はじめに《英語とインナーチャイルドの不思議な関係》
日本人には英語が話せないことをコンプレックスに感じている人が多いようです。
国際化が進んで英語を話せると色々な面で有利だと思われているからだと思いますが、特に英語が必要ない生活をしているのにコンプレックスに感じるのはどうしてなのでしょうか?
日本では学校の授業で英語を習います。
そのため、英語もテストされるなどして成績で評価されます。
成績が悪ければ先生や親から怒られてインナーチャイルドになりやすいのだと思います。
特に英語は教科の中でも重要視されているので英語ができないことでインナーチャイルドが大きくなりコンプレックスになりやすいのです。
なぜ学校で英語が重要視されているかというと、上記したように社会では国際化を進める風潮があり、「国際化」という言葉のイメージが英語と直結するからだと思います。
実は、英語に関するコンプレックスの原因は英語力の問題ではなくインナーチャイルドなのです。
「学校で英語の成績が悪かった」
「文法の授業がつまらなかった」
「発音が上手にできなくて恥ずかしかった」
などなど、学校の授業で英語が嫌いになった理由はたくさんあるかもしれません。
しかしもし、英語に対するコンプレックスを減らすことができれば、英語はあなたの世界を広げてくれるツールになります。
それほど英語が上手くなくても自由に海外旅行をしたり、外国人の友達をたくさん作ったり、海外で仕事をすることだって可能になるのです。
今回は英語に紐づいたインナーチャイルドを改善して英語が楽しく話せるようになるポイントを3つお伝えします。
1. 英語が話せないことを肯定する
英語が話せないことは凄いことです!
最低でも中学と高校の6年間、最近では小学校から英語の授業がありますからもっと長く英語を勉強している人もいると思います。
そんなに長く勉強しているのに英語を話せないのは、本当に凄いことです。
バカにしていると思わないでくださいね(笑)
長年学校の英語の授業に出席していてもそれだけでは英語が話せるようになりません。
なぜなら英語を話せるようになるためには「目的」が必要だからです。
アメリカでは3歳の子供でも英語を話します。
それはアメリカで生活するために英語を話す必要(目的)があるからです。
両親がアメリカ人の子供でも日本で生まれて日本で生活するようになれば日本人と同じように日本語を話すようになります。
もしあなたが何の目的もないのに学校の英語の授業に出席していただけで英語が話せるようになったとしたら、言語の天才か、学校の先生の言いなりになって英語の例文を丸暗記したかのどちらかだと思います。
英文を丸暗記する方法が決して悪いわけではありません。
むしろその方法である程度の英語力はつきます。
しかし、ただ丸暗記した英語を話すだけでは言葉に心がこもりません。
言葉にエネルギーを乗せるためにはやはり英語を話したいという気持ちや目的が必要なのです。
だからもしあなたが英語を話せないとしたら、自分の気持ちに正直で、先生の言いなりにならなかったということです。
だから凄いのです。
あなたの中のインナーチャイルドは「学生時代に真面目に勉強しなかったから英語が話せないのだ」とあなたを責めるかもしれません。
しかし、日本に住んでいて目的もないのに英語を話せるようになっても何の意味もありません。
だから話せなくて当然だし、それでいいのです。
まずはそんな自分を肯定してあげてください。
そして、明確な目的が見つかって心から話したいと思った時に、英語が話せるようになると信じてください。
2. 英語はヘタな方が伝わりやすい
英語を話す明確な目的が見つかったとします。
しかしもちろん、それでいきなり英語がペラペラになるわけではありません。
英語を話す時に陥りがちなのが「上手く話そうとしてしまう」ことです。
この考え方が挫折につながります。
どうせ自分は上手く英語が話せない。だからもう止めようと思ってしまうのです。
ハッキリ言いますが、大人になってから英語を始めてもネイティブのようには話せるようになりません。
特に発音は10歳までに英語を身に付けないと完璧にはできないと言われています。
完璧に話そうとしてしまうのもインナーチャイルドの影響です。
何かができないことで親や先生から怒られたり、恥ずかしい思いをしたことがあれば、その時についた心の傷が刺激されて「完璧に話して失敗しないようにしなければいけない」と思ってしまうのです。
あなたの周りに日本語を完璧に話せる日本人がどれくらいいますか?
ほとんど思い当たらないのではないでしょうか?
日本語を完璧に話せる日本人が少ないように、英語圏でも完璧な英語を話せる人は稀です。
それに、とても重要なことですが、英語はヘタな方が伝わりやすいです。
なぜならヘタなことで話す方も一生懸命伝えようとしますし、聞く方も一生懸命聴こうとします。
お互いにコミュニケーションを取ろうという姿勢が作りやすいのです。
また、アクセントの強い(例えば日本語なまりの)英語を話す方が相手の印象にも残りやすいです。
あまりにも美しい発音で話されると、かえって話していることが耳に残らない場合もあります。
「ヘタでいい。ヘタだからいい」と思って会話をして伝わった時の喜びはとても大きいです。
相手と心と心でつながったことが実感できるからです。
こうした体験を積み重ねていくと、伝わる瞬間というのは言葉の上手いヘタではないことがよく分かります。
表面的な言葉を超えたもっと深い部分で相手と共感できた時に本当に理解し合うことができるのです。
そして、英語がヘタだということは英語が上達する可能性を無限に秘めているということでもあります。
ヘタな時に伝わる感覚を掴んでおけば、英語が上達した時に更に美しい言葉で相手に想いを伝えることができるのです。
相手は当然喜んでくれますから、こちらも嬉しくなってまた英語が話したくなります。
この喜びの循環が本当に英語が上達していくサイクルなのです。
3. 誰もあなたの英語力を気にしていない
あなたが英語を話す時にほとんどの人はあなたの英語力を気にしていません。
相手が気になるのは、あなたがどんな人かということです。
信頼できるのか?
友達になれるのか?
面白い人なのか?
家族ぐるみで付き合えるのか?
もし流暢な日本語を話す外国人と出会っても、その人が冷たいと感じたら二度と会いたいとは思いませんよね?
でももし、日本語は上手ではないけれど人間的な魅力に溢れた人だったらまた会いたいと思いませんか?
英語を話す場合も全く同じです。
自分の英語はヘタだと知っていて、それでも一生懸命に話そうとするだけで相手にとってあなたは十分に魅力的な人に感じられると思います。
おわりに《言葉は楽しい!》
10年以上前に、アメリカである1週間のワークショップに泊りがけで参加したことがありました。
当然ながら、他の参加者はほとんどがアメリカ人でした。
1週間も英語だけで生活しなければならなかったのでとても緊張したのを覚えています。
最初の自己紹介の時に2人1組になってお互いを他の参加者に紹介することになりました。
最初の組の人がパートナーの名前や職業など一通り紹介して、最後にこう言いました。
「彼はとても良い人なんだ」
このフレーズがウケて、その後の参加者も全員パートナーを紹介した最後に「とても良い人です」と言うようになり、会場が打ち解けていきました。
それから1週間が経ち、ワークショップの最終日に一人一人感想を発表することになりました。
みんな、感動した体験をシェアしたりして、感極まって涙する人もいました。
私も話したいことはたくさんあったのですが私の英語力では全ての想いを表現するのは不可能でした。
そこで、私の順番が回ってきた時、たった一言だけこう言いました。
“I am very happy to know that each one of you is a very nice person.”
「みなさんがとても良い人だと知って本当に幸せです。」
会場は大爆笑でした。
たぶん、こんなにウケたのは人生で初めてだったと思います。
別れ際にみんながハグや握手をしに来てくれました。
「みどりのユーモアのセンスは抜群ね」と言ってくれた人もいました。
アメリカ人にユーモアのセンスを褒められると自己肯定感が上がりますね(笑)
どんな言語でも、言葉を話す楽しさはこうした瞬間にあるのだと思います。
たった一言で、相手を感動させることも、笑わせることも、幸せにすることもできるのです。
英語についたインナーチャイルドを切り離して、ぜひ相手の心に響く本物の英語を楽しんでください。