宇宙誕生のきっかけとなるビックバンが起きたのは、今からおおよそ138億年前といわれています。
参考)宇宙誕生の謎―ビッグバンー
その後も宇宙は拡大を続けています。
そして、今から46億年ほど前に太陽系が形成され始めました。
私たちの住む星、地球はその太陽系の第3惑星です。
地球の誕生は、太陽系誕生からおおよそ6000万年ほど後になる約45億4000万年前といわれています。
参考)宇宙誕生の謎ー太陽系誕生ー
私たちの星、地球が存在する太陽系とはどんなものなのか太陽系についてまとめてみました。
そもそも太陽系って何?
太陽系とは太陽とその重力によってまわりを回っている惑星などの天体と微粒子、さらに太陽活動が環境を決定する主要因となる空間から構成される領域、つまり太陽およびその引力によって太陽を中心に運行している天体の集団です。
太陽系は銀河系に属しています。
※銀河系:太陽系を含む多数の恒星を主体とする天体の集団
現在、太陽系には8個の惑星、5個の準惑星、多数の太陽系小天体が確認されています。
私たちの住んでいる地球もその太陽系に属しており、一番内側の水星から数えて3番目の惑星です。
ところが、2016年には第9の惑星が存在する可能性を示す研究が学術誌『アストロノミカル・ジャーナル』で発表されました。
準惑星は、確認されている5つ以外にも数十個の候補となる星があり、2015年にも新たな準惑星が発見されています。
惑星と準惑星ってどう違うの?
2006年8月、国際天文学連合(IAU)の総会において惑星の定義が新たに定められました。
昔は惑星だと思われていた冥王星がこれによって惑星から外され、準惑星に分類されることになりました。
惑星の定義は、以下の3つになります。
(1)太陽の周囲を公転している(同じ軌道で回っている)
(2)十分大きい(重い)ために、自分の重力でほぼ球形をしている
(3) 軌道の近くに衛星以外の星がない
ちなみに、準惑星の定義は、以下の3つになります。
(1)太陽の周囲を公転している(同じ軌道で回っている)
(2)十分大きい(重い)ために、自分の重力でほぼ球形をしている
(3)自分の軌道から他の天体を掃きだすことができなかった
定義をみても分かるように、準惑星と惑星との違いは(3)のみです。
つまり、冥王星は、惑星の定義(3)をクリアできず、準惑星に分類されることになったのです。
更には、それまでの冥王星の観測から、
発見当初は地球くらいの大きさだと思われていたものが、直径は米国の南北の距離と同じくらいで月よりも小さいことが分かったり、
太陽の周りをまわる軌道が他の惑星よりも細長かったり、
他の惑星が回る面よりも傾いていたり
という違いも分かってきました。
ちなみに、現在発見されている小惑星は、ケレス、冥王星、エリス、マケマケ、ハウメアの5つです。
惑星の分類―地球型惑星と木星型惑星・天王星型惑星との違いー
地球型惑星
地球型惑星とは、主に岩石や金属などの難揮発性物質から構成される惑星です。
ちなみに、難揮発性物質というのは、蒸発温度の高い物質(元素)を原始惑星円盤が冷却していくときに最初に凝縮する物質のことです。
岩石惑星、固体惑星ともいわれています。
太陽系では水星・金星・地球・火星の4惑星がこれにあたります。
太陽系のうち、これらの惑星が位置する領域を内太陽系と呼ぶことがあります。
木星型惑星
それに対して、難揮発性のコアの周囲を液体もしくは気体の水素やヘリウムがとりまく構造の惑星を木星型惑星といいます。
木星型惑星には、木星の他に土星があります。
木星は中心に地球ほどの大きさをもつ岩石や氷からなるコアがあり、その外側を金属水素が取り巻いています。大気に相当するのは水素ガスです。
土星は木星よりやや小さめですが、構造はほぼ同じです。その組成から木星型惑星は巨大ガス惑星、ガスジャイアントとも呼ばれています。
天王星型惑星
いっぽう、天王星型惑星ですが、これはもともと木星型惑星に分類されていました。
ところが、ボイジャー2号の観測から天王星には豊富な水やメタンがあることが判明したのです。
そのため、天王星を水素やヘリウムなどガス成分が多く密度が低い木星や土星と区別をし、天王星型惑星とすることにしました。
天王星ではコアのすぐ外側に水、アンモニア、メタンが混じった氷からなるマントルがあり、
その外側を水素、ヘリウム、メタンの混合ガスが覆っています。
海王星もこれとほぼ同じ構造です。
その組成から天王星型惑星は巨大氷惑星、アイスジャイアントとも呼ばれています。
ちなみに、木星型惑星や天王星型惑星には明確な「表面」は存在しません。
ただ、そのままでは取り扱いが不便なため、便宜的に気圧が1バールとなる面を表面として定めています。
準惑星の分類
現在確認されている準惑星は、冥王星、ケレス、エリス、マケマケ、ハウメアの5つです。
そのうち、ケレス以外は海王星の軌道の外側をまわっており、太陽系外縁天体に分類されます。
ケレスは、火星と木星の間にある小惑星の軌道が集中する領域(メインベルト)にあります。
木星の強い重力により惑星となる最終段階を阻まれたとされています。
太陽系外縁天体である冥王星、エリス、マケマケ、ハウメアは冥王星型天体とも呼ばれています。
冥王星型天体とは
太陽の周りをまわっている天体で、その軌道長の半径が海王星よりも大きく、自身の重力によって球形となるだけの質量を持つため球形に近い形をしており、かつ軌道を占有しないものが冥王星型天体です。
つまり、太陽系外縁天体のうち準惑星であるものが冥王星型天体というわけです。
なので、冥王星型天体の衛星は冥王星型天体ではないということになります。
さらに、冥王星は冥王星族、エリスは散乱円盤天体、マケマケとハウメアはキュビワノ族に分類されます。
冥王星族は海王星と3:2の共鳴関係にあり、公転周期が海王星の約1.5倍(246-253年)のもの。
散乱円盤天体は海王星の重力によって、エッジワース・カイパーベルトから外側に散乱させられたもの。
キュビワノ族は海王星の重力的影響を受けていないもの。
つまり軌道共鳴状態になく、また海王星の軌道と交叉しない軌道を持つもの。
ちなみに、エッジワース・カイパーベルトとは、海王星の軌道より外側の黄道面付近にある、天体が密集した、穴の空いた円盤状の領域をいいます。
太陽系小天体とは
太陽系小天体は、太陽の周りをまわる天体のうち、惑星と準惑星を除くすべての天体のことをいいます。
小惑星や彗星がこれにあたります。
小惑星
小惑星は、太陽系小天体のうち、星像に拡散成分(コマや尾)がないものの総称です。
意外にもこの小惑星が天体を理解するのに重要な役割を果たしています。
というのも、太陽系の物質科学的な研究は、これまで主に隕石の研究によって進められてきましたが、この隕石は小惑星のかけらが地球に落ちてきたものと考えられているからです。
この隕石からのデータと分光(スペクトル)観測の結果を照らし合わせることで、いろいろなことが分かってきたのです。
ちなみに、分光観測によって天体の組成と運動が分かります。
スペクトル線の強さ(ある波長での光の放射や吸収の量)からは、天体の組成、つまり光の放射や吸収に関与する原子や分子がどのくらいあるのか、ということが元素レベルでの組成だけでなく、天体の温度や圧力などの状態についてもわかります。
いっぽう、スペクトル線の波長のずれから、天体の速度が測定できます。
これによって、小惑星にはさまざまな特徴を持った天体があり、その特徴は太陽からの距離に応じて変化していることが分かってきました。
つまり、太陽からどれくらい離れたところにあるのかで、その小惑星の物質の傾向に違いがあるのです。
いっぽう、隕石の研究から、隕石の多くは太陽系の形成初期の段階に形成されたものと考えられています。
要するに、小惑星の物質分布は太陽系の初期の物質分布を表しているのではないかと思われるのです。
彗星
彗星は、太陽系小天体のうち主に氷や塵などでできており、太陽に近づいて一時的な大気であるコマや、コマの物質が流出した尾(テイル)を生じるものです。
コマというのは、彗星核の周囲を取り巻くエンベロープ(星雲状のガスやダスト)です。彗星が太陽に最も近いところを通過する際、太陽エネルギーにより彗星本体が温められてその一部が昇華、つまり固体から気体へとなってできたものです。
コマはおもに氷とダスト(塵)からなっています。ダストのなかの大きな粒子は彗星の軌道上にとり残されて散らばり、小さな粒子は太陽の放射圧によって吹き飛ばされて彗星の尾をつくります。
太陽系についてまとめてみました。2006年に初めて小惑星の定義ができ、ここ数年でも新しい惑星や小惑星が発見されるなど、未だ全体像が解明されているわけではありません。
また新たに常識が覆されることがあるかもしれません。