お金が気がついたらなくなってる、ということってないでしょうか。もちろん失くしたわけではありません。
何に使ったかよくわからないまま、預金口座の残高が減っているという現象です。
今回は、そういう症状に見舞われる原因と対策についてまとめてみました。
1.いつのまにかお金がなくなる原因
1.1無意識の購入
いつのまにかお金がなくなる原因の一番目は無意識による購入です。
夢遊病者じゃあるまいしってことなんですが、必要かどうか、ほしいかどうかの判断を経ないまま安易に買い物をしてしまう、ということなんです。
たとえば、会社の行き帰りにコンビニに寄るのが習慣になっていて、いつも同じものを買うとか、目についたものを買ってしまうなんてことはないでしょうか。
本当にほしいかどうかを自問自答してみると、そうはならないかもしれません。
また、自動引き落としで月額で課金されるものなども無意識になりがちです。動画や音楽の会員サイトとか月額課金制の講座とか。
生命保険なども金額が大きいのに、当たり前になるとブラインドになって現状に合わなくなっていたりしがちです。
1.2価値観の混乱
次は価値観の混乱です。本来何かを買うにあたっては、自分にとって値段に見合う価値があるかどうかの判断が、良い買い物かどうかを分けるポイントのはずです。
しかし、自分の価値観がしっかりしていないと、この判断ができなくなります。
たとえば、他人の価値観に振り回されるケース。わかりやすいのは見栄で物を買うような場合です。
あの人が持っているから自分も欲しいとか、これぐらいの価格帯のものでないと恥だとか、自分にとって価値のあるものではなく、本来はどうでもいいものを買ってしまいがちです。
人からどう思われるかが基準なので、虚栄心やプライドは満たされるかもしれませんが、それは一時的なもの。
物を手にいれることによる満足が乏しいので、心が満たされず、したがって何に使ったかわからくなるのです。
1.3感情の不安定さ
感情的に不安定な人には、お金を使うことで心のバランスを保とうとするタイプの人がいます。
俗に言う衝動買いやストレス発散のための買い物といった形で表れます。
むしゃくしゃするとか落ち込んでいるとか、感情に振り回されているので、冷静な判断ができません。
また、自分の感情に蓋をして見ないことにしたいというパターンもあります。
いずれにしても、買い物による一時的な感情の高揚感を求めて財布を開いてしまいます。
当然ながら、目的がずれてしまっているので、せっかく買ったものから十分な満足感を得ることはないでしょう。
1.4値段に縛られる
商品の値段に縛られすぎると、決してよい買い物はできません。
「安物買いの銭失い」という言葉に端的に表れています。
節約しているようで、買った物から満足を得られず、欲求不満状態なので、実は無駄遣いになってしまいます。
賢く買い物しているつもりが、実はまったく愚かな行動をしているかもしれないのです。
洋服を例にとると、すごく気に入って、また自分によく似合い、身に着けるだけでめちゃくちゃ気分が上がるものがあったとします。
たとえ普段購入しているものの倍の値段であったとしても、それ以上の価値があることだって十分考えられます。
他人から見てもそれを着た時のその人は魅力的で、言動にも自信が感じられます。
その結果、大事な商談やパーティでの人付き合いが、うまくいくこともあるかもしれません。
普段着ているものよりは生地や縫製もいいだろうし、大事にするので長持ちもするでしょう。
しかし、値段に縛られていると、その値段を見ただけでもはやこの服は選択の対象外になってしまいます。
ここでも、商品から得られる価値と値段との正当な評価、判断ができなくなっているのです。
2.いつのまにかお金がなくなることへの対処法
いつのまにかお金がなくなるのは、上にあげたようなお金の使い方に問題がありました。
であれば、そういうお金の使い方をしなければいいわけです。
上の文章の端々にそのヒントは述べてきましたが、よりよいお金の使い方、買い物の仕方をまとめてみましょう。
2.1よい買い物の条件
よい買い物、上手なお金の使い方の条件をいくつか挙げるなら、
①自分にとって必要な、または、欲しいものである(必要性)
②手に入る自分にとっての価値が使ったお金を上回る(合理性)
③手に入れたもので自分の心が満たされる(効用)
といったところでしょうか。
これらの条件を満たすために、何をすればいいか、以下で見ていきましょう。
2.2自分のことをよく見る
①の必要性の判断にあたっては、その時の自分の状況や気持ちを、ある程度の客観性をもって意識できることが求められます。
そのためには、
「今これが必要なのか」
「本当に自分はこれが欲しいのか」
といった問いかけが役に立ちます。
これは、「3つ買うと◯◯円お得」、「今だけ△△%引き」、「限定◯個」といった売り手による販促策にまんまと乗せられないためにも有効です。
惰性や無意識になったり、衝動的だったりする買い物を避けるには、一度立ち止まって自分に問いかけることを習慣にしたいものです。
2.3価値観の優先順位
②の合理性、つまり自分にとっての商品の価値を判断するには、自分の価値観をしっかり知っておくことが何よりも重要です。
同じ商品やサービスでも、人によって、すなわち価値観によって、そのものが持つ価値は大きく変わります。
たとえば、ファッションに高い価値を見る人、仕事に見る人、心の平安や成長に見る人、旅に見る人など、それぞれのお金を使い方が大きく異なるのは容易に想像がつくでしょう。
さらに言うと、同じく旅に高い価値観をおく人でも、旅先での人とのふれあいなのか、景色なのか、食べ物なのかによっても、また全然価値をおくものが異なります。
自分の価値観、その優先順位をピンポイントで把握できるほど、より手にする価値の高いお金の使い方ができるのです。
2.4買えない悲しみにも向き合う
買い物をすることには、③で見るように、自分の心を満たす効用がありました。
しかし、買い物をしているとよいことばかりではありません。
見たくない感情に出会ってしまうこともあるのです。
その代表的なものが、ほしいけど「買えない」場合の悲しみです。
すごく気に入った商品があって、自分にとっては明らかに値段以上の価値があるとわかる。
何度自問しても、どう考えても、本当に欲しい。
でも、今の自分にはどう背伸びしても買えないということは実際に起きてきます。
やっぱり悲しいですよね。
多くの人がその悲しみを見たくないばかりに、上述のように自分を値段で縛って、高いものには見向きもしないということをしてしまうのです。
ですが、悲しみに目を背けていると、感情に蓋をすることになり、感情に振り回されやすいことは先に見たとおりです。
さらに朗報があります。
買えない悲しみを感じてきちんと向き合い処理していると、将来、それを買える可能性が高まるのです。
目を背けているといやな感情にうすうす勘づくので近づくことさえできません。
これに対して、先に悲しみを処理すると、そこに向かっていくことにもう失うものはなく、言ってみれば喜びしかないからです。
3.まとめ
いつのまにかお金がなくなることには、総じて言えば、自分との付き合い方をもっとしっかり考えた方がいいよ、そんなメッセージが込められているのかもしれません。
自分に向き合うことで、自分の人生における満足度を高めることができる。
お金の使い方においてもそれは変わらないのかもしれません。
以上