・自己肯定感が低い子どもの特徴
・子どもの自己肯定感を下げる7つのNG行動
・子どもの自己肯定感を下げるNG行動をしてしまう根本原因とは
子どもの自己肯定感を高めよう
子どもの自己肯定感を下げないように育てよう
子育てをしていると、上記のような『自己肯定感』という言葉は耳に入ってきやすいように思います。
でも、自己肯定感を高める子育てをしようと思うものの、実際は子どもの自己肯定感を下げてしまってるのではと悩むこともあるかもしれません。
「いやいや、ダメですよ、子どもの自己肯定感を下げるなんて!」
「子どもの自己肯定感を下げるようなNG行動はやめましょう!」
なんて口で言うのは簡単かもしれません。
でも、NG行動って頑張ってやらないように気をつけていても、無意識にしてしまったりするものなんですよ。
この記事では子どもの自己肯定感を下げる親のNG行動をお伝えしながら、なぜそのようなNG行動をしてしまいがちなのか、NG行動の裏側にある心理について深掘りしたいと思います。
自己肯定感とは?
まず自己肯定感ってなんだろう?ってところからお話ししていきましょう。
自己肯定感という言葉は1990年代、カウンセラーとして長年不登校の子どもたちと関わってきた立命館大学名誉教授である高垣忠一郎氏が使ったのが始まりとされています。
また自己肯定感といっても、その定義ははっきりひとつに決まっているわけではありません。
色々な人が色々な定義をしています。
<定義の例>
・現在の自分を自分であると認める感覚。
・自己肯定感とは「自分は大切な人間だ」、「自分は生きている価値がある」、「自分は必要な人間だ」という気持ち。
・自己の価値基準を基にした、よいもダメも含め自分は自分であって大丈夫という感覚。
参考:Wikipedia https://ja.wikipedia.org/wiki/自己肯定感
文字からすると、シンプルに、『自己肯定感』とは自分を肯定する感覚、です。
でも、現代では多くの人が、「この自分はいい(肯定)」「この自分はダメ(否定)」などと、自分の全てを肯定できず、ダメ出しすることが多いので、『自己肯定感』とは「ありのままの自分を肯定する感覚」という意味合いが強いのだと思います。
日本の子どもは自己肯定感が低い?
日本の若者は諸外国の若者に比べて自己肯定感が低いと言われています。
それは内閣府が数年おきに行っている意識調査(アンケート)の結果によってあきらかになりました。
2014年度の内閣府の調査として、韓国、スウェーデン、フランス、ドイツ、イギリス、アメリカ、日本の若者を対象に行われた自己肯定感に関する質問に「自分自身に満足している」「自分には長所がある」の二つの項目がありました。
どちらの質問に対しても、日本の若者がYESと答えた割合は7か国中最下位でした。
それ以来文部科学省でも、『自己肯定感』と教育を合わせた議論がされるようになっていったのです。
自己肯定感が低い子どもの特徴
諸外国にくらべ、自己肯定感が低いと言われている日本の子どもたち。
では自己肯定感が低い子どもにはどのような特徴がみられるのでしょうか。
・自分に自信がない
・劣等感がある
・人の顔色をうかがいがち
このあたりは自己肯定感が低い子どもに見られる共通の特徴です。
あとは子どもによって自己肯定感の低さがどう行動に現れるかが変わってきます。
・向上心がない/がむしゃらで不自然な向上心がある
・抑揚がなく感情が閉じている/感情的になりやすい
・すぐ諦める/こだわりすぎて必要以上に頑張りすぎる
・おとなしい/自己アピールが強すぎる
・引っ込み思案/マウンティング行動が多い
・失敗を怖れる/失敗から学べず失敗を繰り返す
一見、矛盾する特徴を並べてありますが、それは自己肯定感の低さが両極端に現れる時があるからです。
例えば、自分を肯定できないので、すぐ諦めるという子どももいますし、自分を肯定できないからこそ、誰かに認められる自分になりたいと必要以上に頑張りすぎてしまう子どももいるからです。
どちらにせよ、ありのままの自分を肯定できない子どもは、幸福感を感じにくく、ストレスを抱えやすいです。
そのまま大人になると、生きていてよかった!というような安心感よりも、自分なんて生まれてこない方がよかったんじゃないか、というような不安感の中で生きる時間の方が長くなります。
自分の子どもには幸せになってもらいたい、って願う親がほとんどなわけですから、子どもの自己肯定感が下がってしまうことはできるだけ避けたいことですよね。
子どもの自己肯定感を下げる親のNG行動とは
では、子どもの自己肯定感を下げる親のNG行動をみていきましょう。
・感情のままに叱る、責める
・子どもの選択を尊重しない
・子どもの話を聞かない
・子どもを誰かと比べて否定する
・子どもにダメ出しをする
・子どもに過剰な期待を抱く
・子どもを信頼せず、自分の心配を押し付ける
重要と思われるものを7つピックアップしましたが、(自分、やっていそう・・・)と思われるものはありましたでしょうか。
もちろん、感情のままに叱る、が年に1回くらい、とかなら、子どもの自己肯定感をそう下げたりしないでしょう。
頻繁にやってしまっている、だと、NG行動と呼べると思います。
上記の7つの親の行動は、子どもに(親からありのままの自分を肯定されている)という感覚を抱かせません。
むしろ、(親から自分を否定されている)という気持ちにさせるでしょう。
一番身近な存在、自分の世話をし生きることをサポートしてくれている親から否定されていると感じることは、子どもにとってかなりのダメージになります。
(親から否定されるのは、自分がダメだからだ、自分が大切にされる価値がない人間だからだ)
そうやって、子どもの自己肯定感は下がっていくのです。
親のNG行動、全くしないってことできる?
そうはいっても、上記のNG行動を全くしないで子育てすることはできるのでしょうか。
例えば、感情のままに叱らない。
10年以上、子育てに悩む方へセッションを提供してきていますが、感情のままに叱ることを意識的に改善するって非常に難しいです。
(感情のままに叱らないようにしよう)って意識して、しばらくはいいかもしれません。
イラっときても、笑顔笑顔、穏やかに伝えるんだ、と我慢できる。
でも我慢が限界を越えると、今まで我慢した分の反動もあって、猛烈に感情のまま叱ってしまうことは非常によくあります。
子どもの選択を尊重する、も、なかなか難しいですよね。
学校に行きたくない・・・、と言う子ども。
(いやいや、学校は行った方がいいでしょ!)とつい反応する。
頭ではわかってる、子どもの選択を尊重しなきゃって・・・。
でも、あれやこれや言いながら、嫌がる子どもを無理やり学校に行かせようとする自分がいる。
また、(子どもが風邪をひかないだろうか)(友達とうまくやっていけるだろうか)(勉強についていけてる?)などと心配なことが次から次へとわいてきて、心配のままに子どもにあれこれと過干渉気味にいってしまうことも、なかなかやめられないものです。
子どもを信頼しなきゃ!と頭では思っていても、心配になるようなイメージが次から次へと湧いてきて不安がぬぐえなかったりするんです。
そんな、NGなのにやってしまう行動の裏にある心理とはなんなのでしょうか。
自己肯定感の低い親はNG行動をしてしまいがち
そうなんです。
親自身の自己肯定感が低いと、ダメだと頭ではわかっていても、NG行動をしてしまいやすいんです。
自己肯定感が高い人は、感情が落ち着いており、感情のままに子どもを叱ったり責めたりすることは滅多にありません。
自己肯定感が高ければ、自分に対してだけでなく、子どもに対しても肯定的に捉えることができるので、子どもにダメ出しすることも、子どもを誰かと比べて否定することもありません。
また自己肯定感が高いと、自分の将来に対して肯定的で、この先は何があっても自分は大丈夫と信頼できます。
同じように、子どもの将来に対しても、この子は大丈夫、と信頼できるので、心配をおしつけることはありません。
心の余裕があるので、子どもが満足するまで子どもの話を聞くことができ、子どもの選択を尊重してあげられます。
そう、自己肯定感が低いと・・・、その逆をしてしまうんですね!
これを読んでいる方の中には、子どもの自己肯定感を下げるNG行動を、自分も親からされて育った、と言う方もいるかもしれません。
親からされてきたことって、無意識に自分の子どもにもしてしまう傾向があるからです。
まずは自分の自己肯定感を育もう
子どもの自己肯定感を下げるようなNG行動を根本的にやめるためには、まず親が親自身の自己肯定感を育て直す必要があります。
それはどうしたらいいか?
子どもの自己肯定感を下げるNG行動の逆を、自分自身にしてあげるのです。
・感情のままに叱る、責める → 自分を感情のままに叱らない、責めない
・子どもの選択を尊重しない → 自分の選択を尊重する
・子どもの話を聞かない → 自分の話を聞く
・子どもを誰かと比べて否定する → 自分を誰かと比べて否定しない
・子どもにダメ出しをする → 自分にダメ出ししない
・子どもに過剰な期待を抱く → 自分に過剰な期待を抱かない
・子どもを信頼せず、自分の心配を押し付ける → 自分を信頼して、過剰に心配しない
もちろん、自分の子どもに上記のことをしてあげるのもいいですが、まず、何より優先すべきは、自分の自己肯定感ということを念頭においておきましょう。
自分の自己肯定感が低いまま、子どもの自己肯定感をなんとかしようと思っても、付け焼き刃的になってしまうので注意が必要です。
NG行動の逆、ひとつひとつを意識することが難しいなら、たった一つ「自分を大切にする」ことを意識してください。
自分を肯定することは自分を大切にすることとほぼイコールとも言えるからです。
大切にされること=肯定されること
親は親なりに子どもを大切にしている。
でも親がいくら頑張っていても、子ども自身が大切にされている感覚がしなければ、子どもの自己肯定感は下がっていきます。
親が子どもを大切に思う気持ちがそのままイコール、子どもが親から大切にされていると感じる感覚にならないところが世知辛いですよね・・・。
これがね、親が親自身を大切にして、自分自身が大切にされている感覚を実感できなければ、子どもに伝わるように大切にしてあげることは難しいんです。
もちろん、親世代の私たちが、子どもの頃に大切にされている実感の中で育てられてたら、今の子育てに問題を感じることはかなり少なかったわけなんですけど、、、。
まぁ、そうじゃなかった現実をちゃんと受け止めて、自分で自分を大切にすることで、親から子への自己肯定感の低下の連鎖を止めていきましょう。
まとめ
子どもの自己肯定感を下げるNG行動をしてしまう裏側には、親の自己肯定感の低さがありました。
しかし自分を自分で大切にしていくことを繰り返すことで、下がってしまった自己肯定感を育て直すことができます。
子どもの自己肯定感を下げないためには、まず自分の自己肯定感が必要なことを覚えておいてくださいね。
もし自分で自分を大切にすることがよくわからない、自分を大切にしているつもりでも、大切にされている実感が湧いてこない、という場合はご相談ください。
あなたの自己肯定感の低さの根っこがかなり深い可能性があります。
無料オンライン相談会も随時やっているので、日程などの詳細は公式ホームページをご覧ください。
あなたの子どもを大切に想う気持ちが、子どもにストレートに伝わって、自己肯定感が高い子どもが育っていくよう応援しています!
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