この記事でお伝えすること
✔️ “自己肯定感”について
✔️ 日常でできる改善方法
✔️ 高めるための“第一歩”
✔️ 取り組む上での注意点
はじめに
自分以外のみんなが、楽しそうに生き生きと生活している…。と、感じたことはないでしょうか。自己肯定感が高い人は、良好な人間関係を築き上げて、主体的な行動をしています。また、そうした姿は、眩しく見えるでしょう。
一方で、自己肯定感が低い人ほど、主体性が低く、人の目が気になり、他人に頼ることも苦手とする人が多いようです。
なかには、「自分はダメな人間なんだ…。」と、思い込んでいる人も少なくないかもしれません。しかし、そうしたネガティブな感情を受け入れていくことが、自己肯定感を上げる一歩につながっていくことをご存知でしょうか。
今回は、自己肯定感を高める方法について考えていきます。
最終的には、「自分は自分でいいんだ」と感じていただけたら幸いです。
自己肯定感とは?
“自己肯定感”という言葉の定義については、心理学の領域で継続的に高い注目を浴びていることもあってか、いろいろな研究者によって数多くの定義が提唱されている言葉のひとつのようです。
もともとの始まりは、1944年に高垣忠一郎氏によって提言されたと言われています。
氏の背景には、自身の子どもを対象にしたカウンセリング体験があり、自己肯定感とは、「自分自身のあり方を肯定する気持ちであり、自分のことを好きである気持ち」と、定義しているところにあるようです。
「自分自身のあり方を肯定する気持ちであり、自分のことを好きである気持ち」には、“自分はなんでもできる”というような万能感に満ち溢れた気持ちや考え方ではなく、「現在の自分を自分であると認める感覚」であり、「たとえできなくても、自分は自分だ」と自分自身を受け入れることと考えられます。
自分自身を受け入れることは、今後の人生において揺るぎない軸(=自分軸)の確立につながるだけではありません。“自分軸”が決まっていれば、誰かに依存することが少なくなるだけでなく、たとえ物事に失敗しても真摯に受け止めて立ち直り、他人の助けを素直に受けとめることが出来るようになるのです。
こうした自己肯定感を高めていく要素はいくつかあると思いますが、身近で取り組みやすい方法を3つ取り上げてみましょう。
自己肯定感を高める3つの方法
ここでは、「自己肯定感を高める方法」を3つ紹介していきます。自己肯定感は、今までの人生で培ってきた考え方や、自分に対する認識が基礎になっているので、一瞬で変えることは難しいと思います。しかし、「続けること」をやめなければ、確実に自分の変化を感じられるようになります。
ですから、焦ることなく、確実に出来ることから始めてみることをお勧めします。
「良いところ、強み」を見つける
自分で自分のいいところを発見するには、少し大変かもしれません。なぜなら、自分では当たり前すぎて気がつかないこともあるからです。また、周りから褒められたとしても、なぜ褒められているのはわからないこともあるでしょう。
実は、自分では気がつかない部分に、自分自身の強みや魅力があることがあります。そうなってくると、自分の“良いところ、強み”を見つけることはできない…と考える人も出てきそうですが、その解決策は身近にあります。
それは、「家族や友人に聞いてみる」ことです。身近な人に聞いてみることをとても恥ずかしく感じる人もいるかもしれませんが、自分では気がつくことができない“良いところ”や“魅力”を知っているのは、身近な人です。
自分以外の人が見ている“私”には、どのような「良いところがあって」、「どこに強みがある」のでしょうか。内心、興味が湧く一方で、反対に怖いと感じる人もいるかもしれませんが、しっかりと意見を受け止めることは、自己肯定感を高めるポイントになります。
さらに、大切なことは、ポジティブなことを言ってくれそうな人に尋ねてみることです。すると、言われたことに対して、気恥ずかしさはあるものの、素直に意見を受け止めやすくなるでしょう。
リフレーミングの活用
発明家で起業家の、トーマス・アルバ・エジソン氏の名言、「私は失敗したことがない。ただ、1万通りのうまく行かない方法を見つけただけだ。」という言葉を目にすると、非常に前向きでプラス思考といえるでしょう。
こうした氏の考え方を、日常生活に当てはめて考えてみてはいかがでしょうか。色々な出来事の結果自体を変えることはできません。しかし、捉え方や考え方を変えることで、今後の生活においてプラスに働くことがあります。
例えば、前向きな表現を用いて話をして、その場の雰囲気は“パッ”と明るく温かくなり、人間関係も良好になったことはないでしょうか。また、反対に、後ろ向きの表現を用いて話をした時に、その場の雰囲気が冷めきって、人間関係も悪くなったりしたことはなかったでしょうか。
もし、物事をマイナスにばかり考えてしまい、ついつい他の人にネガティブな声掛けをしてしまうというのであれば、発言する前に一呼吸置いて、ポジティブな言葉をかけられるように、意識を切り替えてみてはいかがでしょう。
もちろん、突然、ポジティブな言葉を出そうとしても出ませんので、まずは、練習として「リフレーミング」をご紹介いたします。
リフレーミングとは、物事を見る枠組み(フレーム)を変えて、違う視点で捉えなおすことをいいます。
例えば
仕事や作業が遅い! → ゆっくり丁寧な仕事ですね
騒がしくてうるさい → 賑やかで非常に楽しそうですね
融通が効かない奴だ → 芯がしっかりした人だ
等々
日常的に言葉を交わして生活を送っている私たちにとって、言葉の影響はとても大きいです。また、言葉に出さなくても心に思っているだけで相手に伝わってしまうこともあるくらいです。
日常的にリフレーミングの練習を積むことで、マイナス思考の人はプラス思考傾向になりますし、プラス思考の人はこれまで気がつけなかった部分に視点がいき、新たな発見につながる可能性があります。
これまで気がつけなかったことに気づけることや、多くの人と良好な関係を結んでいくことで培われる“自信”は、自己肯定感を高めることに大きく影響を与えるでしょう。
感謝ノートの作成
今からすぐに始められる方法として、「感謝ノート」を書く方法があります。とはいえ、文章や文字を書くこと自体が苦手な人も少なくないと思います。そうした場合は、一言または一文でも構わないので、毎晩就寝前に「感謝できること」をノートに書くようにしてみてはいかがでしょう。
特別にうれしい出来事があればもちろんのこと、特に何も思い当たらない1日であったとしても、日常的に当たり前だと思っているようなことに意識を向けてみるような方法です。
例えば、「今日も1日元気に過ごすことができた」、「おいしいご飯を食べられた」、「あたたかい布団で眠ることが出来そう」等々の当たり前のように感じたことを自分の言葉として、書き記していきます。
なんてことなのない積み重ねのように感じるかもしれませんが、「感謝ノート」を書いていくことで、自分の周囲で起きる出来事の“良い部分”を見れるようになってきます。また、肯定的な感情を持つ機会にもつながりますので、自然と自己肯定感が高まっていくことでしょう。
また、短期間で集中的に取り組んでみても良いかもしれませんが、継続的に取り組むことで文字を書くという苦手意識は無くなっていくことでしょう。そして、時間の経過とともに物事の捉え方の変化を感じはじめ、考え方の変化をも感じられるようになります。
すると、自分自身の変化だけでなく、自分を取り巻く環境にも変化が起き始めますので、楽しんで物事に取り組めるようになるでしょう。
さいごに
日頃から、「自己肯定感が低いな…」と感じている人はいるかもしれませんが、そうした現象は、自分ひとりの責任では決してありません。生まれてから現在に至るまで、家族や友人とのつながりのなかで育まれてくる自己肯定感は、自分ひとりでどうにかなるものではないからです。
だとすれば、「今から自己肯定感を高めることは不可能ではないか?」と思えるかもしれませんが、実際に「自己肯定感を高めることは可能」です。
方法としては、“自己肯定感を高める3つの方法”のなかで取り上げているので参考にしていただければと思いますが、もし、取り組みにくいと感じるのであれば、「今はこれでいい」という言葉を発してみてはいかがでしょう。
そして、この言葉を呟いた後に、不安や悲しみを打破するための行動を起こしてみると良いです。具体的には、「おいしいものを食べる」、「布団でゆっくり休む」、「ゆっくり好きな動画を見る」というように、自分自身を守るようなイメージで、何かしら好きなことをしてみてください。
人は好きなことをしている時には、自分を好きになれるものです。まずは、「こんな自分も、まあ〜良いかな♪」と思える落としどころを見つけるようなイメージです。
状況的には、「自分は自己肯定感が低い。でも、今はそれでいい。ありのままの自分でいいんだ」と、そのままの自分を受け入れていく意識を持つようにすることが大切になります。
ここでひとつ注意しておきたいことがあります。それは、色々と取り組んでいくと必ずと言っていいほどに、自己肯定感が高い人(自分以外の人)のことが気になり始める時期があります。そうした時には、考えていることを一旦全てやめて、世の中にたった一人しかいない自分自身のことを大切にすることに、意識を向けなおすことも大切です。
もし、仕切り直しても、自分以外の人に意識が向いてしまうようであれば、再度考えていることを全てやめて、取り組み直すことをお勧めします。
焦ることなく、慌てることなく、自分自身のペースで歩みを進めていくことも、自己肯定感を高める一歩となりますので、繰り返し、繰り返し取り組んでみてはいかがでしょうか。