2020年4月に入ってから急速にテレワークや在宅ワークの導入が注目を集めるようになってきました。
1ヶ月前までは「在宅ワーク、テレワーク」が
- 話題にはなっているけれど
- 一部のIT企業だけの話題
- 導入なんてできないでしょ
- うちの会社では無理
というように、勤務先や業種によっては遠い未来の仕事のスタイルといったような現実味の無い話題だったのではないでしょうか。
実際、現場系の職場では在宅ワーク、テレワークの導入は難しいということもあります。
当然ながらテレワークに向いている仕事もあれば、向いていない職種というのもあります。
しかし、緊急事態宣言が出された4月以降は、在宅ワークに対する必要性が一気に高まりました。
特に事務、企画、営業、経理等のデスクワークを中心とした職場では在宅ワークの導入に対する現実味が急速に進んでいるのではないでしょうか?
では、実際にテレワークが導入されてみてどうでしょうか?
以前のオフィスでの仕事に比べると「サボっている」と感じることはありませんか?
人は楽をしたい生き物です
人間の性質として、人は「楽な方を選択したい」と思っている生き物です。
「サボりたくなる気持ち」が出てくるのは当然です。
そして、結果として「サボってしまう」行動を取ってしまうこともあるでしょう。
しかし、小さなころからの習慣として、
「サボることは悪いこと」という考え方が染みついているかもしれません。
子供の頃、学生の頃、そして大人になってからも
「サボっていると叱られる。怒られる。良くないことだ。」
というように、サボることに対して自分自身を否定するような考え方が根付いていませんか?
しかし、同時に人はサボりたくなる。楽な方を選びたがる生き物です。
在宅ワークが推進されることによって、サボりたくなる環境が生まれやすくなってきたとも言えます。
人間の「楽な方を選びたい」という部分が露呈され、自分の中に抱えている矛盾が表面化しているということになります。
今までの働き方の常識
2020年3月末には東京都から「自粛要請」が出されました。
多くの人が乗車する通勤電車に何時間も乗り、多くの人が集まるオフィスで数時間を過ごし、混み合うお店でランチを食べ、疲れ切った身体で満員電車に乗って自宅まで帰る。
という、これまで当たり前だった仕事のスタイルは通じなくなりました。
今までは
「外に働きに行かないとご近所からダメな人間として見られる」
というのが一般的な見方としてあったかもしれません。
ところが今では
「外に働きに行くことが批判される」
というように、働き方に関する価値観が一気に変わってしまいました。
さらに悲しいことではありますが、社会インフラを正常に機能させるために必要な「医療関係者、現場で働く人、公共交通機関の人」に対して、敬意ではなくリスクのある存在として認識され始めているのは残念なことです。
今後、社会情勢がどうなっていくかは分かりませんがテレワークの流れが加速することは間違いないでしょう。
テレワークを導入しない会社
業種や職種によっては在宅での仕事ができない、向いていないという仕事があります。
しかし、在宅ワークへ移行することが可能な業務内容であるにも関わらず導入する意思が無い、予算が無い、他人事、オフィスでの仕事にこだわる。
そういった意見が多数を占める会社ではテレワーク導入には至っていないことでしょう。
急激な変化が起こり始め、実際にオフィスを中心とした業務では事業が立ち行かなくなっている会社が多くなっています。
さらに問題が深刻化すれば、自分の会社に近づくことも難しくなる。という事態も想定されます。
ロックダウンへの備えとしてテレワークの検討を早急にしている会社もあるかもしれません。
人がオフィスに集まらないと事業が成立しないという会社は、今後の事業継続自体が非常に困難になってくることは容易に想像できることでしょう。
テレワークが導入されると会社は困る?
こちらは昨年(令和元年5月31日)に厚生労働省が出している
「テレワークの最新動向と総務省の政策展開」です。
http://teleworkkakudai.jp/event/pdf/telework_soumu.pdf
テレワークの導入が難しいと考える企業側の事情は
- 対面でないとうまくいかない
- セキュリティが不安
- 適した仕事がない
- 労務管理が困難
といった理由が上げられています。
導入にあたっては、技術的な課題と労務面での課題が浮き彫りになっています。
実質的な問題としては日本企業の「サボられては困る」という思いが強く残っているのが原因ではないでしょうか。
日本では「プロセス+成果」を主軸として人事評価をするのが一般的です。
どれだけできたか?も重要ですが、それよりも重視されるのが「どれだけ頑張っているか?一生懸命やっているか?」
従業員の一生懸命さや頑張りがテレワークとなると見えなくなります。
今まで、従業員が頑張っている姿を大切にしてきた会社にとっては大きな拠り所を無くしてしまうからです。
なかなかテレワークを会社に導入できない大きな理由として、今までの評価制度が通用しなくなり、「いかに頑張っているか」という価値観で評価してきたことが否定されてしまうことへの恐れもあるのではないでしょうか。
しかし、現実的な問題としてそのような考え方をしている限りは業務自体が遂行できなくなっている状況へと変わってきています。
テレワークで通勤地獄からは解放されるがモチベーションの維持が大変
既に在宅に仕事がシフトしている方はどうでしょうか?
導入された1週間くらいは張り切って仕事をしていたものの「在宅で仕事をする」という状況に慣れてくると、モチベーションを維持することが難しくなってきませんか?
自宅に仕事をすることができるプライベート空間がある人は仕事がやりやすいかもしれません。
しかし、キッチン、リビング、子供たちが一緒にいる環境で仕事をするとなると、オフィスで仕事をしていた時のような緊張感を保ちにくくなっていると思います。
また、上司や部下など、誰かに常に見られているという緊張感が無いことによって気持ちが緩んでしまうということもあるかもしれません。
生活のスタイル、住環境によっては仕事に集中ができない。
という方もいらっしゃるかもしれません。
サボれる環境が作られやすい
人は楽な方を選択したい生き物です。
楽な人生の方が良いし、できれば苦労せずに成功を手に入れたいと思っています。
在宅ワーク、テレワーク導入によって、仕事の環境として「サボりやすい」環境ができます。
会社によっては早急にテレワーク導入を進められたことにより
会社側が従業員を「監視」する機能が整えられないまま、仕事のタスクだけが自宅に移行しているという方も多いでしょう。
オフィスで働くことのメリットは「周りの人の目がある」ということです。
極端ですが「例え、仕事が無かったとしても、仕事をしている雰囲気」を出すことで、会社からの信頼を得ることができます。
ところが、自宅という環境になると「監視の目」がありません。
当然ながら、人は自然と「サボる」方を選択しやすくなってしまいます。
自分を追い詰めない
仕事をしないことを推奨する訳ではありませんが、
朝の9時~18時まで自宅にこもってずっと仕事をし続ける。というのは集中力自体が続かないものです。
サボってしまう自分を「ダメだ!」と責めて、
根を詰めて自分を追い詰めるような仕事のやり方はよくありません。
結果的には仕事の効率、仕事の成果にも良くない影響を及ぼす可能性もあります。
何よりもご自身の健康状態、精神状態を正常に保つことが難しくなります。
先ほど書いたように
在宅で仕事をすると「サボってしまう自分」が出てきやすいですが、
人によっては「自分を追い詰めてしまいやすい」ということもあります。
様々な事情が人によってはあるでしょうが、無理のない範囲で適度に仕事ができるようになる
セルフコントロールをする力も大切です。
自分が「サボる」ことを認める
在宅ワークで仕事をするということは「サボってしまう」環境ができやすい。ということです。
ですので、自分自身は「サボってしまう」ものだと認めてしまう。というのも一つの方法です。
- サボってはダメ
- サボることは非常識
- サボることは良くない
- サボることは負け
- サボって良いことは無い
というように、サボってしまう自分が存在することに対して「否定的」な考えが出てくるかもしれません。
そんな自分も含めて「サボってもOK」と、まずは容認してしまいましょう。
どうせサボるなら無駄にサボらない
サボることが自分で認められたのであれば、次はサボり方を変えてみませんか?
サボり方は人によっていろいろあると思います。
人によってはサボっているモノと「これはサボりではない」と思うモノと価値観は人それぞれです。
会社勤めの方であれば、今までは管理者がサボりの基準を決めていました。
「あいつサボってんな~」
さて、あなたがあなた自身の行動を見た時にはどうでしょうか?
- スマホでゲームをしていたらサボってる?
- 友達とLINEで会話をしていたらサボってる?
- SNSを何となく見ているのはサボってる?
- 近所を気晴らしに散歩するのはサボってる?
- 子供と遊ぶのはサボってる?
- 音声でセミナーを聴きながら仕事をするのはサボってる?
- パソコンの前を離れるのはサボってる?
- トイレに行くのはサボってる?
上記以外にも、ご自身の在宅での仕事状況を客観的に観察したときに「これはサボってるな」と感じることがあると思います。
さて、あなたにとって無益なサボりはどれでしょうか?
あなたにとって有益なサボりはどれでしょうか?
有益なサボりに変える
今までの会社基準、上司基準では無益なサボりだったものの、
ご自身にとっては有益なサボりというものもたくさんあると思います。
在宅ワークでサボってしまうのであれば、ぜひ取り入れたいのが「自分自身」にとって有益なサボりをするということです。
やることはシンプルです。
空いた時間、ちょっと疲れた時、手持ち無沙汰な時に、スマホを手に取るのではなく、自分の内面に向き合ってみます。
- 自分がどうしたいのか?
- 自分がこれからどう生きたいのか?
- 自分が本当は何がしたいのか?
- このままでいいのか?
- 本当の自分は?
オフィスにいない、自分が「素」になれる自宅という空間に身を置き続けることで、簡単にサボってしまう自分も出てきてしまいます。
楽をして「サボってしまう」自分がでやすいですが、同時に本当の自分にも出会いやすくなります。
周りにあなたを評価する人がいなければ、自分にウソをつかない本当の自分にも出会いやすくなります。
今まで避けきた本当の自分
人によっては「本当の自分」と出会うことは、ツラく、恐く、悲しく、不安なことかもしれません。
毎日、オフィスに仕事へ行く多忙さの中に、たまの休日をゆっくりと過ごしたいという欲求の中に「本当の自分」は紛れ込んでしまい、いつの間にか姿が見えなくなっている方も多いでしょう。
スマホやパソコンでネットの世界に入ってしまえば、今までと同じようにあなた自身と向き合うことの無い(仮想の)世界へと簡単に誘われてしまいます。
自宅で仕事をしているのは何となくヒマだ。やることがない。
というのは、非常にもったいないことです。
いま、与えられているのは「あなたがあなた自身と向き合うことができる貴重な時間」です。
今までの常識が崩壊しつつある世の中に新たな価値観を築く礎はあなたの中にしか存在していません。