一日の業務が終わる頃
「ちょっといいか?」と社長から声をかけられます。
社長室と呼ばれる個室の中に呼びこまれ、1対1で3時間にわたる人間否定が始まります。
- どれだけ仕事をしていないか分かっているのか?
- 周りの従業員は誰も信用していない
- 周りに合わせず自分勝手ばかりしている
- 存在そのものが会社にとって迷惑だ
- きみは頭がおかしい、精神的に異常
穏やかな口調でありながら威圧感を込めて
時には怒鳴りつけられ
徹底的に私という存在が否定され
終わる頃には自分自身に対する存在を見失いそうになっていきます。
そんな状況の中、私が継続することによって
今ではパワハラを受けたことを乗り越えられた!
思うことができた「3つの習慣」をご紹介します。
パワハラのレベルは比較できません
「パワハラ」というモノを
誰かと比べたり
自分の方がもっとひどかったと思ったり
そんなのはパワハラの内に入らないよと思ったり
誰かと比べること、優劣を意識すること自体が意味のない行為です。
個人が「1人の人間として」どのように感じたのか。
ということが非常に重要だと考えます。
もし、あなたがパワハラで苦しんでいると感じておられるのであれば
何か少しでも参考になることがあれば嬉しいです。
①記録を取る
わたしにとって「パワハラ」を受けている。と感じ始めた当初から記録を取るということを続けていました。
最初の内は、「こんなものかな」と思って記録をするような意識がないかもしれません。
また、パワハラが長期に渡るとだんだんと疲れてきて記録を取ることを止めてしまうかもしれません。
状況を客観的に捉えるという意味でも、
また、他の人に助けを求める際にも非常に重要な手段となりますので
「記録を取る」というのは
おススメしたい方法です。
録音する
1つは退職に関する社長からの話しがあった際に必ずスマートフォンのボイスレコーダーアプリを使って音声録音をしたことです。
すべてのやり取りについて音声ファイルで録音記録が残してあります。
2~3日に1回の割合で2~3時間の拘束が約1ヶ月続きました。
- 社長室で2人きりで
- 他の従業員の前で
- 取引先の管理職の前で
特に2人で話をする機会が多かったのですが、
「記録」が無いと「言った、言わない」でまた争ってしまうこともあります。
特にパワハラをしている方(今回であれば社長)は
パワハラという意識はなく「当たり前のコト、普通のコトを言っているだけ」という認識ですので
客観的な評価としてどうなのか?という場合にも記録を取っておくことは役に立ちます。
毎日の記録をつける
ボイスレコーダーによる音声記録とは別に
毎日起こったことをテキスト形式で記録につけることを習慣化しています。
あまりにもツライ日は、ツラくて書けないこともありました。
そんな時は次の日に書き、なるべく自分の記憶が鮮明な状態で書くように心がけました。
ポイントは2つ。
- 時系列で客観的な事実を書く
- 自分の主観的な想いを書く
この記録は後日、弁護士さんや他の方に相談に行った際に役に立ちました。
というのも、録音データは1回あたり2~3時間あります。
それが約1ヶ月分となると膨大なボリュームになり、それらは聞くだけでも大変なことです。
テキスト形式であれば、A4用紙に数枚の量で状況をまとめることができます。
誰かに相談をする際には事前にメールで送っておけば、先方は状況確認に時間を取られることもなく、スムーズに相談に入ることができます。
どんな方法でも良いので、
自分にとってなるべく負担にならない方法で「記録を取る」ことは重要です。
気持ちの整理にも有効
弁護士等の第三者に相談する際、
実務的な部分で役に立つのが「記録」をすることです。
同時に、毎日起きたことを記録することによって自分自身の気持ちの整理にも役立ちます。
ツライ状況にあるほどに、
自分の中の感情的な部分である苛立ち、怒り、悲しみなどの感情が先に立ってしまいます。
そうなると、どうしても冷静に状況を判断したり、思考したりすることもできなくなります。
また、
相談相手に伝える際も、自分の言葉で伝えようとすると
感情的な言葉が多くなり、正確な情報を伝えられなくなります。
また
相手と交渉をしたり、自分の意志を伝える際にも
自分自身の感情がうまく整理できていないと、
攻撃的になったり、感情的な発言になって「相手の思うツボ」という状況になることもあります。
自分自身にとってベストな選択をしていくためにも、冷静になる手段を持つことは重要でしょう。
②瞑想をする
パワハラを受けている状況の中で毎日1時間の瞑想を続けていました。
「瞑想」は脳をリラックスさせ、自分の中に溜め込んだ感情をクリアにするのにも役立ちます。
私の場合は以前から毎日1時間の瞑想を習慣にしていましたので、パワハラを受けるような状況になっても習慣を止めないようにしていました。
やってみると分かりますが、
今まで瞑想をしたことが無い方が1時間の瞑想を実践するのは大変だと思います。
もし、できそうならぜひ実践してみください。
もし、難しいようであれば「まずは30分」から実践してみてください。
上の写真のように床に座って瞑想をしなくても
「椅子に座って、リラックスして目を閉じる」だけでも大丈夫です。
特にパワハラを受けているようなシビアな状況下では心も乱れています。
目を閉じて自分の内面が見えてくると「瞑想が大変」と感じるかもしれません。
ですが、
目を閉じた状態で多くのモノを感じるということは
目を開けている普段の状態は
もしかすると「何も感じないようにしている」だけかもしれません。
自分を抑え込んでしまっていないでしょうか?
③自分で在り続ける
私がそれまで大切にしてきた生き方は
「他人、周りに合わせる」という生き方をとても大切にしてきたように思います。
- 相手の意向を聞き
- 相手の意向に合わせ
- 相手を怒らせない
とにかく人に合わせることを大切にしてきました。
しかし、今回のケースでは
「相手の要望に合わせていたら自分の人生を確実に失ってしまう」という危機感を明確に感じ取ったのです。
相手に合わせるのではなく「自分の人生を生きる」という生き方に大きく舵を切ったタイミングでもありました。
誰のものでもない自分の人生
自分自身が生きている「わたしの人生」は誰のものでもない
「わたし自身の人生」です。
最終的には自分が自分の人生に対して責任を取らなければなりません。
その責任が取れなければ、死ぬ間際に「後悔のある人生を生きてきたな」
と思って死んでいくことになるでしょう。
もしわたしが、
社長の要望を聞いて、そのまま会社に居続けるという選択をしていたら。
その場は収まったかもしれませんが、
その後の仕事では、
今回、味わったパワハラ以上のツラさと向き合い続けなければならなかったでしょう。
もちろん、仮定の話ですので何が正解かは誰にも分からないことです。
維持と向上
パワハラを受けたことによって、わたしは心身ともにマイナスの影響を受けた状態で自宅に帰っていました。
先ほどご紹介した3つの習慣はマイナスの影響を「いつもの自分らしい状態に戻す」という
「マイナスからプラスマイナスゼロ」の状態に戻す。
ということを目的とした習慣です。
- それ以上悪くならないようにする
- 自分を見失わない
- 相手に呑み込まれない
といったことが目的です。
パワハラを受けてマイナスになったものを「ゼロベース」にするために
自分自身の今までの経験や習慣を使うことで取り戻すことができました。
そこからさらに発展的に「自分の人生を生きる」という
プラスの「向上」に向かっていくためには、他の人の助けを借りました。
その内容は、以前に書いた記事でご紹介していますので参考にしてみてください。
本当の自分を大切にする
今回の学びは1年以上経過した今でも鮮烈なインパクトをわたしの人生に与えています。
何よりも「本当の自分を大切にする」ということを学んだように思います。
それまでのわたしの人生はある意味では「自分にウソをついて」生きてきたのかもしれません。
それなりに楽しく、充実した人生ではありましたが、
心の底から望み、生きたい人生を生き、死ぬ間際に「後悔の無い生き方」をしてきたのか?と言われると疑問です。
わたしは
私の人生に責任を持って、自分にウソのない人生を生き切る。
そんなことを思って今を生きています。
なかなか抜け出すことのできない苦しみの中にいらっしゃる方の
少しでも参考になれば嬉しく思います。