「好きを仕事にしたい」
と思う人は多いと思います。
でも、同じくらい「好きなことが見つからない」「やりたいことがわからない」と思っている人もいるのではないでしょうか。
私は何をやっても「嫌いじゃないけど、これじゃない」「なんか違う気がする」と答えが見つかりませんでした。
好きなことが見つからないのにはいくつかの理由があります。
ここでは原因のひとつ、極端なものの見方や白黒思考についてお話ししようと思います。
何をやってもこれじゃない気がする、もっと他にある気がするという人で、極端なタイプの人は、ちょっと視点を変えるだけで好きなことに気がつけるかもしれません。
「好き」のハードルを上げる極端な性格
極端な性格だと好きなことが見つかりにくいのは「好き」のハードルを上げてしまうからです。
極端だった私は、好きなことのイメージも極端でした。
好きなことはそれをするとどんな時も楽しくなる、いついかなる時も好きで楽しめるというイメージでした。これだと好きなことをみつけるのは大変です。嫌いな要素は一切ない「完璧な好き」を探していまうからです。
例えば、私は料理が好きです。でも、重たい買い出しは億劫だし、洗い物が面倒になることもあります。料理に関するすべてのことが好きなわけではありません。
料理したい時もあれば、何もしたくなくてお弁当を買って帰る時や外食する時もあります。料理することがいつも好きなわけではありません。
これだと100%好きとはいえないので、私は料理をすることが本当に好きなのか懐疑的でした。「こんなの好きって言わないんじゃないか」「本当は好きじゃないんじゃないか」って気がしていました。
でも、周りに印象を聞くと高確率で私は料理が好きな人だと思われているようでした。主観的にはそんなに好きでもないので、そのギャップにいつも戸惑うのでした。
極端さを手放していったある日、好きなことにも嫌なことが少しだけ混じっているのが普通だと気がつき、私は料理が好きだと胸を張って言えるようになりました。
極端な性格が「好き」のハードルを上げ9、なかなか存在しない「完璧な好き」を探し求めていたのでした。
「嫌じゃないけど、そこまで好きじゃない」「こんなんで好きと言えるのだろうか」と感じることってありますか。もしそうなら、自分で「好き」のハードルを上げているだけなのかもしれません。
「完璧な好き」を求める白黒思考
「完璧な好き」を求める極端さの裏には白黒思考がありました。
白黒思考って聞いたことあるでしょうか。白黒思考とは文字通り物事を白か黒か、善か悪か、イエスかノーか、など極端な立場で捉えてしまう思考のことです。
白黒思考はごく自然に日常に溢れています。
白黒思考はもともと誰でも持っているものだからです。
大人になるにつれていろんな経験から物事にはグレーなことがたくさん存在すると知っていきます。
例えばそれは人間関係だったり、失敗だったりします。でも大人になる過程で手放すタイミングがないと極端な認識のまま大人になります。
例えば、「コンビニはここで!」「コーヒーはブラックで」などの行動パターンに現れることもあります。
また、ちょっと意見を言っただけなのに、「批判された」「この人に何言っても無駄だ」と相手が敵かのように捉える人
ちょっとうまくいかないだけで「自分には向いてないかも」とすぐ諦めてしまう人
逆にちょっといいことがあると「もう大丈夫!」と楽観的すぎる人
見かけたことありませんか。
白黒思考の特徴
白黒思考の特徴をまとめるとこんな感じです。
- 物事が続きにくい
- 人の意見を受け入れるのが苦手
- 気持ちのアップダウンが激しい
- 自分に厳しい傾向がある
- 他人に厳しい傾向がある
- 理想と現実のギャップが大きい方だ
- 白か黒かはっきりしてグレーゾーンが存在しない
- 物事の考え方が短略的になりがち
- 深く考えず楽観的
- 妥協・協力・相談が苦手、もしくはあまりしない
もし白黒思考の傾向があって、好きなことがわからないと感じている人は白黒思考を緩めていくことで好きなことが見つかる可能性が高いです。
白黒思考についてはこちらの記事もどうぞ
嫌いなことの中に「好き」を見つけよう
ここからは白黒思考を手放して、好きなことを見つける方法をご紹介します。
嫌いなことの中にも好きなことが入っていたりします。100%嫌いなことってなかなか存在しないからです。極端な性格の人、白黒思考の人は好きと嫌いがはっきり分かれているので嫌いの中に好きな要素を見つけることができると極端さを緩めることができます。
掃除は面倒だけどキレイになるのは好きとか、狭い部屋だけど日当たりはいい、ごちゃごちゃしてるけどなんか落ち着く、嫌いな仕事の中に楽しめることがある、などです。
私は、朝早く起きるのは嫌だけど、朝日は好きです。人混みは嫌いだけど買い物は好きです。
嫌いなことの中に好きな要素、見つかりそうですか。
「小さな好き」を数えよう
「まぁまぁ好き」なことってありますか?
私は「まぁまぁ好き」を数えてみたら案外沢山ありました。
お風呂に入ったり、シャワーを浴びたりするのはまぁ好きです。でも、大好きで何時間もお風呂に入ったり、いついかなる時もシャワー浴びたいわけではないです。
洗い物も面倒だけど、水で流している時はけっこう好きです。
多分、水が好きなんだと思います。
日常の中で小さい好きってけっこういっぱいあるものです。
日常生活の中の「小さな好き」ぜひ数えてみてください。
いろんな「好き」に目を向ける
「好きなこと何?」って漠然とした質問だと思いませんか?
もう少し細かく言葉を変えて考えてみると見つかりやすいかもしれません。
心地よさ、楽しさ、やりがい、現実逃避、新鮮さ、面白さ、きれい、個性的…
「好き」の中にはいろんな要素があるものです。
いろんな角度から「好き」を眺めてみてください。
どんな「好き」が見つかりましたか。
好きなことを味わってみる
嫌いの中にある「好き」や「小さな好き」は大好きでも大嫌いでもなくて極端な人は見落としがちなグレーゾーンです。
この白でも黒でもないグレーゾーンの好きを増やしていくことは「好き」のハードルを下げるのにはとても重要です。
今まで目を向けてこなかった「好き」を見つけたら味わう時間をとってみてください。味わう時間をとることで極端さが和らぎ、好きなことが増えていきます。
小さな好きを増やしていくことは日常を鮮やかにすることです。
小さな好きを見つけて味わうようになってから極端だった頃を振り返ると世界を白と黒に分けてモノトーンにしてしまっていたんだなぁと感じます。
「好き」のハードルを下げると幸せになれる
以前は「少し好きなだけじゃ好きって言わない」と感じていました。
でも、「好き」のハードルが下がってからは好きなことが自然と見つかって、気持ちも楽に楽しくなりました。なんか好きなことに囲まれている気分です。
私は本当に好きなことをひとつ見つけることが幸せの条件みたいになっていました。
だから好きなことが見つからないことで自分に対して否定感を感じていたし、今思えばそれ以外の楽しいことが見えなくなっていました。本当に極端です。笑
仕事に関しても、すごく好きなことじゃないと仕事には繋がらないとか感じていましたが、たった一つの好きなことを見つけるよりもいろんな好きを持っていた方が仕事に繋がりやすいものだと感じています。
いろんな好きが集まって仕事になる
少しでも好きなことは見つけられたでしょうか。
好きを仕事にって聞くとすごく好きな分野で働くとか、得意なことが仕事になるイメージもあるかもしれませんが、案外小さな好きが集まって仕事につながるのだと思います。
私は水が好きだったり、好きな音があったり、体感覚を使うことが好きです。体感覚や実感を言葉に変えることも好きなので、こうやってコラムを書いて誰かの役に立てることは「好きを仕事に」の中の一つです。
ヒーラーとして、自分がしてきた学びがクライアントの役に立つ時も同様です。これも極端だった頃からすると好きなことには入らない「小さな好き」やいろんな好きを集めたからこそできた「好きな仕事に」でした。
「小さな好き」を沢山集められることは自分を多角的に知っているということです。
いろんな自分を知ることで、天職が見つかるのかもしれません。