言いたいことをいう怖さ~『親に言いたいことを言って良かったと思えた話』
あなたの本心は、親に言いたいことがあってこの文章を読んでいるんだと思います。
だけど、言えない。
言いたいことを言えないのは辛いですよね。
言うことで、何かとんでもないことが起きるかもしれない。
否定されるかもしれないし、言い返されて再起不能になるかもしれない。
親に言いたいことを言うことは、とってもとっても恐ろしいこと。
だけど、あなたは言おうと思って検討している部分があるんだと思います。だから諦めつつも悩んでいる。
私は親に言いたいことを言ってみました。
すべてではないのですが。
結論として、言って良かったと思います。
なので、その話をしたいと思います。
主に母のケースについて話します。
私は両親それぞれに、言いたいことが言えない時期を過ごしました。
とくに母には言いたいことが言えない、どうせ言っても分かってもらえない、言っても絶望を味わうだけ…ということが多々ありました。
悩みごとを相談しても適当な答えしか返ってこない
私の母は、私が何か悩みごとを話してもいつも適当な答えや、私の話を聞いてくれてない答え、話をはぐらかされて違う答えが返ってくることが多いのでした。
私の悩みが悩みではない、まるで大したことがない、興味がなくてどうでもいいように扱われるのです。
意を決して話しても、毎回がっかりさせられるだけでしたので、母に対して悩みを話すことはなくなっていきました。
自分が選びたいものは却下されて、母が選んだものになる
言いたいことが言えないというのは、悩みごとだけではありませんでした。
いろいろ買ってもらえることはありましたが、値段がそこそこ高いものに関しては、自分の意に沿ったものではなかったことが多々ありました。
- クリスマスのプレゼント
- 誕生日のケーキの種類
- 本
もちろん、すべてではないのですが。
自分が本当に欲しいものは選べないのだ、どうせ自分の希望を言ってもムダだなぁ、という諦めみたいなものが心にしっかり染み付いたんだと思います。
同時に、母の望むとおりに選択しなければ許可されない。という考えに染まっていきました。母が不機嫌な顔をするのを見たくなかったのです。
いま、母はこれを望んでいるのかな?というのを事前に予測して自分のやりたいことや欲しい物を抑え込んで、母が望んでいるようなものをいろいろ選択していきました。
大人になってから、親への怒りが出てきた
大人になってから、とあるヒーリングを受けました。
それは胎児期~20歳ごろまでのトラウマを癒すヒーリングです。
そのヒーリングを受けてから、固まっていた考え方や感情がどんどん柔らかくなっていきました。
親への思いと諦めが、何も感じてないようだった無感覚が、怒りに変わっていったのに気づきました。
こうして欲しかったのにしてもらえなかったという恨みや、どうして私がこんな苦しい目にあってたんだろうという思いが出てきました。
抑え込んでいた箱がパカッと空いたような感じでした。
ある方から、親へ言いたいことは言ったほうが良いというアドバイスを受けて、私は親へ言いたいことを言う一大決心をしたのです。
言いたいことをまずノートに書きだした。
ノートに書きだして、その感情を感じてみることから始めました。
すでに先述した「選びたいものが選べなかった」という事に加えて、
- いじめにあってても学校を休ませてくれなかったこと
- やりたくない習い事を我慢してやっていたこと
- 母はいつも父の言いなりになって、2人一緒になって私を責めたこと
などがありました。
これを言うのか…と思うと、とんでもなく恐ろしいような感じがしました。
1回目に言いたいことを言ったら、母に言われたこと
ある夜のひととき。
ちょうど言いたいことが言えそうな時間の隙間が出来たので、私はノートを見返して言いたいことをまず3つくらい言おうと意を決し、かなり勇気を出して話したのでした。
それは主に、やりたくなかった習い事を我慢してやっていたことが中心でした。
それを言ったら、母は「悪いことばかりじゃなかったでしょう。良かったこともあったでしょう。〇〇に良かったとか。」という風に返事を返してきました。
続けて、あなたは人の話を聞かないところがあるなど私の欠点を中心に指摘する話にすりかえられていったのです。
私はどうしてそういう話にすり替えられたのか、???という感じになりましたが、とりあえず母の話を聞かなくちゃと思い、そのまま話を聞いてしまっていたのでした。
2回目に言いたいことを言ったら、母に泣かれてしまった
言いたいことを言う再挑戦ということで、今度は朝ご飯を食べた後に時間ができたということもあり、意を決して言ってみました。
母は私が話した過去のことをまったく覚えていませんでした。
そして、泣き出して私の頭がおかしいことにされたのです。
母は、
「そんな虐待のようなことはしてない。」
「他の家よりマシ。生まないほうが良かったのか?」
「私はいなくなったほうがいいのか?今から家を出ていこうか?!」
「昔のことを蒸し返して今はそういうことは言わなくていいじゃない。」
「お前は残酷で悪い人だ。」
みたいな感じで泣き叫びながら私にぶつけてきたのです。
母からそういう感情をぶつけられて怒鳴られる怖さを感じました。
やっぱり、ほら、言いたいこと言ってもまた残念だったよねみたいな、ガッカリ感もありました。
実際にあったことを完全に無かったかのうようにされて、強い悲しみを感じました。
母にぎゃあぎゃあと感情をぶつけらて、お腹が痛くて心臓がどきどきして息がしづらくなった感覚もしました。
それでも言って良かったと思う。
たとえ、自分が望んでいる結果にならなくても、私は言いたいことが言えてよかったと思います。
いろいろ話し合えるというのを期待してたところはありました。
しかし、一生言えなかったであろうことを私は勇気を出して言ったというのは、自分自身を以前よりも肯定できるようになった感覚があったのです。
母を傷つけたとも思わなかったし、悪いことをしたとも思わない。
決してスッキリしたとは言えない。
きっと母もいろいろ抱え込んでいたものがあって、私が言いたいことを言うことによってそれが爆発したんだと思えました。
その後、なんだか母との関係が変化したように感じました。
私はワガママなことも言えるようになったし、母もなんだか気を使っているような反応が伺えました。
相変わらず、話をはぐらかすような部分はありますが、この人はこういう人なんだ…みたいな以前より冷静に母を見れるようになった感じになりました。
言いたいことが言えなくても気にならなくなった。
そのあとは、言いたいことが言えなくても気にならなくなりました。
これは言ったことを実行したから気づいたこと。
しかし、今でもホントに言いたいことは言いたいと思ってます。
もし、泣こうが喚こうがそんなの知ったこっちゃない。
言わなきゃ分からないことだってあるし、親だからって遠慮することなんてないと思う。
だってお互い同じ人間なんだから。
これはさすがに人として言っちゃまずいかなぁと思うものは、信頼できる人に聞いてみてから言うのをトライしてもいいかなと思います。
私の場合は、インナーチャイルド(子供のころに受けた心の傷や満たされなかった想い)をリーディングできる人などに判断してもらってました。
1人暮らしをして親の凄さに気づいた
私は言いたいことを言ってしばらくしたのち、はじめて1人暮らしをはじめました。
沖縄から横浜に引っ越したのです。
飛行機を使わないといけないので気軽に会うことはできません。
あるとき、母に対して感謝の気持ちがはじめて湧いてきました。
20代という若さでいつもお金がないって言っていたのに、よく子供3人も育てられたなぁと。
あと、私が目の手術をするときにお金がなかったので親戚から借りてきてくれたこと。
感謝とともに謝罪の気持ちも湧いてきました。
私は貯金がたくさんあったのにケチって貸さなかったので、両親が困っていたこと。
私だってお金がないときに、親がお金貸してくれなかったらすごく苦しいよな~と思いました。
自分自身が親元から離れて収入が激減したときに気づいたことです。
離れて住んでみないと、恨みとか諦めだけで終わってしまって親のすごさに気づいたり感謝の気持ちはまったく湧かなかったかもしれない。
そして、結局は親は他人なんだなぁという感覚が持てました。
母のことではないのですが、2年ぶりに実家に帰ったときのことです。
一緒に住んでいたころにはすごく怖いと思ってた父が怒りを見せた時に、何か怒ってんなぁ、このオッサン、、という風に他人を見ているような感覚になって、まったく怖さを感じなくなってました。
親には感謝しなくていいし、言いたいことを言ってもいい
親に感謝できないと悩んでいますか。感謝しなければいけないと思ってませんか。
親には感謝しなくていいのです。
感謝とは出そうとして出すものではなく、自然に湧いてくるものなのです。
それにはまず、イヤだったことや我慢していたことを言ったらいいと思う。
それは一生かかっても出来ないような超難関なことかもしれない。
しかし、あなた自身を親に理解してもらうことに本気で挑戦するということは、あなた自身があなたを知ることでもあります。
それは、自己肯定感にもつながるのです。
ずっと握りしめていた重たい何かを手放せて、もっと自由に生きていけるきっかけになるのです。
私は親に言いたいことを言おうと思っているあなたのことを全力で応援したいと思います。