ハローワークといえば仕事を辞めた人が行く所という印象はありませんか。
私も自分が退職して、ハローワークへ行くまではそう思っていました。
仕事を辞めた人が雇用保険(失業手当)を受けるにはハローワークへ行って手続きを行い、求職活動をしなければいけません。
そんな訳でハローワークへ行ったのですが、少し認識が変わりました。
ハローワークは、仕事に関する様々な窓口で、仕事を求める人なら学生でも在職中でも、もちろん失業中でも、誰でも行くことができる所というものです。
認識が変わったきっかけが新卒応援ハローワークでした。
学生さんと卒業3年以内の人向けのコーナーがハローワーク内にあったのでした。
正直いうと、学生さんも使えるんだ!とびっくりでした。
学生さんの就職は自分でアクションを起こすか、学校の就職担当部署や教員が相談に乗るものだと思っていたのです。
ちょうど私の子どもも就職について悩んでいる時期だったので興味が湧き、いろいろ調べてみると、若者向けの就労支援機関がいろいろあることがわかりました。
むしろありすぎて頭が混乱するくらいです。
今回は、若者の就労を支援する公的機関にはどのようなものがあるかピックアップしてみました。
公的機関がいう「若者」の年齢幅にちょっとびっくりしましたけどね。
このコラムが就労に不安や悩みを抱えている若者のお役に立つことがあれば幸いです。
卒業後の離職率(退職率)は?
厚生労働省の取りまとめによると、平成26年3月に卒業した新規学卒就職者の就職後3年以内の離職状況は次のようになっています。
- 大学 32.2%
- 短大等 41.3%
- 高校 40.8%
- 中学 67.7%
これは、大卒の場合は3年で3割、高卒の場合は3年で4割、中卒の場合は3年で6割強が離職するということです。
この数字を見てどのように感じますか。
最近の就職は売り手市場で職に困らない印象があるかもしれませんが、実際はなかなか厳しく、就職希望者すべてが就労できているわけではありません。
また、就活の不安を乗り越えて就職したものの、その後何らかの理由で離職し、無業状態になっている人もいます。
※就活に不安がある人はこちらをご覧ください。
https://www.ichigojyutsu.com/self-fulfillment/shukatsu-fuan/
就労に一歩が踏み出せない人がいる
離職者が職を求めるとしたら、まず、ハローワーク、派遣会社、就職・転職サイト、新聞雑誌の求人広告、知人の紹介などが頭に浮かぶだろうと思います。
そういうツールを使ってすぐに求職活動ができる場合は良いのですが、次のような場合は不安や悩みも深く、なかなか一歩が踏み出せないことがあると思います。
- 自分の求める職業がわからない
- 人間関係が不安
- 仕事ができるかどうか不安
- スキルがない
- 長い間、仕事をすることから離れている
働きたいけれど働くことに不安や悩みを抱えていてどうしてよいかわからないまま、ひとりで頑張り続けることには限界があり、解決どころか不安の中で堂々巡りしてしまいます。
身近な家族が力になってくれたとしても経験や知識が足りなかったり、情報も限られたものになってしまいがちです。
そのような場合、不安や悩みを解決しながら支援してくれる専門家に相談してみてはいかがでしょうか。
公共職業安定所(ハローワーク)
公共職業安定所は、国民に安定した雇用機会を確保することを目的として国(厚生労働省)が設置する行政機関のことです。
略称は職安、愛称はハローワークです。
ハローワークインターネットサービスはこちら。
離職した人が雇用保険を受給するためには、ハローワークへ行って申請を行い、求職活動をする必要があります。
ハローワークでは、職業紹介、職業相談、職業訓練のあっせんなどがあり、就労意欲のある人にとっては、雇用保険を受給しつつ次の職につながりやすいルートです。
また、雇用保険の受給だけでなく、仕事を求める人はどなたでも無料で利用できます。
出先機関としてハローワークプラザがあり、普通のハローワークと同様に求人検索・職業相談・職業紹介・セミナーの申込や受講などをすることができます。
ただ、求職申込や雇用保険・失業保険の手続きはできないところがほとんどなので注意が必要です。
新卒応援ハローワーク
就職を希望する大学院・大学・専門学校・高校生と卒業後3年以内の方を対象に就職支援をする仕組みが新卒応援ハローワークです。
多くの場合、ハローワーク内にコーナーがあります。
ポイントは
- 利用が無料
- 全国各地の求人情報
- 相談を随時受付
- 担当者を決めての個別支援
- 就活フェアや各種セミナー
- 在職者向け相談窓口
- 就職後の職場定着の支援
わかものハローワーク(わかハロ)
正社員就職を目指す若者(おおむね45歳未満)を対象に就職支援をする仕組みがわかものハローワーク(わかハロ)です。
ポイントは
- 利用が無料
- 担当者制による個別支援
- 全国各地の求人情報
- 仕事探しの相談を随時受付
- 就職後のフォロー
- 長期間非正規雇用で働いている人の支援
その他
上記の他にも、ハローワークという愛称はつかないのですが、支援機関がいくつかあります。
若年者のためのワンストップサービスセンター(ジョブカフェ)
カフェ感覚で若年者に訪れてもらおうという都道府県が主体の施設、ワンストップサービスセンター(通称ジョブカフェ)です。
原則として15歳から34歳までが対象となるそうですが、各地域によって上限年齢や取り組みは異なります。
ハローワークに併設されている場合もあります。
ポイントは
- 利用が無料
- 46都道府県に設置
- 地域の特色を活かしたサービス
- 保護者向けセミナーあり
地域若者サポートステーション(サポステ)
働くことについてさまざまな悩みを抱えている15歳~39歳までの若者を対象にしたのが厚生労働省委託機関・地域若者サポートステーションです。
今まであげた若者向け支援に一歩を踏み出せない人(ニート、引きこもり、不登校など)のサポートに強みがあるという印象を受けました。
ポイントは
-
利用が無料
-
若者支援の専門家
-
一人ひとりにあった支援プラン
-
職場定着するまでサポート
-
保護者の方向け支援
-
ステップアッププログラム
-
職場見学
-
職場体験
おしごとアドバイザー
正社員での就職に関する質問や相談をメールや電話で非対面でできるのが、おしごとアドバイザーです。
利用者の年齢枠を設けておらず、保護者からの相談も受け付けています。
ポイントは
- 利用が無料
- 平日の夜間、土日
- メールや電話(フリーダイヤル)で相談
- 保護者からの相談も可
- 親子の就活ギャップの公表
- 質問や相談事例の公表
- 無料セミナーの案内
まとめ
ハローワーク、派遣会社、就職・転職サイト、新聞雑誌の求人広告、知人の紹介など求職のツールは世の中にはいろいろあります。
その中でも、厚生労働省を中心に行われている若者の就労支援は年齢層やその状況に応じて様々なものがあります。
ご覧になってピンときたものはあったでしょうか。
働くことは、自分の能力を社会に役立て対価(お金)を得ることです。
これは、外の世界へ自分を表現することであり、幸せ感や喜びを得る行為ともいえます。
働くことへの不安や悩みを抱えたままでは、十分に能力を発揮することはできず、幸せ感や喜びも湧いてきません。
ひとりで、家族で悩むより、専門家の手を借りて不安や悩みを解決しつつ前へ進むことも時には必要です。
今回は公的機関をご紹介しましたが、ひとりでも多くの若者が自分の能力を発揮して働くための一歩を踏み出せるようにお祈りしています。