目標を叶えるには覚悟が大事だとされます。
でも、なかなか覚悟が決められない、なんてことありますよね。
そんな時に、何も考えずに「やると覚悟を決めて」行動している人を見ると、とても羨ましく感じてしまう人も多いと思います。
それに対して、なかなか覚悟が決められない人は失敗を恐れたり、不安が強かったりして「やる」のか「やらない」のかを決められない事が多いと感じます。
今回は、失敗への不安や恐怖を持っている人が、どうやったら覚悟を決められるか、その方法をお伝えします。
1.覚悟を決めるとは困難を乗り越えること
覚悟を決めるのが難しいのはなぜでしょうか?
それには、過去にどんな場面で覚悟が必要になったかを考えると分かります。
試しに、覚悟を迫られた場面を振り返ってみて下さい。
高校受験、大学受験、就職活動、大きな仕事等が思い浮かぶと思います。
ほとんどが、壁にぶち当たって前に進めなくなったときではないでしょうか。
普段から難なくできる事なら覚悟なんて要りません。
つまり、覚悟を決めるとは困難を承知の上で前に進む事なのです。
やる前から「自分にはできない」とか「失敗したらどうしよう」等と怖気づいてしまうのも仕方のない事なのです。
覚悟を決められない人が多いのも当然と言えるでしょう。
2.覚悟を決められる時と決められない時の違い
覚悟を決めるのが難しい理由は分かりました。
ですが、誰しも一度は覚悟を決めた事があるのではないでしょうか。
覚悟を決められた時と決められなかった時に一体何の違いがあるのでしょうか?
「大学受験」を例に考えて見たいと思います。
あなたは大学受験を控えている高校3年生だと想像して下さい。
勉強が苦手で、センター試験の点数が振るわなかったため志望校への合格は難しい状況です。
そんな中、2次試験まであと1週間と迫ってきました。
あなたは2次試験までの1週間をどう過ごしますか?
おそらく、ほとんどの人ががむしゃらに勉強して2次試験で巻き返しを図ろうとするのではないでしょうか。
勉強したくないとは言っていられなくなる状況だと思います。
今度は大学受験を控えている高校1年生だと想像して下さい。
先程と同じで勉強が苦手です。
センター試験まであと2年あります。
あなたはセンター試験までの2年間をどう過ごしますか?
おそらく、「勉強なんて面倒くさい」「あと2年もあるから余裕」なんて思って勉強しない人が多いのではないかと思います。
先程の事例と違うのは動機の強さです。
動機が強ければ強いほど、自然と目標に向かって進む事ができます。
では、次の例ではどうでしょうか。
あなたは大学受験を控えている高校3年生だと想像して下さい。
東大を目指して勉強中ですが、勉強が苦手です。
センター試験の点数が振るわなかったため東大への合格は難しい状況です。
そんな中、2次試験まであと1週間と迫ってきました。
あなたは2次試験までの1週間をどう過ごしますか?
人によると思いますが、最後まで諦めないと答える人もいれば、あまりの実力差に諦める人もいるのではないでしょうか。
目標があまりに高すぎると、動機があっても行動できない場合が多いのです。
先程の例で、もし勉強への苦手意識がなかったらどうなるでしょうか?
あなたは大学受験を控えている高校3年生だと想像して下さい。
東大を目指して勉強中です。センター試験の点数は振るいませんでしたが、勉強は大好きです。
そんな中、2次試験まであと1週間と迫ってきました。
あなたは2次試験までの1週間をどう過ごしますか?
先程の例と比べると、最後まで諦めずに勉強すると回答する人が圧倒的に多いと思います。
つまり、目標が高すぎる場合であっても、抵抗がなければ簡単に一歩踏み出せるのです。
まとめると、「動機」「抵抗」「目標」が覚悟の有無を決めているのです。
3.覚悟を決める方法
前の項では「動機」「抵抗」「目標」が覚悟に大きな影響を与えている事をお伝えしました。
これをまとめると、覚悟を決めるための条件は以下の式で表せます。
動機 - 抵抗 > 目標
この式を基に、どうやったら覚悟を決められるようになるのかお伝えします。
①動機をはっきりさせる
なぜその目標を達成したいのか再度考えてみましょう。
先程の大学受験の例で考えると、なぜ志望校に入りたいのか?
をはっきりさせます。
出てきた答えが「医者になりたいから」とか「○○を勉強したいから」とか「この大学に入ったら楽しそうだから」等、自分の本心から出た答えであれば動機になります。
ですが、「両親に大学に行けと言われたから」とか「高校・学習塾から大学を勧められたから」等、他者から出た答えであれば動機としてかなり弱いです。
例えば、やりたくもないのに、両親から「勉強しなさい」と言われて無理やり勉強するのは誰だって面白くないでしょうし、そうやって勉強しても長続きしないのは明らかです。
それと同じ事が言えます。
そんな時は、自分なりの理由を見つけましょう。
大学で学べること、大学が行っている研究から探すのも良いですし、親元を離れて一人暮らししたいから、というものでも良いです。
理由に対して自分の中で納得感があれば動機として十分です。
目標を達成したい動機が十分にあれば自然と覚悟できるようになります。
②抵抗を減らす
やりたくない気持ちがあれば認めましょう。
やりたくない気持ちを認める事でやりたくない気持ちが小さくなって、自然と覚悟できるようになります。
これは目標に向かって進み続けるためにも重要な要素となります。
先程の大学受験の例であれば「勉強が苦手」とか「勉強したくない」という本心を認める事です。
簡単そうに見えますが、世の中を見渡すと実は多くの人が苦手にしている部分に感じます。
大学受験しているのに「勉強が苦手」とか「勉強したくない」なんて言ってられない。
そもそも、そんなことは言っちゃいけない、と考えている人が多くいます。
そうなると、やりたくもないのに余計に追い立てられる気がして、さらに勉強する気がなくなってしまうのではないでしょうか。
大学受験の例がピンとこない場合は仕事に置き換えると分かりやすいかもしれません。
「会社に行きたくない」「仕事したくない」と感じたとしても、周りに迷惑を掛けてはいけないからと、会社を休まず無理やり仕事をした結果、心身ともに疲弊して仕事を辞めざるを得ないケースをよく耳にします。
行動できている内は良いかもしれませんが、心身ともに疲弊して何も手に着かなくなってしまうと、目標そのものが破たんしてしまいます。
やりたくない気持ちを認める事で、心身の疲労や不満が膨れ上がって破裂しないようにコントロールできます。
それでも、もし難しく感じる場合は弱音を吐く事から始めてみましょう。
弱音を吐いてはいけないと感じる人もいるかもしれませんが、完璧な人なんてどこにもいません。
誰だって上手く行かない時は弱音の一つも吐きたくなるものです。
誰かに聞いてもらうものでもないので、まずは気楽にやってみましょう。
③実現可能な目標を設定する
目標を達成するのが難しく感じる場合は目標を下げましょう。
大学受験の例では「東大に合格する」事を取り上げましたが、難しく感じる場合は、目標の一歩手前、もしくは二歩手前にある達成できそうな目標を設定します。
例えば、「過去問を復習する」とか「1日3時間勉強の時間を確保する」等、実現できそうな目標に変えます。
設定した目標がさらに遠い場合はよりゴールまでのステップを細かく分けて、各ステップを目標として設定しましょう。
ステップを一歩ずつ着実にクリアしていけばいずれ目標を達成できます。
できない目標を設定して何もしないより、できる目標を設定して1ミリでも目標に近づく方が目標を達成しやすいのは誰が見ても明らかです。
とにかく、気楽に達成できる目標を設定することが大事です。
そうすることで、難なく覚悟を決められるようになります。
4.おわりに
ここまで覚悟を決められない理由、そして覚悟を決めるための方法をお伝えしてきました。
覚悟を決める事で人は困難を乗り越える事ができます。
ですが、覚悟を決めただけでは不十分です。
行動を伴って初めて覚悟が活かされます。
覚悟を決めたけれど、できた気になって何もしないのは、結局覚悟を決めなかったのと同じです。
覚悟を決める事ができたら是非、勇気を出して一歩踏み出してみて下さい。
覚悟を決められた今なら、きっとスムーズに進みます。