モンテッソーリ教育を子どもに受けさせる前にすること

将棋の藤井聡太四段(14歳)がプロデビュー以来無敗で連勝記録を出し脚光を浴びています。
幼稚園ではモンテッソーリ教育を受けたということで、この教育への関心が高まり、わが子に受けさせたいと思う親御さんも急増しています。
今回は、モンテッソーリ教育を子どもに受けさせる前に必要な準備を提案します。

この記事の目次

モンテッソーリ教育とは

創始者マリア・モンテッソーリ(1870‐1952年)はイタリア初の女性医学博士で、ノーベル平和賞の候補にもなっています。
障害児の治療教育としての感覚教育法を発展させ、独自の幼児教育法モンテッソーリ教育を確立しました。

モンテッソーリ教育の目的と方法

日本モンテッソーリ教育綜合研究所のHPから抜粋引用して、モンテッソーリ教育の目的と方法を紹介します。

目的

自立した子どもを育てる

モンテッソーリ教育の基本は、子どもは、自らを成長・発達させる力をもって生まれてくる。 大人(親や教師)は、その要求を汲み取り、自由を保障し、子どもたちの自発的な活動を援助する存在に徹しなければならないという考え方にあります。
モンテッソーリ教育の目的はそれぞれの発達段階にある子どもを援助し、「自立していて、有能で、責任感と他人への思いやりがあり、生涯学びつづける姿勢を持った人間に育てる」ことです。

その目的を達成するために、マリア・モンテッソーリは子どもを観察し、そこからえた事実に基づいて教育法を構成し、独特の体系を持つ教具を開発しました。 その教育法の正しさは、現代の大脳生理学、心理学、教育学などの面からも証明されています。

方法

自由の保障と整えられた環境による教育

「整えられた環境」とは、次の4つの要素を満たすものです。

1.子どもが自分で自由に教具を選べる環境構成。
2.やってみたいなと思わせる、おもしろそうな教具。
3.社会性・協調性を促すための、3歳の幅を持つ異年齢混合クラス編成。
4.子どもそれぞれの発達段階に適した環境を整備し、子どもの自己形成を援助する教師。

※モンテッソーリ教育においては、教師は「教える人」ではなく、子どもを観察し、自主活動を援助する人的環境要素

自由の保障と整えられた環境による教育

家庭で親が担う役割

幼児期に子どもがモンテッソーリ教育を受ける時に大切なことは、親も人的環境要素としての教師の役割を家庭で担うことだと思います。
子どもを観察し、自主活動を援助する役割です。

将棋世界2017年1月号(2016年12月02日発売)のドキュメント記事によると、藤井四段は幼少期に次のようなことをしていたそうです。

・プラレールを与えると部屋いっぱいにレールを組み立てて遊ぶ。
・紙で編んで作るハートバックという袋を毎日大量に作る。その数100個に及ぶ。
・立体迷路を飽きずに何時間でもいろいろなパターンを作る。
・文字が書けないので将棋ノートは母親が代筆する。

記事から読み取れるのは、親御さんは、藤井四段の生まれつきの集中力を観察し、それを押し込めることなく、自主活動を援助する姿勢を一貫して取られていることです。
これはなかなかできることではありません。

多くの親は子どもの邪魔をする

多くの親は子どもの邪魔をする

子どもにモンテッソーリ教育を受けさせたとしても、家庭ではどうでしょうか。
先に挙げた藤井四段の自主活動と同じことをわが子がしたらどうしますか。
多くの親は子どもの言動に干渉し、子どもの自主活動に制限を与えてしまいがちです。

例えば次のように。

・プラレールを与えると部屋いっぱいにレールを組み立てて遊ぶ。
→片付けが大変だから、どうせ片付けられないから部屋いっぱいに玩具を広げてはダメ。

・紙で編んで作るハートバックという袋を毎日大量に作る。その数100個に及ぶ。
→紙がもったいない。こんなに作ってどうするの!と紙を出し惜しみしたり、制止する。

・立体迷路を飽きずに何時間でもいろいろなパターンを作る。
→ご飯の時間だから、寝る時間だからと遊びを止めさせる。

・文字が書けないので将棋ノートは母親が代筆する。
→手間がかかるので子どもにつきあわない、つきあえない。

こうなると、子どもにとって家庭が自分の欲求を我慢する場になってしまい、自らの力で能力を開花することが難しくなります。

親子関係の心理的距離

親が子どもに干渉してしまうのは、親子関係での心理的距離が近いからです。
心理的距離が近ければ近いほど、子どもと自分を一体化して、子どもの事を自分事として考えてしまいます。
モンテッソーリ教育でいう「教師は『教える人』ではなく、子どもを観察し、自主活動を援助する人的環境要素」を実践しようと思えば、子どもを自立した一人の人間として見ることができる心理的距離と、子どもをどこまでも肯定できる信頼感が大切だといえます。

心理的距離が取れない原因と対策

子どもとの心理的距離が取れない原因と対策についてみていきましょう。

バーストラウマとインナーチャイルド

親が子どもとの心理的距離を適切に取れず過干渉や束縛する裏には、親のバーストラウマやインナーチャイルドといったトラウマが潜んでいます。

バーストラウマとは、出生時における心の傷のことをいい、母親のお腹にいる胎児期から生後3か月くらいまでに形成されます。
インナーチャイルドとは、乳幼児から成人になるまでの間に作られた心の傷のことをいい、人間関係や環境の中で傷ついた経験や満たされなかった欲求が主な原因で形成されます。

私には存在価値がないという思い

私には存在価値がないという思い

バーストラウマやインナーチャイルドにより、潜在的に「私は存在価値がない」という情報を持ち、その思いを強化して育ちます。
「私には存在価値がない」という思いは、人間関係において依存関係を生じさせ、人をコントロールしようとして過干渉や束縛を引き起こします。
子どもに対して心理的距離が取れないのもここに原因があります。

もし、「私には存在価値がない」という思いがなくなれば、「自分は無条件に重要な人間であり、幸せになれる」と思え、精神的に安定し、次のような人生を送ることができるのではないでしょうか。

・大部分の時間を好きなことをして過ごす。(当然、仕事も好きなことをする。)
・人のためになることを好み、人のためになることで心から喜びを感じる。
・人間関係で問題が起きることがほとんどない。
・毎日が楽しく幸福感に満たされている。
・自分の夢を実現させる。

この状態になると、子どもが自ら好きなことを探し、集中する姿をありのまま受け入れて応援できる親になることができるでしょう。
モンテッソーリ教育でいう教師、すなわち、「教える人」ではなく、子どもを観察し、自主活動を援助する人的環境要素であることを親が自ら実践できる状態になります。

バーストラウマとインナーチャイルドを解消する方法

バーストラウマとインナーチャイルドを解消する方法

モンテッソーリ教育を受けさせて子どもの能力を伸ばすためには、まず親御さんが変わり、子どもを援助することが当たり前のようになることが大切です。
急がば回れ。

そのためには、親御さんのバーストラウマとインナーチャイルドを改善することをお勧めします。

世の中には、バーストラウマやインナーチャイルドを解消する方法として、カウンセリング、退行催眠、修行、瞑想、ヒーリングがあります。
何か自分に合った方法を探してみてトライしていきましょう。

まとめ

将棋の藤井聡太四段(14歳)が幼稚園でモンテッソーリ教育を受けたということからこの教育への関心が高まり、わが子に受けさせたいと思う親御さんが急増しています。
子どもを観察し、自主活動を援助する親になるためにバーストラウマ・インナーチャイルドの改善が有効かと思います。

親御さんのバーストラウマとインナーチャイルドが改善されると、子どもとの心理的距離が適切に取れ、子どもは自らの能力を自ら開花させる道を歩めることでしょう。

残念ながら教育の場で子どもの教育には力を入れますが、親御さんのケアはまだまだです。
子どもへのモンテッソーリ教育と親自身のケアは両輪となります。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

真に人間らしく健康に生きる方法を追求する実践家
カウンセラー/ヒーラー/リーダー/薬剤師

包丁を握りしめた夫婦関係の暗黒時代も「いつの間にか人間関係が楽になる3つのツール」で乗り越えました。
セカンドライフは夫婦円満、好きなことを仕事にして大阪と地方の二拠点生活を送っています。
還暦を迎えてなお楽しく!

HPあめのそよかぜ はここをクリック
↓ ↓

この記事の目次