つけた”怒りポイント”がありました。ご自身の”怒りポイント”見つけるための参考にしてみてください。
怒鳴るきっかけをつくっていた”わたしの3つの怒りポイント”
①「母親としてちゃんとしないと」といつも気負っている
② 家事や育児を完璧にやろうと頑張りすぎている
③「大したことがない」「全然できていない」と自分を過小評価することが多い
私の場合、大まかにこの3つが感情的に怒ったり、怒鳴るきっかけを作っていました。
①と③は、無意識に自分の気持ちを追い詰めてしまっていたり、②は自分を疲れさせてしまうような行動グセへと結びついていて、いずれにしても心身にストレスがとても溜まりやすい状態になっていて、気持ちに余裕がなく、怒りやすい状況だったのだと思います。
いかがでしょう?
私自身と同じように、自分を追い詰めすぎたり頑張り過ぎたりして、心身にストレスが溜まりやすい状態になっていませんか?
怒鳴るのをやめたくてもやめられないループから抜け出すための3ステップ
これからご紹介する方法は、少しでも子供に向かって怒ったり怒鳴る回数を減らしていくためのものです。
根本的に怒鳴ることがやめられるようになるわけではありませんが、子供に直接怒鳴って怒ることが減るだけでも、随分と自分の苦しい気持ちが楽になります。
もちろん、慣れるまでは怒鳴ってしまうこともあると思いますが、続けていくことで次第に回数が減っていくと思いますので、ぜひ実践してみてください。
ステップ1:怒りポイントに気付くように日々自分の様子を観察する。
観察するポイントとしては、「イライラし始めた時」です。イライラし始めたらそれは、怒鳴ってしまう前触れだと思っていいでしょう。もし可能なら、やっている家事などから一旦手を止めて深呼吸したりイライラが少し収まるまで待ってみましょう。
ステップ2:観察日記をつける。
その日、いつどんな状況でイライラし始めたか?または、怒鳴ってしまったか?そして、もしその時の心情(気持ち)を覚えていればそれも書き出してみましょう。慣れるまでは簡単な文章でオッケーです。
ステップ3:「なぜイライラしたのか?(または、怒鳴ってしまったのか?)」理由を考えてみる。
観察日記を書くことに慣れてきたら、次は自分なりに「イライラした(または、怒鳴ってしまった)」理由を考えてみましょう。例えば、「やらないといけないことがたくさんあった。」など、最初は簡単な理由でも大丈夫です。(理由を考えることが目的なので、自分の粗探しやダメ出しにならないように注意しましょう。)
根本的に怒鳴るのをやめられるようになるには
”怒鳴る”火種となる幼少期の心の傷(トラウマ)を少しずつでも改善していくのがオススメです。
わたし自身は、幼少期の心の傷(トラウマ)を改善していくことで怒鳴るのをやめたくてもやめられなかったループから抜け出すことができました。
自分の意思とは裏腹に怒ってしまったり怒鳴ってしまう裏側には、それだけ、傷ついたり我慢してきた思いや感情が溜まっています。
それを認め改善していくことは、自分自身はもちろん子供にとっても大きな幸せに繋がります。
具体的な改善方法は(書き出すと長くなるので)今回は割愛しますが、わたしの個人セッションで改善のサポートは行っていますので、ご興味ある方はお問い合わせください。
まとめ
怒鳴ることをやめたくてもやめられない 状態にいた頃は、自己嫌悪にもなるし、幼かった娘を可愛がれない自分のことが本当にイヤでたまりませんでした。
けれど、毎日のように家事や育児は続いていくからそんな思いを抱えながらでもやっていかなければいけない。
そんな気持ちの間で常に葛藤して常に苦しさを覚えながら思い悩んできました。
けれど、そのことがあったからこそ実は一番傷つき苦しんでいたのは自分自身だということに気づき、自分の深い心の傷を癒してくることができ、今はあの思い悩んでいた頃が嘘のように心穏やかで娘とも良好な関係性を築けるようになりました。
昔の私のように、もしかしたら、本当はあなた自身が一番傷ついているのかもしれません。
そのことにあなた自身が気づき認めたところから、本当の改善と変化が起こりはじめます。
このコラムをきっかけに、あなたも幼少期の心の傷(トラウマ)と向き合う一歩を踏み出し、お子さんと笑って過ごせる未来を手に入れませんか?