「子どもの不登校がつらい、疲れた」親のストレスを和らげる親子関係の改善方法

子どもの不登校が長引くと、親のストレスも溜まってきます。

学校に足を運べなくなっている子どもに対して、時には叱り、時にはなだめ、時には交渉手段を使ってみたり・・・(〇〇を買ってあげるから、学校に行ってくれなど)、学校や周囲の人への対応にもせまられ、親もまた精神的に疲れ果てていきます。

最終的には、行く場所を失って部屋にこもりネットやゲームで時間を潰し続けている子どもの姿を、悶々としながらただ黙って見守るだけ。

「やれることは全てやっているのに・・」

学校に行かなくなることで、子どもの生活リズムが狂い始め、親の仕事にまで影響が出てくると、ストレスもマックスとなり、思うような対応してくれない学校を恨んだり、忙しさを理由にどこか「他人事」にも見える夫を責めはじめたり・・

そうやって親がつらい顔になっていくことは、不登校で自分を否定しがちになっている子どもを、精神的にさらに追い詰めてしまいます。

不登校による親子のストレスの悪循環から出て、状況の根本解決ができる方法にはどんなものがあるでしょう?

この記事では、子どもの不登校をきっかけに「親子関係の改善」に目を向けることで、親も子どもも同時に心の傷から癒される方法を模索してみたいと思います。

この記事の目次

子どもと心理的な距離を置き、セルフケアをする

子どもと心理的な距離を置き、セルフケアをする

不登校になっている子どもとの生活にストレスが溜まり、自分がイライラしていることに気づいたらまず親自身が、自分の心と体のケアをすることを優先しましょう。

子どもとの関係性の中で、互いのストレスから感情をぶつけ合ってしまうのは不毛なやりとりとなりがちです。

まず自分の心と体を少しでも良い状態にすることを考えて、子どもと少し距離を置きつつリラックスできることを意識しましょう。

家にいるとどうしても子どもが気になるようであれば、

  • 思い切って自分の趣味など楽しめることのために出かける
  • 単純に散歩やカフェで一人の時間を作る
  • 映画や、体を気持ちよく動かすことで気分転換をはかる
  • ボディマッサージなどで頭と体を緩める

など、子どもと物理的に距離を置ける工夫をすることをオススメします。

不登校になっているときは、親が子どものそばにいるのが理想なのではないか、と買い物に出ることすら躊躇するようになる親も多いようですが、実際には「親がべったり一緒にいない」ことの方が最終的には良い流れになることが多いようです。

(明らかに子どもが親との愛着を求めて不登校になっているケースや、未就学児など小さなお子さんの場合は別です)

また、「不登校の親の会」のような集まりやカウンセリングなどに足を運ぶなど、親自身が自分の気持ちを受け止めてもらうことができる場所が見つかるようなら、それに越したことはありません。

不登校に限ったことではありませんが、子どもとのより良い関係を築くためには親子が「程よい距離感」を保つことは、何より重要です。

親のセルフケアについては、こちらの記事もぜひ参考にしてください。

あわせて読みたい
「子どもの不登校」親のあり方で子どもは変わる 「学校、行きたくない・・」 子どもが不登校になったとき、どうしても親の心は不安でいっぱいになります。 「このままずっと学校に行けなくなったら、この子の将来は・...

コミュニケーションは「愛情」がシンプルに伝わる方法で

不登校の子どもとのコミュニケーションで、配慮すべきことについて見ていきましょう。

1、子どもの気持ちを理解する

子どもの気持ちを理解する

これは、なぜ学校に行けないのかを子どもに強く問いただしたり、理由を無理に聞き出そうとすることではありません。

(調査によると、年齢が低いほど学校に行けない理由を自分でちゃんとわかって、大人にわかるように説明できるケースはほとんどないそうです)

不登校は、学校に行こうとしても体が言うことを聞かない、という感じで始まることが多く、どうしてそうなのかを必ずしも本人が理解できている訳ではありません。

不登校のきっかけが、先生や友人とのトラブルや、明らかないじめなど、子どもの心が大きく傷つくような出来事だった場合は、本人が話をしさえすれば親も理解できるでしょう。

そういうケースとは別に、繊細な子どもが学校生活に自分をなんとか合わせようと頑張った結果、その小さなストレスが積もりに積もってとうとう体の不調となり学校に足を運べないところまでいってしまうということも、決して少なくありません。

子どもの気持ちを理解する、というのは「言葉にできない苦しさ、つらさ」をそのまま受け容れて気持ちに寄り添う、もしくは見守るということです。

理由がわかっていてもそうでなくても、「学校に行きたくないのね」とシンプルな言葉で、受け容れてみましょう。

親が自分の気持ちを受け入れてくれるということが信じられたとき、子どもは自分が感じていることを素直に開示しやすくなります。

学校に行くのが辛いという気持ちに寄り添いつつ、理由についてはすぐに話せないようなら、子どもが話したくなるまで待つということも必要です。

2、コントロールしない、迎合しない

コントロールしない、迎合しない

言語的にも非言語的にも、高圧的な態度で親が学校に行くよう無理に力をかけたり、もっと頑張りなさいと励ますことは、逆効果になることが多いようです。

逆に、子どもの機嫌をうかがい迎合するようなコミュニケーションの取り方も、却って子どもの情緒を不安定にする方向に向かわせます。

コミュニケーションは、「対等な立ち位置で真剣に子どもに向き合う」ということを意識してみましょう。

大人でもそうですが、愛情を持って真剣に自分に向き合ってくれている人の話は、自然と心に響くものです。

それによって子どもがどう行動するかという期待は手放しつつ、あなたの率直な気持ちなど、話すべきことはきちんと伝える努力をし続けましょう。

もっとも重要なのは、シンプルなコミュニケーションの中で、「あなたを心から大事に思っているよ、大好きだよ」という愛情が子どもにまっすぐに伝わることです。

3、スキンシップについて

スキンシップについて

不登校のお子さんとのスキンシップを勧める意見もありますが、小学生高学年以上の年齢の子どもの場合は特に、お子さんによっては不自然にスキンシップを取ろうと働きかけることで、却って気持ちをこじらせてしまうこともあります。

親が自然にそうしたいと思ってしているのか、頭で「そうすべき」と考えて無理をしているのかは、敏感な子どもは察してしまうからです。

もちろん年齢が高くても、親子で自然なスキンシップが取れることは、子どもを安心させる大きな力となり得ます。

スキンシップを取ることに親の方が抵抗を感じたり、不自然になりそうな場合は無理をせず、「大好きだよ」「大事だよ」ということが伝わるよう、ときに言葉にしてみたり、それも難しければ心の中で伝え続けてみてください。

そのエネルギーが伝わって、スキンシップの効果と同様に、子どもの心に変化を起こすことがきっとできると思います。

自分の問題に向き合ってみる

自分の問題に向き合ってみる

ちょっと意外かもしれませんが、不登校の根本解決にもっとも繋がりそうなこととして、「子どもの問題に気持ちを向けることから、自分の問題に気持ちを向けることに頭を切り替えてみる」というのがあります。

子は親の鏡と言いますが、実は子どもが抱える問題は、親の内面の問題を間接的に映しだしていることが多いのです。

子どもの心の問題、学校での問題を親がコントロールすることは難しくても、自分の問題であれば「自分次第」で変化させられることはたくさんありますよね?

肉体こそ別々のものですが、目に見えない世界では親子のエネルギーは半ばミックスされるように、密接に関わりあっています。

自分の中に悶々とあって、普段はやり過ごしているような親自身の内面の葛藤が、もし子どもの不登校として現れているとしたら?という視点で感じてみましょう。

例えばですが、子どもの不登校と繋がっていることが多いのは、やはり家庭の中の「不調和」な関係性、親の夫婦関係や、祖父母との同居の場合は、親と祖父母の関係性などが挙げられます。

そういったものに一旦目を向けてみて自分の中に葛藤や課題が感じられるようであれば、改善できるポイントがないか、言いたいことを我慢して抑圧している感情がないか、子どもが安心して過ごせるような、より良い環境にするためにできることはないか、などを自分の問題として考えてみると良いかもしれません。

たとえ、それらの問題が直接子どもの不登校に繋がっていなかったとしても、親が自分の心の問題に取り組んでいる姿をみることは、子ども自身が直面している問題に向き合うことに、良い影響を与えることになるでしょう。

まとめ

子どもの不登校は、親自身が気づいていない心の深い葛藤や、家庭内の根深い「不調和」に気づかせてくれる良い機会にもなり得ます。

「子が親の鏡」だとすると、直接不登校とは関係がないと思えるような「親自身の問題」が解決されたり変化することで、子供の状態が自然と変わることは大いに期待できるでしょう。

子どもは誰もが親に何かしらの贈り物を持ってやってきている存在という視点で見ると、「不登校」という問題からも親が受け取れる人生のギフトが思いがけず見つかるかもしれません。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

石垣島在住。
感受性が強く生きづらさを感じるエンパス/HSP専門カウンセラー。
電話でのインナーチャイルドヒーリング&カウンセリングのほか、エンパスさんのQOL(人生の幸福度)向上をサポートするさまざまな活動をしています。

\エンパスさんのためのお役立ち情報発信中/
note:https://note.com/muera_note
HP:https://muera.jp

この記事の目次