・仕事のミスで出た自己否定の対処法
・無理な目標設定をしないコツ
・過剰な評価を求めない在り方
・怖れの感情を減らす方法
・自己肯定を上げるコツ
ソフトウェア開発の仕事では、まずプログラム作成から始めます。
その後、経験を重ねて「プログラマー → システムエンジニア → 上流システムエンジニア」という流れでステップアップします。
ただ、システムエンジニアであっても、「スケジュール管理をしながら、システム設計をして、開発工程になればプログラム作成も行う。」みたいな状況はよく見る光景です。
なので、プログラムを作成することは結構多いと思います。
その作業で個人的に嫌なのがプログラムの受入テストです。
通常、自分が作成したプログラムを他の人(設計者など)がテストします。
品質に問題ないかを確認をするわけですね。
品質保証の観点で必要な工程(作業)なのですが、その時に不具合が出ると、心がチクッとします。(不具合が多いと、グサッ!とくることもありますが。)
自分のプログラムに不備があったことで、自分自身がダメな人のように感じてしまうんですね。。
これは心が勝手に反応するので、どうしようもなかったりします。
ソフトウェア開発の業界では「不具合は発生するもの。」というのが一般常識で、それを頭では理解しているものの、心はそう簡単ではないようです。
今後もシステムエンジニアやプログラムを続けていくのであれば、そんな罪悪感や自己否定を感じる日々が待っています。
それは嫌なことだし、辛いですよね。
今回はそんな時の対処法をお伝えしたいと思います。
プログラミングで不具合0件は無理な目標と納得する
最終的にプログラムの不具合は0件にしないといけないので、どうしてもそれを目標にしてしまいがちです。
もちろん、最初からそうなれば理想的ですが、現実はなかなかうまくはいかないものです。
どれだけ経験を積んだ人でも、ちょっとしたミスはありますからね。
経験上だと、歳をとっていくと不具合が増えていく気がします。(笑)
20代 → 30代 → 40代になるにつれて、脳の処理能力は落ちてきますからね。
ミスが増えるのは自然なことで、仕方がないのでしょう。
また、その日の体調や心の状態も作業の精度に影響を与えるので、「不具合0件」を目標にしてしまうと自分を苦しめてしまいます。
「100点で当たり前。それ以外はダメ!」という考えですからね。
なので、結果(不具合の件数)に固執しない心持ちが自分に優しいと思います。
自分なりのベストを尽くす
不具合の件数に固執しない状態であれば、プログラミングが適当になって不具合が増えそうな気もしますが、「自分なりのベストを尽くす」のがポイントです。
もちろん、頑張りすぎには要注意です。
「疲れてきたら仕事のやり過ぎ!」くらいの感覚が、丁度よいバランスかもしれませんね。
自分の体や脳、心が疲れてきている状態ではパフォーマンスも落ちますし、心身も健康的ではないですからね。
一般的に、会社員は健康的でないイメージが普通なのかもしれませんが、そう思っているのであれば変えていけるといいですね。
ここで言う、「自分なりのベスト」というのは、
プログラムの品質や期限だけでなく、自分の体調や休暇、労働時間など「自分の幸せ」も大切にするイメージです。
例えば、少し体が疲れているのであれば、体に無理のかからない時間を決めて、それまででやれることをやる感じです。
仕事で体が疲れ切ってしまうと幸せからは遠ざかってしまいますからね。
または、有給休暇を予定しているのであれば、それも優先して仕事の量や納期を調整できると自分に優しいです。
出世や評価は大事なのかもしれませんが、それを目指すことで自分が不幸せになるのでは本末転倒のように思います。
今は令和ですが、昭和の価値観(会社のために無理して頑張る)で仕事をすると、人生が辛いものになっていきます。
なので、自分のことも大切にしてあげないと、頑張り続ける日々から抜け出せません。
「自分なりの幸せ。自分なりのベスト。」を意識して仕事をすると、ストレスが減って心も楽に仕事がしやすくなると思いますよ。
「まぁ仕方がないか。」の精神を大切にする
長年、システムエンジニアをしていると、この業界は完璧主義の人が多いと感じます。
「不具合=悪」という考えがまだまだ強いのかもしれません。
とはいえ、不具合を発生させないことは難しいので
「まぁ、仕方がないか。」という心持ちが大切になってきます。
意識して不具合を0件にできるなら、苦労はしません。
人間のやることに完璧はないので、不具合が出たら「まぁ、仕方がないか。」と受け入れてみると、少し心が楽になります。
どちらにせよ、最終的には出てきた不具合は全て解消するので、いちいち否定的に考えないほうがストレスが減ってお得ですよ。
ただ、上司やリーダーには「やる気や向上心がない。」という評価になりかねないので、あくまで自分の心の中でつぶやくのがポイントです。
自分のためにも、建前と本音は使いようですね。
過剰な評価を求めない。
結果(不具合の件数)に固執しないほうがストレスが少なくなると思いますが、そう簡単ではない時もあると思います。
不具合は出るものと知りつつも、実際に不具合が出ると「やってしまった!」みたいな否定感が出てくるものです。
自分が作成したプログラムなので、不具合が出ると「自分がダメな人」のように感じてしまうのでしょう。
一般的によくあるのが「ミスをする → 怒られる → 評価が下がる」という発想だと思います。
なので、怒られてもさほど気にしなければ不具合も受け入れやすくなりますし、評価を気にしなければストレスも少なくなります。
だから、小さな子供は素直で自由なのかもしれませんね。
怒られても同じことをまたやったりしますし、周りの評価もあまり気にしていないでしょう。
その感覚のまま大人になれればよかったのでしょうが、成長するにつれて責任や義務が増えていき、周りの評価を気にするようになっていきます。
大人として生きていくには必要なことかもしれませんが、それが積み重なると生き辛くなっていきます。
ですので、少しずつでも上司やリーダーへ評価を求める度合いを減らせると、ストレスが少なくなり、今よりも毎日を楽しめるようになると思います。
「怒られるのが怖い。」という想いを感じる
小さな頃から「怒られたことがない。」という人はいないと思います。
ミスや失敗は必ずありますからね。
そこから学んで成長するのが人生とも言えます。
ただ、怒られると「自分が悪いことをした。」ような感覚になるものです。
さらに、子供の頃は自分で状況判断ができないので、怒られたら「自分が悪い。」と思いやすいでしょう。
このような経験が蓄積してくると、どんどん怒られることが嫌になり、怖いと感じるようになることはよくあります。
そして、大人になっても、怒られると「自分が悪い。自分がダメなんだ。」と感じてしまうと思います。
このような時は、あえて「怖い」という感情を感じていくのがオススメです。
感情は一時的なものと思われがちですが、感じなかった感情は心に蓄積していく性質があります。
だから、ちょっとしたミスなのに、過剰に怖れが出てきてしまうこともあります。
逆を言えば、出てきた感情を感じていれば、過剰に反応しにくくなるとも言えます。
だから、あえて「怒られるのが怖い。」という感情を感じていくのが効果的だと思います。
ネガティブな感情は不快で避けたいものですが、あえてその感情を感じることが「感情的な反応」を減らすことに繋がります。
軽い感情から少しずつ感じていくと、徐々に慣れてきますので、一度お試しください。
スッキリした感覚になり、「怖い」という感情が減っていき、ミスを自然なこととして受け入れやすくなってくると思いますよ。
できている部分を認めてあげる
多くの人は小さな頃から出来ていないことを注意されて育っていきます。
学校のテストでも出来ていない箇所を「出来るようにする」教育が一般的でしょう。
なので、どうしても出来ていないところに意識がいってしまいます。
減点方式の考え方は、自分に優しくありませんね。
そんな時は、自分が出来ているところを認めていくことで加点方式の考え方に変えることができます。
一般的には当たり前のことが出来たとしても、それを評価することは少ないように思います。
でも、出来たことの積み重ねで自分の毎日や人生が創られています。
プログラムであれば、仕様通りにできている箇所はたくさんあるので、その結果を認めていけるといいですね。
出来なかった不具合にフォーカスするより、自分に優しく肯定感も上がりますよ。
まとめ
プログラムで不具合が出ると、自己否定が刺激されて「ダメなエンジニア」のように思ってしまうものです。
結果的に、不具合0件を目指して無理して頑張ることになります。
でも、過剰に義務や責任感を感じる必要はなく、「不具合が出るもの」という事実を受け入れて、無理な目標を設定しないことが重要です。
仕事の結果だけが人生ではないので、自分の幸せも大切にしながら、仕事との距離感がうまくとれると良いですね。
1度きりの自分の人生なので、後悔しないように楽しんで、仕事をしたいものです。
もっと詳しく知りたいという方はお気軽にご相談いただければと思います。